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2014年06月10日11:28

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民法772条1項の射程範囲

■父子関係、DNA鑑定で取り消されるか 最高裁で弁論
(朝日新聞デジタル - 06月10日 09:45)
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妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定される(民法772条1項)。
この法律を形式的に適用する限り、本件の妻が出産した子も、夫の子と推定されることになる。
「推定する」というのは、反証があれば、嫡出推定が否定されるということだ。
そして夫の子でないことが明らかな場合(例えば夫が服役中)に、父子関係を否定するためには親子関係不存在確認の審判・訴えが必要となる。


では、DNA鑑定で生物学上父子関係が否定されることを理由として親子関係不存在確認の訴えが提起できるのか。言い換えればDNA鑑定で生物学上の父子関係が否定される場合も嫡出推定規定(民法772条1項)の適用、及び同条項適用の例外としての反証提出権が認められるのか。

ここで僕の過去日記をみてほしい。
↓↓僕の過去日記↓↓
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この判例を読む限り最高裁は民法772条1項の射程範囲をかなり限定しているように思える。
つまり、民法772条1項というのは、妻が子を産んだが、夫には身に覚えがないという例外的な場合に、夫の側から子供が自分の子ではないということを主張立証する場面に限定して適用されると解釈していると思われる。
どういうことかというと、推定される嫡出子が生まれた場合、夫は嫡出否認の訴えを提起できるものとされている(民法774条、775条)が、嫡出推定に対する反証活動は、そういう場面で行われることを民法は予定しているという風に最高裁は解釈しているということだ。

そう考えると、妻の側が、DNA鑑定で夫と子供の生物学上の父子関係が否定されることを理由として親子関係不存在確認の訴えを提起することはできない。
逆の言い方をすれば、妻の反証提出権は極めて限定される。そして、妻に反証提出権がない場合において、夫の側に父子関係に異存がないならば民法772条1項の原則どおり、子供は嫡出子のままだということだ。

これは、実質的にも妥当だ。つまり例えば、妻が不倫の末に夫以外の子を産んだ場合にそれを理由として、今まで築いてきた父子関係がすべて覆されるというのは、夫にとっても子供にとっても耐え難いことだと思われるからだ。
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