『求む！次世代の担い手・２』

聞くところによると、今でも富山市で働いていて、通勤時間で言えば今の会社よりも若干ではあるが近いらしい



それでも片道５０分近く掛かる会社まで、本当に毎日通勤できるのか。。。


冬なんて大渋滞するから、こんなもんじゃない

９０分でも会社にだどりつけないかもしれない




既婚者で、子供が二人いるそうである。


家は３年前に新築したばかりで、アパートか中古住宅にでも住んでいたら引っ越せと言えるが、なかなか建てた家を売って引っ越せとは言いづらい



なにより、まだ海のものとも山のものともわからないし、試用期間中にやめてしまう可能性あるし、辞めてもらう可能性もある



ただし、家庭がある分、そう生半可な気持ちでっは転職できないだろうし、簡単に辞められないのも事実である。


その彼は、今の会社には１０年働いている。


今働いている会社の方が大きいし、将来も安定するように見受けられた。



だが、問題は通勤距離だけではなく、実は彼は営業の経験がないそうである



前々から営業の仕事はしてみたかったものの、配属されたところは事務系の仕事で、電話によるお客様サービスサポート的な仕事だそうだ。


それもあってか、電話での対応は抜群である。

履歴書に人あたりはいいと書いていただけに悪くはない



９０分近くも面接で話をしてみたものの、今一つしっくりとこない。


やはり、一番のネックは通勤距離である



話をしている分には営業に向いてなくもないような気がして、その部分に関してはあまり気にはならなかったし、何より自分自身が営業の出身ではなかったこともある。



迷って迷って、1週間後に一度専務にも会ってもらうことにした。



だが、どちらかといえば専務や一緒に面接をしている同期に関して言える事だが、面倒見がよくないので結局は自分が教育係となる


案の定、専務に関しては“いいんじゃない”といった返事でしかなかった。



じゃあ、とりあえず採用してみようかと思ったが、もう一つの問題は給料である。



最初の面接で、給料は絶対に下がると言ってあった。



今もらっている給料というのは、１０年間働いた実績でもあり、営業経験もなく異業種への転職、しかも、資格もないとなれば当然といえば当然の話である


だが、家庭がある以上、出来れば10〜15％程度のダウンに抑えられればと考えていた。


しかし、最終決定は社長である。


それを社長に相談したところ、まず言われたのが通勤距離のことである。


あまりにも遠いし、仕事でつまずくような事があれば、最終的になんでこんな遠いところに通勤しなきゃいけないんだと思い始め、心が折れるというのだ


さらなるダメ出しで、営業経験のない所、そして最終的なダメ出しが、即戦力ならまだしも、続くかどうかさえ分からん輩に出せる年収は25％ダウンでしか提示できないと言い出したのだ。


いまさら何を言ってくれるんだと脳裏に衝撃が走った


-to be continued-