私が長年の中島みゆきファンであることは，すでにこの日記でも何回か触れている。
ここ２０年ほどの間，彼女がコンサートツアーなどのイベントを行う際には１回は必ずその舞台を観てきた。
すなわち，全国ツアーだったら大抵は東京でそのコンサートを観るし，数年おきに開催される「夜会」だったら二十数回行われる舞台のうちの１回は観に行くようにするし。
※みゆきさんの「夜会」についてご存じないかたは，例えばこちらをご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E4%BC%9A
中島みゆきさんは，今年は秋から冬にかけて「夜会工場」というコンサートイベントを行うという。
この「夜会工場」は，「夜会」の「ガラコンサート」なのだという（「がらこんさーと」って，いったい何だろ？）。
それで，いつものとおり，ファンクラブ優先販売その他のルートで入場券購入を申し込んだ。
いくつかのルートで申し込んでみたけれど，東京での公演は全敗。
つまり，東京公演のチケットを１枚も取ることができなかった。
当日券販売があるとはいうものの，これでは，今回はみゆきさんの舞台を見ることができなくなっちゃうかもしれない。
そこで私は，インターネットチケット販売サービス「イープラス」による最終の優先販売枠発売で，東京に限らず全国の会場のチケットを残らず申し込む，という暴挙にでた。
全国とはいうものの，今回の「夜会工場」公演が行われるのは東京・大阪・名古屋・福岡のみ。
それで，これらに片っ端から申し込んでみたわけ。
ただ，結局，チケットをとれたのは１２月６日の福岡サンパレスのみだった。
そんなわけで，金曜日は無理矢理休暇を取って，福岡に行ってきた。
本来は東京で観ようと思っていたものを福岡まで出かけて観るわけだから，旅費等はなるべく安く済ませたい。
そこで，格安航空会社（ＬＣＣ）であるジェットスターが設定しているパッケージツアーを利用することにした。
成田−福岡の往復の航空運賃と福岡でのホテル１泊分で，総額２万５２００円。
「格安」というほどではないけど，まあ，仕方がないかな。
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成田空港へと向かう途中，東松戸駅で北総鉄道・アクセス特急に乗り換えたのだけれど，ここでの待ち合わせ時間が２５分間ほど発生してしまった。
そこで，駅前のマクドナルドでちょっと腹ごしらえ。
そしたら，なんだかよく分からないけどチキンフィレオの割引券をくれたので，ありがたくもらっておいた。
福岡でマクドナルドに入る機会があったら，使ってみよう。
飛行機出発時刻の１時間ほど前に，成田空港第２ターミナルに到着。
ジェットスターの自動チェックイン機に予約番号を入力すると，なんと
「非常口脇の座席を指定するので，非常事態時の脱出には協力してもらう。承諾できないのであれば，他の座席を指定する」
というようなメッセージが表示された。
非常口のそばの座席ということは，前の座席がなくて足下の空間が広い席かもしれない。
ＬＣＣの飛行機はとにかく席が狭いから，この際，ちょっとでも広いのはありがたい。
というわけで，非常時に落ち着いてスチュワーデスさんのお手伝いをできる自信はあまりなかったけど，非常口脇の座席の指定を受けてしまった。
座席番号１Ｂ。
要するに，一番前の列の席だ(^^)。
私よりも前の座席はないので，足下は広いだろう(^^)v。
成田空港のターミナルビルは，羽田ほど華やかではないという印象がある。
それに，エアポートラウンジでゆっくりとお茶をいただくような時間の余裕もなさそうだ。
それで，さっさと保安検査を受けて，搭乗待合室に入ってしまった。
保安検査時にバッグからトラベルセットを出しておくのを忘れたら，案の定，セットの中の小さなハサミが引っかかってしまった。
それで，先が丸めてあるはさみはともかく，ピンセットとか安全カミソリとか事細かくチェックされてしまった。
ちょっとうっとうしいけど，まあ，保安検査が厳しければそれだけハイジャックに遭う危険が減ると考えて，我慢することにしよう。
ＬＣＣの機内ではドリンクなどの無料サービスもないし，オーディオサービスもない。
それで，離陸してベルト着用サインが消えたところでポケットから電子読書端末を取り出して，機内ではひたすら読書＆居眠り。
最近の私は，久しぶりに原�錣離蓮璽疋椒ぅ襯鼻崔議紂β�崎シリーズ」を読み返している。
沢崎シリーズの最終巻が刊行されてからすでに９年が経過しているのだが，続刊はまだなのかなぁ。
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飛行機はほぼ定刻に福岡空港に到着，そのまま地下鉄で今宵のお宿へ向かう。
ここ福岡地区の公共交通は，「ｓｕｇｏｃａ」（ＪＲ九州）も「ｎｉｍｏｃａ」（西鉄）も「はやかけん」（福岡市交通局）も交通系ＩＣカード全国相互利用サービスに加盟しているので，私が持っているｐａｓｍｏが使えるのがありがたい。
天神駅から徒歩数分のところにあるホテルが，今宵のお宿。
ホテルのフロントカウンターで応対してくれた係員は「実習中」の名札をつけていた。
手続にずいぶん手間取っていたのがちょっとほほえましく，しかし当の本人にとっては「ほほえましい」どころではなかっただろう。
早く一人前のホテルマンになってね，おねーさん。
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福岡という町は，西鉄バスの路線網が充実している。
天神（西鉄福岡）駅付近の道路は，西鉄バスがひっきりなしに往来している。
そこで私も，本日のコンサートの会場，福岡サンパレスへは路線バスで移動した。
ここでもｐａｓｍｏを利用。
福岡サンパレスの付近には，最近の東京付近のコンサートでは見ることの少なくなった，ダフ屋さんがたむろしていた。
「券持ってる？ 券あるよ！ 券余ってない？」
私の座席は，２階席の最前列・通路脇。
最前列なので前席がなく，足下が広いのはさっきまで乗っていた飛行機と同じ。
そして，私の右隣は通路。
さらに，私の左隣の席の人は，結局最後まで来なかった。
