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2018年01月19日03:31
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ムーミン谷はどこにある（2）
ムーミン公式サイトが見解を発表した。
ムーミン公式が「ムーミン谷がある場所」について見解発表 センター試験地理Bの出題の件で
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ムーミン谷はどこにある？ 〜センター試験地理Bの出題に寄せて〜
この問題について昨日も日記を書いたのだが、長すぎて収まらなくなったので続きを書いている途中だった。
情勢が毎日変化するので、じっくり時間をかけて自分なりの考えをまとめるのは、なかなか難しい。ともかく、「ムーミン谷はどこにある（1）」（以下、「日記（1）」と略）
http://
の続きである。
さて、今回示されたムーミン公式サイトの見解は、ムーミンの舞台は「フィンランドの風土を反映しているが、現実とは別なファンタジーの世界である」というものだった。
普通の人はこれで納得するかもしれない。しかし私は普通よりもう少し諦めが悪いので、なお疑問が頭から離れないのである。
それはムーミン物語に実在の地名が登場し、にもかかわらず地名から舞台を特定しようとすると矛盾が生じることだ。
日記（1）で明らかになったことを、改めてまとめてみよう。
（1）ムーミンの先祖はヘルシンキに住んでいた。(#6.『ムーミン谷の冬』)
（2）ムーミン谷は西の海に面している。(#3.『たのしいムーミン一家』）
（3）ムーミン谷からヨットで一日の距離にフィンランド湾がある。(#8..『ムーミンパパ海へいく』)
（4）ムーミン谷は冬に極夜があり、北極圏に位置すると思われる。（#6)
問題は、（3）「フィンランド湾」と（4）「北極圏」が地理的に相容れないことだ。
ムーミンの舞台が「フィンランド（あるいはスウェーデン）の風土を反映している」のは問題ない。トールキンのホビット庄だって現実の英国の風土や文化を反映している。だが、指輪物語には実在の地名は出てこない。実際、指輪物語の地図にはブリテン島すら存在しない。
ところが、トーベ・ヤンソンは自分の創造した世界に「フィンランド湾」を登場させている。
ヤンソンは現実の自然を「写実的に」描く事で作品世界を成立させている。登場するキャラクターはファンタジーであっても、舞台となる土地はリアリズム文学の方法論で書かれているのだ。
そういう姿勢で創作された作品に「現実の地名が出てくる」。これが無意味であるはずはない。なのに、過去のシリーズと矛盾するような形で登場させているのは、一体どういうことなのだろうか。
この謎を解くにはトーベ・ヤンソンの人生と精神を深く理解する必要があるかもしれないが、今その余裕はない。できるのは手持ちのムーミン本をできるだけ読み込むことくらいだ。
***
というわけで、さらに考えてみた。
『ムーミンパパ海へいく』（＃8）の島とムーミン谷の位置関係は、本当のところどうなっているのだろうか。
最終巻『ムーミン谷の十一月』(#9)の最後、ムーミン谷に南西の風が吹く時期に、ムーミン一家は谷に帰ってくる。すなわち、#8の島はムーミン谷の南西の方角、少なくとも南にあると考えられる。
#9の最終章で、ムーミン屋敷でたった一人、ムーミン一家の帰りを待っていたホムサ・トフトはこう思う。
「これはムーミンたちの風だな、とトフトは思いました。あの人たちは、南西風が一番すきなんだ。ぼくは知っているんだ」（#9.P254）
なぜホムサ・トフトは「ムーミンたちは南西風が一番好き」と判断したのか。本文には説明が一切ないが、こう考えれば理解できる。ムーミンたちが島から故郷に帰ってくるのに、最も好都合な風向だからだ。風にそのまま乗って帰ってくる事ができるから「一番好き」なのである。少なくとも、ムーミン一家との出会いを待ち望んでいたホムサ・トフトには「そう感じられた」ということだ。
事実すぐ後にこう書いてある。
「ムーミン一家は、追い風にのり、岸に向かって一直線に船をすすめていました」（#9.P259）（★14）
よって、ムーミン谷はフィンランド湾を北東に進んで到達する陸地にあり、かつその地域は南北に伸びていて西に海がある。この条件に合致する土地はフィンランドではなく、ロシア領になってしまう。
ムーミン谷がロシアにあったって、それ自体は別に悪いわけはないのだが、そうなると『ムーミン谷の冬』の極夜と矛盾してしまう。問題はそこだ。
日記（1）でフィンランド湾周辺の地図を示したが、ここで再度示しておこう。
これと、
https:/
に示されている『世界文学にみる架空地名大事典』の地図を比較すると、後者の地図はフィンランド湾の北東岸、フィンランドとロシアの国境付近にムーミンランドを設定している事がわかる。（★15）
