ゼータ関数
(ζ関数,Zeta Function,ζ Function)
ζ(s) = Σ[n=1, ∞] 1/(n^s)
ゼータ関数とは,オイラーによって盛んに研究され,リーマンによって名付けられた数学上の概念で,数論の分野に於いて特に重要な関数の一つであり,今も盛んに研究が行われている.
s=1の時のゼータ関数は,調和数列の和の形を取り,収束せずに発散する.
正の偶数のゼータの値はオイラーによって得られた.
ζ(2)=π^2/6,ζ(4)=π^4/90,ζ(6)=π^6/945,ζ(8)=π^8/9450,・・・
然し,奇数のゼータの値は現在に於いても分かっておらず,未解決問題として残っている.
また,負の整数のゼータの値は,オイラーのその研ぎ澄まされた洞察力により,非常に興味深い値を持つ事が知られている.
ζ(0)=-1/2,ζ(-1)=-1/12,ζ(-2)=0,ζ(-3)=1/120,ζ(-4)=0,ζ(-5)=-1/252,・・・
因みに,負の偶数でのゼータの値は全て0になる.これを,ゼータの自明な零点と呼ぶ.
更に,ゼータ関数は,「オイラー積」と同等である事も分かっている.
ζ(s) = Π[p] 1/(1-p^(-s))
数学史上,最大の難問であると言われている「リーマン予想」も,このゼータ関数が非常に密接に関連しており,それは,
「自明でないゼータの零点は,実部が全て1/2である」
という仮説で,リーマンによって問題が提唱されてから現在に至るまで,150年以上経っているにも関わらず未解決のままである.
2000年には,クレイ数学研究所により,この問題の解答に100万ドルの懸賞金が掛けられた事も,有名である.
[説明文更新 : 2010年8月18日(水)]