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2006年12月08日11:54

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『父親たちの星条旗』

映画『父親たちの星条旗』を観た。

(2006年 米 監督:クリント・イーストウッド
出演:ライアン・フィリップ ジェシー・ブラッドフォード アダム・ビーチ バリー・ペッパー ジョン・ベンジャミン・ヒッキー ジョン・スラッテリー ポール・ウォーカー ジェイミー・ベル)

製作(スピルバーグ)、監督(イーストウッド)、脚本(P・ハギス)と、名前を聞いただけでビビってしまいそうな人たちが作った戦争映画。
ポール・ハギスに関しては、『クラッシュ』『ミリオンダラー・ベイビー』など、記憶に鮮烈な作品が多くて、ちょっと期待でワクワク(^_^)v

【太平洋戦争末期の硫黄島における米軍と日本軍の戦いは、5日間で占領する予定だった
はずが、日本軍の思わぬ防戦に、米軍は約1カ月の苦戦を強いられた。その最中、6人の
兵士がたまたま星条旗を掲げた。その時の様子を撮影した1枚の写真が彼らと米軍の運命を変えてゆく…。】

失礼ながら、そんなに華のある有名な役者さんは出ていない。
主役がリース・ウィザースプーンの旦那様のライアン・フィリップ。
なかなかの男前で、私はけっこう好きだ。

…この作品を観ている間、「コーマン」という単語をやたらと耳にする。
正しい発音はさだかではないが、私の耳にはそう聞こえた。
Corpsman=衛生兵という意味の言葉だそうだ。

主人公のドク(ライアン・フィリップ)は衛生兵だった。彼は、助からないと分かっていても兵士たちを治療し続ける。そして、兵士たちの最期を看取るのだ。何人も、何人も…。戦場には彼を呼ぶ「コーマン」という声が幾重にもこだまする。

BGMもほとんどない中、ブルーグレーの色調をおびた戦場は悲惨さを極め、目をそむけたくなるような惨状だった。日本軍はゲリラ作戦をとっていて、どこから攻撃をしてくるかわからない。姿が見えないのだ。とても怖かった。のちに、この日本軍のゲリラ作戦をベトナムが真似た、といわれている。

星条旗を掲げた6人の兵士のうち、生き残った3人は、「英雄」となる。
彼らは軍資金を集めるために、軍によって作られた「英雄」だった…。

『ミスティック・リバー』も『ミリオンダラー・ベイビー』もこの作品も、ここ最近のイーストウッドの映画は尾をひくようにずーっと心に残る。だぶん、彼の作品は観客が「考える」余地のある作品なのだ。だから、心に静かにしみ込んでくるような余韻を感じるというか…。

私は日本人でありながら、硫黄島の戦いのことを全く知らず、とても有名らしい星条旗を掲げた写真のことも知らなかった(^_^;) アメリカ人のイーストウッドからそれを習うなんて…(笑)ラストシーンを観ながら、ジーンと心に響くものがあって、この作品を観て良かったな、なんて思った。

願わくば『硫黄島からの手紙』で描かれる日本が、いわゆる「日本人が見て違和感のある日本」になっていませんように!

娯楽性はあまりない作品なので、ドキュメンタリーを観るような感覚で見た方が楽しめるのではないだろうかと思う。 独りでじっくり観たい作品、かな。




『ミリオンダラー・ベイビー』↓
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『クラッシュ』↓
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『硫黄島からの手紙』↓
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