mixiユーザー(id:19500344)

2013年07月25日14:50

360 view

南ア南部の避難小屋ー3 高山裏避難小屋

フォト


荒川前岳から下っていく。
樹林の中に高山裏避難小屋が見える。今日はあそこまで下るだけだ。

前日に小河内岳避難小屋から登る時に高山裏避難小屋に寄った。風邪薬を届けるためだ。

小屋に着くと、おじさんが薬を待っていた。私が着いたのが予想より遅かったらしく、ちょっといらいらしていた。
水元を見に行かないといけないと言っている。

薬の入った袋を開けると、小河内岳避難小屋の奥さんからのメモが入っていた。
「上手な字だろう。」とおじさんがそのメモを私に見せた。私は入れてくれた熱い昆布茶を飲むのに必死ですぐに返事をしなかった。すると、「おい、人が上手だろうと言ったら、そうですねくらい言うもんだろう。」と怒り出した。 私はあわてて「綺麗な字ですね。」と言った。

それから薬の説明を読んだおじさんは、一回に三錠も飲むのかとか、一日三回も飲むのかと言っている。風邪薬などほとんど飲んだことがないらしい。
お昼ごはんの後に飲めばいいですよと言うと、ゆっくりして行けと言っておじさんは水元を見に行った。

さて、もう風邪はよくなっただろうか。途中の水場で水を汲んでから小屋に行った。
声をかけると、中からおじさんが出てきた。
「風邪はよくなりましたか?」と聞くと、「そんなすぐによくならない。」とちょっと機嫌悪そうだ。
「風邪は寝ているのが一番の薬ですよ。休まなきゃダメですよ。」と言うと、やることがいろいろあるからじっとしていられないんだと言った。

水はあるか聞かれたので、汲んで来ましたと言うと、足りなかったらそこに汲んだ水があるから使えばいいと言ってくれた。小屋から別の水場までは往復30分と書いてある。

さて、新しいテントの使い初めだ。おじさんが指定してくれた場所は小屋に一番近いテント場だった。トイレの前というのがちょっと気になるが、入り口を反対にすれば特に気にならなかった。

夕方は小屋の前で、小屋泊まりの関東から来た男性と山の話をした。おじさんは蚊取り線香を置いてくれた。

そこへテント泊の若い男性が来た。一緒に来た人はばててもう寝てしまったそうだ。鳥倉林道からここまで20キロ近いザックを背負って来たらしい。
翌日彼は悪沢岳を往復して下山すると言う。私が三泊で歩いたところを一泊で行く計画なのだ。友人は行かないと言っているらしい。
その男性は三重県の人だった。台高や大峰の山の話で盛り上がる。彼はまだ大峰には登ったことがなくて、今度登りたいと言った。
まさか南アルプスで近畿のローカルな山の話をするなんて思ってもみなかったので面白かった。

7月21日

朝6時近くに小屋を出発する。
おじさんに加減を聞くと、そんなことはどうでもいいなんて言う。
水が足りないのでもらってもいいかと聞くと、いいって言っただろうと言う。ゴミがあったら燃やしてやるから置いいけとも言われたが、それはお断りした。山で出したゴミはやっぱり自分で持ち帰るものだろう。
なんだか面白くて可愛いおじさんだった。

やがて小河内岳まで戻ってきた。山頂にいると小屋の奥さんが上がってきた。携帯が繋がるところで電話をするらしい。
お茶を入れるから小屋に寄ってねと言ってくれた。

小屋には泊り客の女性と小屋のご主人がいた。「ただいま!」と声を掛けると、おじさんは笑顔で迎えてくれた。
奥さんが戻ってきてインスタントコーヒーを入れてくれる。いつもはブラックだが、今回は砂糖もクリープも入れた。甘いコーヒーがおいしかった。
遭難者の話が出たが、どうなったかはまだわかっていないようだった。

一休みしてから奥さんに見送られて小屋を後にする。
少し行くと、高山裏で話をした若い二人連れが追いついてきた。一人の人は朝2時にテントを出て4時間で悪沢岳を往復したそうだ。もう一人はテントで休んでいたそうだが・・・
同じ山でも色々な登り方があるものだ。

南アルプスの避難小屋、去年泊まった赤石岳避難小屋のご主人は話好き、酒好きで面白かった。小さな避難小屋は個性的なご主人たちに守られている。
今回、お天気も山も良かったが、避難小屋での思い出が一杯の山旅になった。

烏帽子岳で最後の展望を楽しんでから三伏峠、鳥倉林道へと下る。
鳥倉登山口から駐車場までは40分ほどかかる。30分待てば登山口からのバスがある。バスに乗って駐車場まで行っても、歩いても時間は変わらないようだ。230円のバス代なら安いなと思う。
でも・・・せっかちな私は歩き出していた。30分も待つくらいなら歩いてしまえ。
バスに追い越されないように速足で歩く。追いつかれなかった。
車に乗る。バスが着く前に車は発車していた。

フォト

フォト

フォト


7 14

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する