今日はボランティア活動をしてきました。
と言っても大船渡まで行ってきたわけではありません。
場所は袋井の「どまんなかセンター」。
なかなか凄い施設名です。センターにも中央って意味がありますから、それはもうどまんなかどストライクです。
ニュー スタイル カルチャー センター とありますが、かなり年季の入った古い建物でもあります。内部構造も増改築を繰り返して複雑怪奇に入り組んだ旧家屋という感じで、夜になると零とかの和製ホラーゲームのような雰囲気をかもし出しそうな感じです。
ここでは被災地の方と連携して、被災地から送られてくる写真を洗浄して送り返す、そんな活動をしているのです。毎週日曜日にやっています。東北のために何かしてあげたいけれども被災地までは行けない。そんな方々でも身近でできるこんな活動もあるんですよ、と紹介したいと思いました。
袋井でやっていますが、浜松の他、静岡や清水から来ている方もいます。黙々とした作業になりがちな工程ですが、皆さん和気あいあいとして、とても和やかなムードでの活動です。
写真たちは、泥に汚れているものの他、比較的綺麗なものなどありますが、いずれも被災地で長時間放置されていたもののため、バクテリアなどが付着しています。洗浄しないと1年も保たずに腐食してしまいます。
それらを1枚1枚丁寧に水洗いして、乾燥させていくことで、この先長く保存できる状態にするのです。
写真の中には、一見無事に見えても洗うと流れてしまう部分もあります。
それらは既にバクテリアにやられている部分なので、残念ですが流してしまうしかありません。
そうでないと残ったバクテリアが他の写真を腐食させてしまい、せっかく洗浄したのに意味がなくなってしまうのです。
この活動を始めた初期は、そうやってせっかくの写真が消えていってしまうことに悲痛の声があがり、今では洗浄の前に汚れた状態の写真を写真で撮り、複製を作ってから作業をするようになったそうです。手さぐり状態で始めて、少しずつ方法を編み出してきたのです。
写真は、同じ場所から出てきたものでセットになっています。
今日私が手がけた写真にも、様々なものがありました。
その写真たちに写っている方々が今どうしているのかはわかりません。
生き残った方なのか、犠牲になられた方なのか。
旅行の写真がありました。還暦を迎えたくらいの方々の団体旅行のようでした。
日付は1989年になっています。健在であれば皆様80を越えるくらいでしょうか。
結婚式の写真がありました。同じアルバムの中に幼稚園児の写真もあったので、しばらく前のものなのでしょう。
テコンドー大会の写真がありました。
おじいちゃんが孫を抱いた写真を洗うと、孫の部分が流されてしまったりもしました。
腐食が激しすぎて、洗うこともできずに処分するしかないものもありました。
作業をしていると、どこの誰とも知れない写真の1枚1枚に思い出が詰まっていると感じます。
普段は自分のアルバムを見ていても、ざっとなでるようにしか見ないくせに。写真1枚の持つ重みを感じます。
願わくば、すべての写真たちが持ち主のもとへ帰れますように。
祈ります。
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