極夜と、「王様ジョーンズの国」の件さえなければ、この位置関係自体は意外と筋が通っていたのだと、ここまで検討してようやく気づいた。
このような地図の作り方は、故半村良の伝奇SFを思わせる。半村良の創作法は、実際の地図にナイフで切れ目を入れ、そこを広げてできた隙間に架空の土地を設定するものだった。これによって、現実の土地の中に架空の土地を矛盾なくおさめることができるわけだ。
『大事典』の地図は、シリーズのフィンランド湾に関する描写に合わせて、フィンランドとロシアの国境線をナイフで切り、できた隙間にムーミンランドと王様の国を押し込むという方法で作られたのではないか。つまり、フィンランドとロシアの間の「どこでもない土地」ということになる。
だが、日記（1）で見たとおり、『大事典』の地図を正しいものとして採用する事は不可能だ。
#6に極夜があることからすれば、ムーミン谷が面している海はフィンランド湾でなく、ボスニア湾の最北部と考える方が、まだしも筋が通るように思う。北極圏は北緯66度33分以北で、上の地図にも出ているボスニア湾北辺の都市オウルの緯度は65度1分。ボスニア湾最北端の町はスウェーデンとの国境に位置するトルニオで、北緯65度50分55秒だ。
つまりボスニア湾を少しだけ北へ延長すれば北極圏に入れることができる。
では、ムーミン谷はオウルの北、ボスニア湾を延長した北極圏の部分にあると考えてはどうだろう。物語の都合に合わせて現実の地理を少しだけ改変するのは、他の作家もやっていることだ。（★16）
#8の島はフィンランド湾にあるが、ムーミン谷の西の海がフィンランド湾だとはどこにも書かれていない。しかもボスニア湾の奥から南へ下るには、まさに南西に進むことになる。つまり#9では、ムーミン一家のボートが南西風にのって、ボスニア湾を北東に遡ってムーミン谷に帰ってきたと考える事も、十分可能なわけである。
これは意外と有望な解釈なのではあるまいか、と一瞬希望がふくらんだが、すぐにしぼんだ。ボスニア湾は全長700�劼發△襦�最北部からフィンランド湾までボートで一昼夜で到達するのは、アメリカズカップの競技艇でもない限り不可能だ。それに#8の島は「ムーミン谷の地図」の周辺部分に載っている。帆走の時間から考えても、ムーミン谷からそれほど遠く離れてはいない事は明らかだ。
***
さてそうすると、どう考えたらいいのだろう。ムーミン谷はフィンランド湾にあるのか、ボスニア湾にあるのか、北極圏なのか、そうでないのか。
どういうケースを考えても矛盾をきたしてしまう。
今時の風潮では、ムーミンは「ファンタジー」なのだから矛盾があっても気にするのはおかしい、そんな事を追求するのはファンタジー警察だ！ そんな批判の声が目立つ。しかしそのような主張の多くは、思考停止の正当化に過ぎないのではないだろうか。
私が本当に知りたいのは、「この矛盾をトーベ・ヤンソンはどう認識していたのか」ということだ。
ヤンソンは作品世界に矛盾があってもかまわないと考えていたのか、それとも、ヤンソンにとっては、この世界観は矛盾していなかったのか。
どちらと考えても、さらなる疑問が生じる。しかし、今の自分の僅かな考察リソースで可能な選択肢は限られている。
前者であって、ヤンソンが作品世界の矛盾を意に介さなかったとしたら、その心情を手持ちのテキストだけから読み解く事は不可能である。それにはヤンソンの評伝のような、詳細な伝記的資料が必要になるが、今そこまで手を広げるのは無理だ。
したがって今はもう一方の可能性、ヤンソンにとって、ムーミンの世界観は矛盾していなかった、という方針で考える以外選択の余地がない。
そこで考えるべき事はこうなる。
いかなる世界観と解釈したら、ムーミンの世界は矛盾がなくなるのか。
つまり、ムーミン谷が北極圏にあって、かつそこから一日でフィンランド湾に行ける世界観とはどのようなものなのか。
まだ結論に達するまで時間がかかりそうだが、すっかり遅くなったので、今夜はこれまでとする。
（3）につづく。（ことがあるかもしれない）
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注
★14 ヨットは最大で向かい風に対して45度の角度まで進むことができるから、たとえ追い風であっても風向と同じ向きに帆走するとは限らない。しかしこの場合、追い風に最も近い角度で進めるから、故郷に帰るタイミングになった、ゆえに一家は帰途についたと解釈するのが自然で、よって島はムーミン谷の南西に位置すると考えるのが合理的と思う。
★15 比較画像も作ってみたが、元は他人の画像だから、ここで示す事はできない。『架空地名大事典』を入手したら、その後に改めて比較画像を作ろうと思う。
★16 たとえばアーサー・Ｃ・クラークは『楽園の泉』で、宇宙エレベーターをスリランカに建設するためにセイロン島を赤道直下に移動させてしまった。
