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2016年08月04日04:42

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「【閲覧注意!】シン・ゴジラ観たよ。感想!(ネタバレあります)」

【↑レイトショーはお得】

コバ・ジュンです。ネタバレ部分は後半に分かりやすく示してありますので、そこまでは読んでも平気ですよ。

昨夜は、巷で話題の映画、庵野秀明監督作品「シン・ゴジラ」を観てまいりました。公開当初からSNSなどで絶賛されている作品、どれだけのものだろうと期待度のハードルは上がりまくります。お知り合いも多くの方が見にいってまして、その感想は「良かった!」との意見が多く、「そんな映画ホントにあんのかよ?」と、逆にうがった見方をしてしまうほど(笑)

京急は「上大岡」駅にあるSHINEMA’S TOHOに向かいます。トイレも済ませたし水分もそんな取ってないし惣菜パン二個食べたし、ビール飲みたいところだけどトイレ行きたくなっちゃうからガマンガマン。上映開始を待ちます。

(二時間十分後)

うはあ…。凄く良い映画を見てしまった。上映中、ずっと口ポカン状態。テンポの良さ、絶妙なキャスティング、特撮の凄さ、そして今の日本だからこそ、今の日本でしか作れないストーリー。

東宝凄いじゃん!日本映画凄いじゃん!庵野秀明凄いじゃん!というのが素直な感想です。

まだ未見の方に「ソフト化を待つより、ぜひ映画館の大画面で見て欲しい」と、自信を持ってオススメできる作品です。

「シン・ゴジラ」、確かに「シン」だった。

ではまた…











※ここからネタバレ閲覧注意※
(個人的な感想のため不快に思われる箇所が存在します。ご了承ください)





さぁ、すでにご覧になった方、ボクもようやく観てきました!個人的な感想ですが、良かったらお付き合いくださいませ。

上記にも書いた様に、ボクが観に行った劇場は、京急「上大岡」駅の映画館。これ、あとで出てきますよ。アンダーライン引いておいてね。

まず、一番初めに大田区蒲田に上陸したゴジラの「幼生」の気持ちわりいっこと!!!だってゴジラっつったらあの例の姿で始めから登場すると思うじゃないですか。それがなんか進化前のイモムシみたいな目もうつろなぐにょぐにょしたの。虫嫌いなボクにとって、そのリアルさも相まってか、モスラの幼虫より気持ちわりい!いくらエラがあっても、両生類とは認めねえからな!(笑。ボクは無類の両生類好き)これは「見たことないものを拒絶する」という人間の視覚本能を大いに利用したものだと思います。
さてそのシーン、川に置かれてあるプレジャーボート他の船が、ゴジラが起こす波によって次々と破壊されていきます。それはまるで「東日本大震災」の大津波被害の如く。しかしちょっとCGの稚拙さを感じちゃったかなあ。船が背景から浮いている様な気がしまして。だってボクらは「船や建物が津波で流される本当の映像」をこの目で見てしまっていますから。

北品川駅では、あの品川駅手前の有名な踏み切りで、我らの京急が吹き飛ばされます。思わず「ああ!京急が!」と、悲しく…、いや、つい笑ってしまいました。
街などが壊される中、吹き飛ばされる車の中に「11-92」というナンバーがあるのを見逃しませんでした。のちに出てくるお役所主義の日本政府に対する批判、二回目の上陸箇所などへの伏線だったのでしょうか。

湾岸に被害をもたらした後、ゴジラは一度東京湾に消えます。内閣総理大臣を始め、各閣僚その他勢揃いし、ゴジラ対策を練ります(農林水産大臣のみ外遊中)。あ、この時はまだ「未確認生物」という名前でしたっけ。「日本政府はこの生物をゴジラと呼称」というニュースには笑いました。御用学者を呼んで何の解決にならないところなども、皮肉が利いてて面白かったです。

