mixiユーザー(id:2230648)

2013年11月10日12:07

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非モテのお話。

毎度のことではありますが,今回の表題も駄洒落です。
非モテ→もてない→もてなし→お・も・て・な・し(^^)
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東京オリンピック招致の最終プレゼンテーションで,滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」とスピーチしたのは記憶に新しいところ。
では,その「おもてなし」って,「サービス」と何が違うのだろう。
(それとも,両者は同じものなのか)

接客研修の会社のウェブページによると,「おもてなし」と「サービス」とは別のものということになっているようだ。
「サービス」では提供される側と提供する側との間に主従関係が発生するが,「おもてなし」は表裏のない心で見返りを求めない対応なのだという。
http://www.wa-omotenashi.jp/omotenashiservice/#wrapper「おもてなしとサービスの違い」)
しかし,接客を受ける方の立場としては,もてなす方の意識が「メイドさんがご主人様に対するように」であろうが「自宅への来客に対するように」であろうが,受ける対応の内容には大差がない。
差があるとすれば,それは,対価が必要かどうか。
乱暴な分け方であるのは承知の上で言ってしまうのだが,サービスは有償であり,おもてなしは無償であるというのが,「おもてなし」と「サービス」とを分ける基準なのだろう。
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「サービス」であれば有償であるものを,「おもてなし」として無償で提供する。
あれ?
これって,ダンピング(不当廉売)になりかねないのでは?

ダンピング(不当廉売)って何だろう。
Wikipediaによると,不当廉売には,各国の競争法で制限されるものと,国際貿易・国際経済法にかかわるものがあるのだそうな。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%BD%93%E5%BB%89%E5%A3%B2

国際貿易におけるダンピングというのは,国内販売価格よりも安い価格で国外で販売することだという。
日本国内では「サービス」として有償で提供している接客態度を国外では「おもてなし」として無償で提供するのであれば,これは国際貿易におけるダンピングであろう。
しかし,「おもてなし」については,そういうことはなさそうだ。

では,我が国の競争法で制限されるダンピング(不当廉売)とはどのようなものか。
我が国では,不当廉売は不公正な取引方法として独占禁止法制によって規制されているのだそうな。
そして,独占禁止法制によって規制される不当廉売とは,
「正当な理由がないのに商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給する行為・その他不当に商品又は役務を低い対価で供給する行為」
であって,
「他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの」
を指す。

従業員の接客態度を一定水準に維持するためには教育・研修そのほかの費用がかかるはず。
その費用を対価に反映させていないとすれば,不当廉売に該当する可能性がある。
しかし,その行為が同業他社の商売を困難にさせるおそれがなければ,結局は規制の対象にならない。

それに,日本社会では(それこそ滝川クリステルさんがスピーチで述べたように)各個人がみんな「おもてなし」文化を身につけているので,従業員に対する接客態度教育等にかかる費用は少なくて済む(最近はそうでもないのかもしれないが)。
その結果,実際には接客教育等の費用を対価に反映させているのに,その額が微々たるものであるが故に,対価に反映されていないように見えてしまうことがあるかもしれない。
すなわち,「サービス」として接客態度を提供しているのに,それが「おもてなし」として提供しているように見えてしまうというわけだ。
チップを収受する慣習のない我が社会では,余計に,「おもてなし」と「サービス」との違いが見えにくくなっているような気がする。
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顧客にとって快適な環境を提供することについて,対価を求めるか,求めないか。
日本の消費者にとっては,商業者が顧客に快適な環境を提供するのは当たり前のことなので,快適な環境が提供されていても必ずしもそれがプラス評価に直結するわけではない。
しかし,快適な環境が提供されていなければ,確実にマイナス評価に直結する。
要するに,商業者は「おもてなし」として快適な環境を提供するべきだということなのだろう。

しかし,いわゆるグローバル市場においては,そうではないような気がする。
グローバル市場は,なるべく多くの分野をその内部に取り込もうとする。
当然,快適環境提供とか接客態度とかも,市場経済に取り込まれる。
「おもてなし」ではなく「サービス」こそがグローバル市場の本流であるわけだ。

優れた接客態度・より快適な環境を提供することにつき相応の対価を要求するのがグローバル市場であるとすれば,日本の第三次産業において提供される「おもてなし」は,グローバル市場においてはやはり不当廉売に他ならない。
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アベノミクスは,「三本の矢」の3本目「民間投資を喚起する成長戦略」のひとつとして,「世界に勝てる若者」というのを掲げているという。
でも,「お・も・て・な・し」とか言ってサービスの「不当廉売」を続けている限り,「世界に勝てる若者」は育たないのではないか。

アベノミクスの成長戦略として「世界に勝てる若者」を育てるためには,「お・も・て・な・し」の精神なんぞ捨て去って,金をもらわなきゃサービスしないグローバルスタンダードな若者を育てるべきじゃないんですかね,総理。
(念のためですが,この「アベノミクス」のくだりは単なる冗談・戯れ言ですので,あまりまじめに考えないでくださいね。)

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