ムーミン公式が「ムーミン谷がある場所」について見解発表 センター試験地理Bの出題の件で
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ムーミン谷はどこにある？ 〜センター試験地理Bの出題に寄せて〜
この問題について昨日も日記を書いたのだが、長すぎて収まらなくなったので続きを書いている途中だった。
情勢が毎日変化するので、じっくり時間をかけて自分なりの考えをまとめるのは、なかなか難しい。ともかく、「ムーミン谷はどこにある（1）」（以下、「日記（1）」と略）
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の続きである。
さて、今回示されたムーミン公式サイトの見解は、ムーミンの舞台は「フィンランドの風土を反映しているが、現実とは別なファンタジーの世界である」というものだった。
普通の人はこれで納得するかもしれない。しかし私は普通よりもう少し諦めが悪いので、なお疑問が頭から離れないのである。
それはムーミン物語に実在の地名が登場し、にもかかわらず地名から舞台を特定しようとすると矛盾が生じることだ。
日記（1）で明らかになったことを、改めてまとめてみよう。
（1）ムーミンの先祖はヘルシンキに住んでいた。(#6.『ムーミン谷の冬』)
（2）ムーミン谷は西の海に面している。(#3.『たのしいムーミン一家』）
（3）ムーミン谷からヨットで一日の距離にフィンランド湾がある。(#8..『ムーミンパパ海へいく』)
（4）ムーミン谷は冬に極夜があり、北極圏に位置すると思われる。（#6)
問題は、（3）「フィンランド湾」と（4）「北極圏」が地理的に相容れないことだ。
ムーミンの舞台が「フィンランド（あるいはスウェーデン）の風土を反映している」のは問題ない。トールキンのホビット庄だって現実の英国の風土や文化を反映している。だが、指輪物語には実在の地名は出てこない。実際、指輪物語の地図にはブリテン島すら存在しない。
ところが、トーベ・ヤンソンは自分の創造した世界に「フィンランド湾」を登場させている。
ヤンソンは現実の自然を「写実的に」描く事で作品世界を成立させている。登場するキャラクターはファンタジーであっても、舞台となる土地はリアリズム文学の方法論で書かれているのだ。
そういう姿勢で創作された作品に「現実の地名が出てくる」。これが無意味であるはずはない。なのに、過去のシリーズと矛盾するような形で登場させているのは、一体どういうことなのだろうか。
この謎を解くにはトーベ・ヤンソンの人生と精神を深く理解する必要があるかもしれないが、今その余裕はない。できるのは手持ちのムーミン本をできるだけ読み込むことくらいだ。
***
というわけで、さらに考えてみた。
『ムーミンパパ海へいく』（＃8）の島とムーミン谷の位置関係は、本当のところどうなっているのだろうか。
最終巻『ムーミン谷の十一月』(#9)の最後、ムーミン谷に南西の風が吹く時期に、ムーミン一家は谷に帰ってくる。すなわち、#8の島はムーミン谷の南西の方角、少なくとも南にあると考えられる。
#9の最終章で、ムーミン屋敷でたった一人、ムーミン一家の帰りを待っていたホムサ・トフトはこう思う。
「これはムーミンたちの風だな、とトフトは思いました。あの人たちは、南西風が一番すきなんだ。ぼくは知っているんだ」（#9.P254）
なぜホムサ・トフトは「ムーミンたちは南西風が一番好き」と判断したのか。本文には説明が一切ないが、こう考えれば理解できる。ムーミンたちが島から故郷に帰ってくるのに、最も好都合な風向だからだ。風にそのまま乗って帰ってくる事ができるから「一番好き」なのである。少なくとも、ムーミン一家との出会いを待ち望んでいたホムサ・トフトには「そう感じられた」ということだ。
事実すぐ後にこう書いてある。
「ムーミン一家は、追い風にのり、岸に向かって一直線に船をすすめていました」（#9.P259）（★14）
よって、ムーミン谷はフィンランド湾を北東に進んで到達する陸地にあり、かつその地域は南北に伸びていて西に海がある。この条件に合致する土地はフィンランドではなく、ロシア領になってしまう。
ムーミン谷がロシアにあったって、それ自体は別に悪いわけはないのだが、そうなると『ムーミン谷の冬』の極夜と矛盾してしまう。問題はそこだ。
日記（1）でフィンランド湾周辺の地図を示したが、ここで再度示しておこう。
これと、
https:/
に示されている『世界文学にみる架空地名大事典』の地図を比較すると、後者の地図はフィンランド湾の北東岸、フィンランドとロシアの国境付近にムーミンランドを設定している事がわかる。（★15）
極夜と、「王様ジョーンズの国」の件さえなければ、この位置関係自体は意外と筋が通っていたのだと、ここまで検討してようやく気づいた。