日本の政治システムなどをストーリーに絡めていきながら話は展開。そうこうするうちに、ゴジラが二度目の上陸を果たします。今回はちゃんとあの「ゴジラ」っぽい姿で。上陸地点は鎌倉の稲村ヶ崎。小町通りや江ノ電の踏切を逃げ惑う人々が映し出されます。そこでゴジラの進路を表すセリフがあったのですが、

「ゴジラは鎌倉から釜利谷へと進行中!」

釜利谷!(爆笑)「カマリヤ」と読みます。
ボクの住んでる隣町やんけ。これ、周辺住民にしか分からない超ローカル地名なんですよ。ボクがよく買うお安いお刺身が売っているスーパーもこの釜利谷にあります。

フォト

(拡大写真はコチラです↓)
http://kobajun.webcrow.jp/ontology4/image/top_godzillajouriku02.jpg

これだと多分、ボクのウチもやられてますね。毎年固定資産税払って必死に守ってる家なのに!ゴジラのバカヤロー!!!(笑)

その後ゴジラは磯子区洋光台へと移動。出てくる団地に超見覚えが(笑)。ゴジラはそのまま目的も分からないままにどんどん北上していきます。

で、映画館がある「上大岡」ですよ。「カミオオオカ」と読みます。京浜急行の駅、横浜駅と金沢文庫駅のちょうど中間にあります。鎌倉に上陸し、釜利谷を過ぎ洋光台を抜け、次に地名が出てくるのは武蔵小杉。ということは、どう考えてもこの上大岡が通り道になってるわけで(笑)。映画見ながら、現実さながらの臨場感を味わえるとは思いませんでした。

臨場感といえば、これは映画自体の問題なのか、映画館的な事なのか、ちょっと音に迫力が足りない気がしました。ゴジラのテーマなどはもっとズシンズシンくるほどの音量が良かったかな。IMAXとかで見たらこれは解消されるのかもしれません。
もうひとつ、ゴジラ自体の重量感に関する演出も足りなくて寂しい気が。確かに得体の知れない生物加減や気味の悪さなどのビジュアル面は上手く表現できていたと思います。しかし、重さ、これ重要、重さ、もうちょっと何とかならなかったのかと。表現できているところは凄いんです。でも、そうでないところは「あれ、ここ手抜き?」と思っちゃうほど、ゴジラの重量感がない!一歩一歩が風圧、音を強烈に感じさせ、画面自体も揺れたりしたならばさらに良かったんですが。

自衛隊の攻撃むなしく、多摩川を越えさせてしまいます。この辺りのシーンはさすがでした。人類の無力さを感じます。
そういえば、会議のシーンなどで度々「エヴァ」のあの曲が挿入されていましたね。監督お気に入りなのでしょうか。でも作戦と云えばコレ!くらいには浸透していますよね。こちらもワクワクしましたし。♪デン〜デン〜デン〜デンデ、ダンドン!デン〜デン〜デン〜デンデ、ダンドン!

都心に入ったゴジラに、ついに米軍の兵器が投入されます。一度は沈黙したかに見えるも、皆様ご覧の通りのあの大暴れっぷりですよ。口から出る紫の細い光線の時のSEが何とも素敵でしたプラス、ゴジラの口周りの気持ち悪さ。こういうところは庵野監督の真骨頂ですね。

国連安保理にて閣議決定した熱核兵器使用か、内閣官房副長官「矢口蘭堂」による矢口プランか、決断の時は迫られます。すでに総理大臣はじめ11名の閣僚が死亡した現在、残された人間で対策を練るしかないのですが、そういった際にも人事に関する様々な権謀術数が見え隠れして嫌な気持ちにさせられたりもします。祭り上げられたのであろう前農林水産大臣であり新総理の「里見」が、毒にも薬にもならない様な描かれ方をしていながら、風見鶏な前総理よりも実は能力があった(ありそうに見えた?)というのは良かったです。

