mixiユーザー(id:78391)

2018年01月14日07:31

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 【質問】 ノイマン効果って何?(下書き)

 【質問 kérdés】
 ノイマン効果って何?

 【回答 válasz】
 ノイマン効果 Neumann effect とは,モンローの円錐形のくぼみに金属板で内張りをすると穿孔力がさらに強くなる現象.

 1888年,アメリカの科学者チャールズ・E・モンローは,円錐状のくぼみをもつ炸薬を円錐頂点側から起爆すると,爆発によって生じる衝撃波がぶつかり合った結果前方に集中して放射され,強い穿孔力が生み出されることを発見した.
 そして1910年,ドイツの科学者,エゴン・ノイマン Egon Neumann は,モンロー効果を生み出す成型炸薬のくぼみ内部に「ライナー」と呼ばれる金属板を貼り付けることで,穿孔力を更に増加させることができることを発見.
 前者がモンロー効果,後者がノイマン効果と呼ばれる.

 内張りは,くぼみと同じ形の金属の円錐をはめ込むことで行われることが多い.
 爆轟が進行して金属の内張りに達すると,爆轟波によりライナーは動的超高圧に晒される.
 そしてユゴニオ弾性限界を超える圧力に達すると,固体の金属でも可塑流動性を持つようになり,液体に近似した挙動を示すようになる.
 これにより,融着体と呼ばれる金属塊となって,前方へ超音速で飛び出していく.

 ただし,メタルジェットが形成されるためには,爆薬からライナーへ伝わる衝撃波の伝播速度が金属中の音速を超えている必要があるため(金属中の音速は3000 m/s 〜 4000 m/sになる),爆速が5000 m/s以下の爆薬ではメタルジェットが形成されず,効果が無い.

 このモンロー・ノイマン効果効果は,工兵が効率よく障害物を破壊する爆薬にまず応用され,第二次大戦が始まると,モンロー・ノイマン効果を利用した成形炸薬弾 Shaped Charge が,対戦車榴弾として発達した.

 今日でも成形炸薬弾は使われているほか,スチール製ドアやコンクリート壁を高温高圧のメタル・ジェットで切断するために,モンロー/ノイマン効果を利用した爆薬が,工兵や特殊部隊などによって使われている.

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://repmart.jp/blog/military-terms/shaped-charge/
坂本明『最強 世界の特殊部隊図鑑』(学研パブリッシング,2014),p.51
https://books.google.co.jp/books?isbn=4059138029
http://eaglet.skr.jp/MILITARY/SHELL.htm



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