[X68]いろいろ計算させてみました[X-BASIC]

「やあ行き倒れだよ。前回のプログラム使っていろいろ計算させてみた。プログラムも改良し、２１４７４８３６４７×２１４７４８３６４７まで求められるようにしたよ。」



一部の変数の名前を変更しわかりやすくし、変数ｂａｉを浮動小数点変数に
変数ｂａｉには整数しか入らないが、例えば１１１１１１１１１１×１１１１１１１１１１などを計算させたときに途中でオーバーフローが発生してしまう
そこで浮動小数点変数に変更
狙い通り、２１４７４８３６４７×２１４７４８３６４７までは計算出来るようになった


サブルーチンであるｌａｒｇｅ＿ｓｃａｌｅ＿ａｄｄ関数は最大２５５桁まで対応しているが、要するにメイン側の乗算プログラムがまだ大きな桁数に対応していないこと、主に３２ビット整数変数を使っているためと、超越した数字同士の大小比較が今のところ出来ないなどの問題でこのようになっている



開発したｌａｒｇｅ＿ｓｃａｌｅ＿ａｄｄ関数の概要
９９＋９９９を計算するときの概要
良く見るとノートの上の部分が映せていない。実際は内部処理に都合が良いように９９９＋９９にひっくり返す
桁数が多い方が先に来るようにしている
ｌａｒｇｅ＿ｓｃａｌｅ＿ａｄｄ関数の内部はマイナスの付いた負数については対応していない
あと、小数点にも対応していない
今回のように「これは」と思ったプログラムは毎回ノートに書いて記録している
ノートに記録しているおかげで、急にそのプログラムが必要になった時に内部の処理の概要が書いてあることに助かった場面も多い



「プログラムの世界で言われる一週間前の自分は他人という格言は本当に言いえて妙なもの。ドキュメント化は大事だと思います。ここからはいろんな計算結果を。」







最後に６４ビット浮動小数点でダイレクトに計算させたのも合わせて
指数表示になっている
浮動小数点計算でなく３２ビット整数計算だと６５５３６×６５５３６でもエラーになってしまう
コンピュータの標準計算能力は意外とゆとりのないものだったのだ



「電卓とかだと最大何桁まで計算出来るとか書いてあるけど、コンピュータは書かれていませんですよね。どのくらいのものなんだろうとは思っていました。」



「整数計算では１０桁まで出来るが−２１４７４８３６４８から２１４７４８３６４７までの範囲しか表示できません。答えもそれを超えてはいけませんなんて正直に言ったら内部事情が分からない人達が苦情出すだろうし殺到するでしょ。２の３２乗までの範囲しかカバー出来ないからそうなってると説明しても大半の人はちんぷんかんぷんだよ。」



「それでも許さない！」



「・・・６４ビット浮動小数点なら指数になるが２の１０２３乗まで計算出来る。あと今や古典レベルの浮動小数点コプロセッサ６８８８１／２は内部的にはこれ以上の桁数を扱える命令も用意してはいるし、余裕のあるつくりになっている。今の時代の最新プロセッサは実は内部の数値表現能力は家庭向きのものはぎりぎりのところまで削ってあって６４ビット浮動小数点以上はサポートしてない。ソフトウェアに頼ることになる。」



「モトローラ・・・今は半導体部門はフリースケールか。そこのＰＯＷＥＲＰＣシリーズは今も余裕のあるつくりになっているのでとてもタフな設計が要求される特別なサーバーには必ず使われている。発熱も少ないし消費電力も少ないので、組み込み用途の分野で根強い人気がある。」



「スパコンとかどうなってんのさ。」



「物凄い桁数まで標準で扱えるとか聞いたことがあるな。２５６ビットとか。それが本当ならメモリもプロセッサも根本からして構造が違うわけで、今の時代の家庭に普及したコンピュータやゲーム機は昔のスパコン並みと言ってもぜんぜんそんなことはないなと言えるね。」



「何億円の価値が本当にあったってことですね。」





（６月３０日）

「ぶれいく！プログラムの変更をお知らせしまーす。」



ｌａｒｇｅ＿ｓｃａｌｅ＿ａｄｄ関数内の答えを格納する答えバッファ（ｍｅｍ）への書き込み方を変更しました
答えバッファの内容を反転しなくても良くなりました
わずかですが処理速度も軽くなったと思います



「以上でーす。」