話はクライマックス。フランス政府の協力により、なんとか熱核攻撃を24時間延長してもらった日本は、血液凝固剤によるゴジラ停止を目指す「矢口プラン」を実行。立川駐屯地における矢口の演説は、心震えるものがありました。これは別に皮肉でもなんでもないのですが、そして誤解しないで読んでもらいたいのですが、指揮官は指揮をし、現場は現場で動く。例えそれで現場の人間が命を落とそうとも…。だってそういうものだもの。ニヒリズムばりばりなんですが、人ってのはその人に適合した場所があり、そこでベストを尽くしたら良いのだと思ってます。

そうそう、「矢口プラン」発動の際、あの「怪獣大戦争マーチ」がかかりましたね!さらにその曲に乗せて無人誘導弾として東海道線、山手線、京浜東北線その他が突っ込むシーン!めっちゃワクワクしました。空に舞うJRの各車輌!

ラストは皆様ご存知の通り。ああいった結果となりました。これからどうなるのでしょうかね。それにしても矢口蘭堂を演じた長谷川博己さんの硬軟取り混ぜた演技の素晴らしいこと。上司の竹野内豊さんも良かったですね。あの台詞で涙腺崩壊しましたもの。

キャストの話になります。大杉漣さん、平泉成さん、石原さとみさん、柄本明さん、余貴美子さん(防衛大臣役ハマってた!時間を追うごとに、落ちていくアイライナーの演出良し)他、素晴らしい俳優さん総登場でしたが、ボクが注目したのは、「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」の面々。あの濃いキャラの宝庫。環境省の課長補佐である尾頭ヒロミ役の市川実日子さん、仕事人間的な描写が実に素敵でしたね。日本政府側では、政調副会長である泉修一を演じた松尾諭さんも良かったです。劇中でも「お前のキャラに助けられた」と褒められてましたものね。アレ、実は監督の心の声なのではないでしょうか(笑)

個人的に少し気になったことがありまして、それは「歯並びの悪い役者さん」が多かったということ。これは上映時間の最初から最後まで疑問に思ってしまうほどでありました。
でもですね、もしかしたらですよ?日本は他の先進国に比べて、歯の矯正率が非常に低いそうで、そういったお国柄の違いを表すために、庵野監督があえて表現したものだとしたら?
「日本では、官僚ほどのエリートでも、こんな歯並びの人が多いのデース。クレイジーですねー」と思わせる演出だとしたら?

色々と想像は膨らみます。でもそれって素晴らしいことなのです。ストーリーや背景がしっかりしているにも関わらず、見終えた観客の想像する余地を残してくれているという(笑)
まぁそこまで考えてないかもしれませんが、深く考え過ぎてしまうのは、「エヴァ」ファンの共通見解だとして(笑)

長くなりましたが、そろそろ終わります。これだけ感想を書ける映画というのは近年では珍しいのではないでしょうか。それほど印象深かったし、心に来るものがありました。

日本人にしか理解できず、日本人にしか分からない映画、なのかも。

原爆を二発落とされ、戦後70年経った現在でも大地震による被害で原発から放射能が排出され、さらに大津波の激烈な被害。

これこそが「ゴジラ」。人間がどう手を伸ばしても抗えない世界。


でも、希望は残されているのです。希望はあります。

「スクラップ・アンド・ビルド。こうしてこの国は何度も立ち直ってきた」

竹野内豊さん演ずる内閣総理大臣補佐官のセリフで、この映画は幕を閉じます。

日本人の特徴として、良くも悪くも、「忘れっぽい」というのがあります。映画でもそういったシーンがありました。「忘れる」というのは良い事なのかもしれません。悲しい、そしてひどい出来事は、いつまでも覚えていなくてはいけない反面、忘れなくてはいけない事でもあります。そんな事を、この映画「シン・ゴジラ」は、敢えて今の時代に放り込んで、少しだけぬるま湯に浸かった「当事者ではない人たち」に何かを思い出させてくれたのかもしれませんん。


ではまた。


http://kobajun.webcrow.jp/
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