- 詳細 2016年7月25日 17:26更新
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「今の若い歌手がマイクに口をくっつけるようにしてうたっているのが情けないわねえ」
藤本二三吉（明30〜昭51）
磨きぬかれた歌唱で、次々とヒットをとばした昭和の歌手。
本名は藤本婦美。
明治三十年十一月二十三日、東京市浅草区千束町の生まれ。
明治三十年に半玉となり（数え年十二歳、はん子と名乗る）、二三吉の名で葭町から出たのが大正四年で（十八歳）、同時に常磐津三蔵について常磐津を修めるほかに端唄、小唄、俗曲を研鑽し、大正十三年二月に俗曲を吹込んだのがレコード歌手の始めというから、半世紀以上のキャリアであった。
以来その凛として歯切れのよい声調で端唄、俗曲歌手として活躍。
ビクターの専属となったのが昭和三年四月で、次々とヒットをとばしたが、のち昭和八年四月にコロムビアレコードに移籍し、小唄、端唄、俗曲と江戸芸を守って活躍を続ける。
多くのヒット作品を生み、昭和十年ごろ吹込んだものが、戦後も長く売れているという。
昭和四十三年十一月に紫綬褒章、五十年四月に勲四等瑞宝章を受ける。
昭和五十年より、二十六年ぶりで端唄・俗曲の十八番芸をステレオで録音、その衰えぬ至芸をレコード化して、二三吉健在を示す。
昭和五十一年十月二十三日に脳卒中で倒れて入院し、同月二十九日、満七十八歳で歿。
芸一筋に一生を終った人だった。
その芸も、江戸端唄の最後の形をうたう、ほんとうに最後の人だったと言われる。
なお、三味線の小静というのは彼女の実姉であり（昭和五十七年七月歿）、このコンビで数多くのヒット曲を世に送っている。
【代表曲】
祇園小唄／四季の満洲／浪花小唄（道頓堀夜景）／
緊縮小唄／都会交響楽／モダン節／
アラその瞬間よ／この太陽／唐人お吉小唄（明烏篇）／
東京行進曲（替唄）／女給の唄／侍ニッポン／
エンコ節／トコ張さん／満洲行進曲／丸ノ内音頭(一)／
大阪かっぽれ／ジャズ金比羅／野球おどり／
新祇園小唄／新唐人お吉／東京小唄／東京むすめ／
今昔五段返し／新ラッパ節／好いた同志／
台湾音頭／銀座セレナーデ／ミス・大阪 三絃編／
スキーぶし〜チラリサラリと〜／戀の銀座／
他
【同業者・競争相手達】
仙台対橋楼きよし／仙台対橋楼きよ／仙台対橋楼千代／
祇園新地市助／南地千代吉／朝居丸子／山村豊子／
美藤家愛之助／南地墨馬長吉／歌女／小歌女／
大阪南地小圓／大阪南地圓子／都一／
木曽福島才三／木曽福島静子／木曽福島小才／
久の家登美子／秀次／新橋琴治とめ／吉原〆治／木原若作／
南地平辰席金八／南地平辰席団三／南地石川席よし吉／
南地越仲ふく／南地松本すみ／南地床菊／
大西席政弥／小山席だるま／石川家美代吉／
新橋才三／新橋小市／新橋小玉／
浅草福々（福助内福々）／浅草房奴／浅草お龍／
南地堺屋席なべ／明石栄検みき光／分山田和香／浅草〆香／
小唄勝太郎／市丸／赤坂小梅／浅草美ち奴／豆千代／
日本橋きみ栄／南地力松／南地金龍／南地秀三／勝丸／
浅草染千代／赤坂百太郎／新橋喜代三／南地喜久治／
貴美子／虎龍／静喜代／時栄／千代丸／喜久丸／なら丸／
葭町信八／葭町ゑつ／小桜屋吉次／玉子／梅香／若葉／
柳橋夢香／柳橋若菊／先斗町榮二／大坂堀江繁代／
大阪南地作榮／東京梅子／東京幾松／花駒／南地世々香／
松江検久子／新潟亀貝みつ子／山中温泉熊八／
渡邊席駒太郎／熊本留吉／金奴／大和屋杵子／
出雲福奴／大社捨子／北新地大西席梅三郎／
市三／南地若登美／柳橋歌丸／柳橋富勇／
新橋南地久龍／稲千代／まり子／君枝／玉葉／ぽん子／
新橋千龍／新橋照代／新橋豊吉／新橋桃三／
美代寿／〆子／のぶ子／
春の家花子／都屋初枝／幾野家いく子／すみゑ／桃子／
金吾／秀勇／神戸まるは／下谷艶菊／上州山村たね子／
福島亀子／東京小花／浅草みな吉／浅草定菊／米千代／
浅草小雪／秀勇／駒千代／新橋喜代丸／金廣つぼみ／
南地おせん／塩沢町二葉家いと子／玉家小龍／
横濱菊三郎／蘆原温泉瀧勇／新橋梅次／神戸萬龍／
大和家はる子／大和家きよ子／浅草吉奴／浅草さくら子／
名古屋熱田菊咲おこま／大阪南地花龍／神戸共立検とん八／
金子千恵子／寳家ひさ子／南陽笑子／柳家三亀松／
菊栄／駒英／吉田奈良勝／
神楽坂はん子／神楽坂浮子／榎本美佐江／照菊／
美代司／下谷小つる／寅由喜／花須賀藤てる／浅草能里枝／
玉津志摩子／伶明種子／伶明櫻子／立花秀華／佐々木清子／
金子千恵子／峯村スミ／
三門順子／音丸／山里せつ子／飯島ひろ子／三島儷子／
他
トピックはご自由にお立て下さい。
