mixiユーザー(id:24232)

2009年01月18日16:52

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NS-10M>25年目の実証

「さすがだぜオヤイデ」から続き。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1054390980&owner_id=24232

 このところすっかりオーディオに目覚めたM氏はヤマハのNS-10Mを使っている。スピーカケーブルの交換で目覚しく音が変わり感動した矢先ではあるが、今回の秋葉原行きでは更なる実験を仕込んでいた。
 元々彼は「NS-10Mって昔から評判はいいけど、そんなにいいの?」といぶかっていた。彼が一番「聴きたい」ヴォーカルにどうにも晴れないモヤモヤ感があるというのだ。流石元DJ志望だけあって耳は鋭い。弱視になってDJの道は諦めたが耳はむしろますます鋭くなっているようだ。
 NS-10Mは2KHzで12dB/oct.の「標準的な」クロスオーヴァをしている。この「標準的」というのが曲者なのだ。今でも業界標準となっているこの方式はクロスオーヴァ±1oct.はデタラメになるし、その上ウーファとツイータを逆相接続するというフィデリティのカケラもない方式なのだ。この音に疑問を持った彼の耳は正しく、それ以外の全員が間違っている。
 「間違っている」と騒ぐだけなら馬鹿でもできる。「なら、どうすればいいのか」を示せなければその主張自体に意味がない。第一「何が正しいのか」を示せずに何をもって「間違っている」というのか。
 その答えは大学時代、オム君の10Mを聴いていた頃に出してある。しかし、その「正しさ」を実証する実験はついに完全な形で行われた事はなかった。

 その実験の機会がやっと与えられたのだ。四半世紀に渡り信念だけで主張してきた理論が本当に正しかったのかの答えが出る。正直、怖くもあった。が、確かめずにはいられない。この実験のためだけに5千円からの部品を買い込み、そして自宅メインシステムの「カンSP」を持参した。
 NS-10Mの、いや12dB/oct.ネットワークの致命的欠点を克服する「フル・フラット接続」を実現するためには欠けた音を出すための「第三のユニット」が必要になる。NS-10Mは3Wayで初めて完成するスピーカなのだ。「フル・フラット」という名前を聞けば、この理論が「重戦機エルガイム」の放映時期に確立されたものだと判る人には判る(笑)。

 果たして、実験は大成功。初めて聴くNS-10Mの真価に男二人抱き合わんばかりの感激に満たされた。「タイムドメイン理論」が求めたものが、フルレンジ派が上下の帯域を諦めてでも譲れなかったものが、今ここにどちらとも全く違う形で実現している。彼もまた、25年間首を傾げながらもそのポテンシャルを信じて10Mを使い続けてきたのが報われた。10Mは本当に丁寧に作られたいいスピーカなのだ。この「基本設計の間違い」さえ正してやれば。

 「ポテンシャルってのは、引き出せなければ評価の対象にはなり得ないのですね」

 しかし。申し訳ないがこのスピーカ「カンSP」は当家メインシステムなので持ち帰らねばならない。彼ももう元の音に戻るのは辛そうだったがそれは僕も同じ。僕としてもこれをただの「実験」で終わらせるつもりはない。彼がその見積もりに納得いけば彼所有のフル・フラット・システムを構築してあげられる。勿論彼はそれを強く望んだので、当家のスピーカ以外の部品は外さずにそのままにして帰ってきた。近いうちに完成させてあげねば。
 そして、今更ながら長年の10Mユーザのためにこの「完成」を製品化する事も考えねばならないかも知れない。
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