つまり，前の人と左右の人に気を遣う必要がない。
一般の人より占有面積が広い(^^;私にとっては，これはなかなかにありがたい(^^)。
入り口でパンフレットの類いを渡されたけれど，すべての荷物をホテルにおいて出てきてしまった私は，そのパンフ類を入れておく袋がない。
そこで，「どうせ必要になるのだろうから」と思って，ロビーにてコンサートプログラムを購入した。
プログラムを買えば，当然，それを入れる袋も一緒にくれるだろうから。
ロビーには，歴代の「夜会」の舞台装置を再現した模型が展示されている。
「ああ，そういえばあのステージは全体が傾いていたっけ」（1993年のvol.5「花の色はうつりにけりないたづらに 我が身世にふるながめせし間に（通称・いろは）」）
「あのときは，大量という言葉では表せないほど大量の桜吹雪(紙吹雪)が舞い飛んだよなぁ」（1998年のvol.10「海嘯」）
等と思い出した。
結果としてこれが直後の鑑賞の助けになったのは，幸運だった。
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さてさて，肝心の「夜会工場」
（ちなみに大辞林によると，ガラコンサートというのは「特別公演」「祝賀音楽会」という意味なのだそうな。）
「夜会工場」は，中島みゆきさんの「夜会」を製造する工場の内部を，トラムに乗って見学するツアー，という設定だった。
１９８９年に始まったみゆきさんの「夜会」を年代順に振り返って，そこで歌われたうたやステージのイメージを観ていくというわけ。
初期の，音楽劇というよりは通常のコンサートのアレンジ版という感じだった「夜会1990」で，例えば私の大好きな「月の赤ん坊」が歌われていたことなんて，すっかり忘れていた。
（「夜会1990」については，私は「Maybe」のほうが印象に残っている）
それぞれの「夜会」についてで，私が印象に残っていたうたとはむしろちょっと違ううたが歌われて，ときどきは私の印象通りのうたが歌われて，なかなかに面白かった。
「月の赤ん坊」のほかにも，私が大好きな「竹の歌」を聞けたのはうれしかった。
国とか社会とか制度とか，こちらを押しつぶそうと押し寄せてくるものにたいして，しなやかに対処する，竹の歌。
「国家」に依拠することの莫迦らしさ，「民族」で対立することの愚かさ，しかし「民」にこだわりながら，「国家」ではなく「国（くに）」にこだわりながら。
※「竹の歌」の歌詞をお知りになりたいかたには，こちらをご覧いただくのがよろしいかと思います。
http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba314.shtml
「月の赤ん坊」は，こちらを。
http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba168.shtml
でも，
vol.5「（通称・いろは）」の「まつりばやし」，
vol.13とvol.14 「24時着 0時発」の「サーモン・ダンス」
は，聴きたかったかな。
あと，「二隻の舟」も生の歌で聴きたかった（カーテンコールのＢＧＭで流れただけだったので）。
もっとも，今回のコンサートの女声コーラスは杉本和世さんだけで，坪倉唯子さんが参加していなかったから，「二隻の舟」の生歌は無理だったのかもしれない。
※これらの歌の歌詞はこちら
「まつりばやし」
http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba044.shtml
「サーモン・ダンス」
http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba443.shtml
「二隻の舟」
http://miyuki-lab.jp/disco/lyric/ba228.shtml
まあ，でも「夜会工場」は「夜会・総集編」ではない。
だから，それぞれの「夜会」で私の印象に残ったうたとか，ましてやそれぞれの「夜会」の代表曲と評すべきうたとか，今回のコンサートでそういううたが歌われなくても何ら不思議はない。
それどころか，そういううたが歌われることで今回の「夜会工場」という作品がおかしなものになってしまうとしたら，それこそ元も子もないことになるだろう。
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コンサートは21時ちょうどに終了。
来たときと同じバス路線でホテルに戻り，コンビニで仕入れた晩ご飯をいただき，夜中の0時で終了してしまう展望大浴場でのんびりと入浴。
（このホテル，大浴場があるのはとってもうれしいのだけど，朝風呂に入れないのがとっても残念）。
翌１２月７日は，「俺は福岡くんだりまで来て何をやっているんだろう」と自問自答しつつも，キャナルシティという商業施設の映画館で映画を見た。
それから同じ施設の献血ルームで成分献血しようとしたものの，ＡＬＴ値が上限値を少し超えているということで断られて。
それで，前日に東松戸駅前のマックドナルドでもらった割引券をつかってマクドナルドでチキンフィレオを食べて，かなり早いけれども福岡空港に行ってエアポートラウンジにてのんびりして，夕刻の成田行きジェットスターで戻ってきた。
福岡空港の第１ターミナルビル搭乗待合室は幹線ではない路線に割り当てられているようで，私は今回初めてこの待合室に入った。
どこか，離島連絡フェリーの乗船待合室を思わせるような，こぢんまりとした待合室だった。
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成田空港から我が地元まで，空港連絡バスで戻ろうかとも思ったのだけれど，次のバスまであと１時間ほど待たなければならない。
しかも，運賃は鉄道利用の場合の2.3倍以上。
そんなわけなので，行きと同じ成田スカイアクセス線利用のルートで我が魔窟まで戻ってきた。
結局，福岡まで出かけたものの，みゆきさんのコンサートを観る以外のことは何もしないで帰ってきてしまったのだった(^^ゞ。
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