このような地図の作り方は、故半村良の伝奇SFを思わせる。半村良の創作法は、実際の地図にナイフで切れ目を入れ、そこを広げてできた隙間に架空の土地を設定するものだった。これによって、現実の土地の中に架空の土地を矛盾なくおさめることができるわけだ。
『大事典』の地図は、シリーズのフィンランド湾に関する描写に合わせて、フィンランドとロシアの国境線をナイフで切り、できた隙間にムーミンランドと王様の国を押し込むという方法で作られたのではないか。つまり、フィンランドとロシアの間の「どこでもない土地」ということになる。
だが、日記（1）で見たとおり、『大事典』の地図を正しいものとして採用する事は不可能だ。
#6に極夜があることからすれば、ムーミン谷が面している海はフィンランド湾でなく、ボスニア湾の最北部と考える方が、まだしも筋が通るように思う。北極圏は北緯66度33分以北で、上の地図にも出ているボスニア湾北辺の都市オウルの緯度は65度1分。ボスニア湾最北端の町はスウェーデンとの国境に位置するトルニオで、北緯65度50分55秒だ。
つまりボスニア湾を少しだけ北へ延長すれば北極圏に入れることができる。
では、ムーミン谷はオウルの北、ボスニア湾を延長した北極圏の部分にあると考えてはどうだろう。物語の都合に合わせて現実の地理を少しだけ改変するのは、他の作家もやっていることだ。（★16）
#8の島はフィンランド湾にあるが、ムーミン谷の西の海がフィンランド湾だとはどこにも書かれていない。しかもボスニア湾の奥から南へ下るには、まさに南西に進むことになる。つまり#9では、ムーミン一家のボートが南西風にのって、ボスニア湾を北東に遡ってムーミン谷に帰ってきたと考える事も、十分可能なわけである。
これは意外と有望な解釈なのではあるまいか、と一瞬希望がふくらんだが、すぐにしぼんだ。ボスニア湾は全長700�劼發△襦�最北部からフィンランド湾までボートで一昼夜で到達するのは、アメリカズカップの競技艇でもない限り不可能だ。それに#8の島は「ムーミン谷の地図」の周辺部分に載っている。帆走の時間から考えても、ムーミン谷からそれほど遠く離れてはいない事は明らかだ。
***
さてそうすると、どう考えたらいいのだろう。ムーミン谷はフィンランド湾にあるのか、ボスニア湾にあるのか、北極圏なのか、そうでないのか。
どういうケースを考えても矛盾をきたしてしまう。
今時の風潮では、ムーミンは「ファンタジー」なのだから矛盾があっても気にするのはおかしい、そんな事を追求するのはファンタジー警察だ！ そんな批判の声が目立つ。しかしそのような主張の多くは、思考停止の正当化に過ぎないのではないだろうか。
私が本当に知りたいのは、「この矛盾をトーベ・ヤンソンはどう認識していたのか」ということだ。
ヤンソンは作品世界に矛盾があってもかまわないと考えていたのか、それとも、ヤンソンにとっては、この世界観は矛盾していなかったのか。
どちらと考えても、さらなる疑問が生じる。しかし、今の自分の僅かな考察リソースで可能な選択肢は限られている。
前者であって、ヤンソンが作品世界の矛盾を意に介さなかったとしたら、その心情を手持ちのテキストだけから読み解く事は不可能である。それにはヤンソンの評伝のような、詳細な伝記的資料が必要になるが、今そこまで手を広げるのは無理だ。
したがって今はもう一方の可能性、ヤンソンにとって、ムーミンの世界観は矛盾していなかった、という方針で考える以外選択の余地がない。
そこで考えるべき事はこうなる。
いかなる世界観と解釈したら、ムーミンの世界は矛盾がなくなるのか。
つまり、ムーミン谷が北極圏にあって、かつそこから一日でフィンランド湾に行ける世界観とはどのようなものなのか。
まだ結論に達するまで時間がかかりそうだが、すっかり遅くなったので、今夜はこれまでとする。
（3）につづく。（ことがあるかもしれない）
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注
★14 ヨットは最大で向かい風に対して45度の角度まで進むことができるから、たとえ追い風であっても風向と同じ向きに帆走するとは限らない。しかしこの場合、追い風に最も近い角度で進めるから、故郷に帰るタイミングになった、ゆえに一家は帰途についたと解釈するのが自然で、よって島はムーミン谷の南西に位置すると考えるのが合理的と思う。
★15 比較画像も作ってみたが、元は他人の画像だから、ここで示す事はできない。『架空地名大事典』を入手したら、その後に改めて比較画像を作ろうと思う。
★16 たとえばアーサー・Ｃ・クラークは『楽園の泉』で、宇宙エレベーターをスリランカに建設するためにセイロン島を赤道直下に移動させてしまった。
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