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2015年07月17日21:55

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良寛の歌に「蝉の羽のうすき衣を着ませれば・・・

蝉の羽のうすき衣を着ませれば影だに見えて涼しくもあるか

と言う歌があるのを良寛のコミュニティで紹介されていました。

どこかで見たような気がしたので調べてみると

千人万首に藤原家隆の歌の紹介として、

蝉の羽のうすき衣のひとへ山青葉涼しき風の色かな(壬二集)

【通釈】蝉の羽のように薄い単(ひとえ)の衣と同じ名をもつ一重山は、青葉が繁っているが、そこを吹いて来る風も緑に染まって、涼しげな色をしているなあ。

【語釈】◇ひとへ山 『夫木和歌抄』には「ひとへ山、一陪、山城或大和」とあり、『歌枕名寄』は信濃国の歌枕とする。万葉集の「一隔山(ひとへやま)重なるものを月夜よみ門に出で立ち妹か待つらむ」などから固有名詞化したか。

【補記】「大僧正四季百首」。

それから藤原清輔の歌に

崇徳院に百首歌たてまつりける時

おのづから涼しくもあるか夏衣ひもゆふぐれの雨のなごりに(新古264)

【通釈】おのずと涼しいのだなあ。夏衣の紐を「ゆう」ではないが、夕暮の雨のなごりのせいで。

【掛詞】◇ひもゆふぐれの 「日も夕」「紐結ふ」を掛ける。「紐」「結ふ」は衣の縁語。

【補記】『清輔集』では詞書「夕立」、第四句「ひもゆふだちの」。

【他出】久安百首、清輔集、定家八代抄、詠歌大概、夫木和歌抄

良寛は先人の歌を学びながら良寛なのだ。



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