- 詳細 2020年1月30日 22:43更新
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■素心蝋梅(ソシンロウバイ)■
中国原産で日本には１７世紀頃に渡来する。
ロウバイ科ロウバイ属の落葉広葉低木。
丁度、花の少ない真冬（１月から２月に掛け）に鮮やかな黄色い花を咲かせ香りも強く殺風景になりがちな真冬の庭に御勧めの花木である
。
名前に梅がついている為に薔薇科桜属と誤解されやすいが別属である。
唐の国から伝来した事も有り唐梅とも呼称される。
中国名も蝋梅であった事にちなむ。
本草綱目によれば花弁が蝋のような色であり且つ臘月(ろうげつ、旧暦１２月)に咲くからこの名前が付いた。
素心蝋梅（ソシンロウバイ）、満月蝋梅（マンゲツロウバイ）、唐蝋梅（トウロウバイ）等の栽培品種がある。
比較的よく栽培されているのは素心蝋梅で花全体が黄色。
中心部は暗紫色で蝋燭（ろうそく）細工のような花。
土壌をあまり選ばず日陰の場所でも発育が良く開花する大変丈夫な花木ではあるが注意点として１度植え付けたら移植は困難である。
繁殖は品種物の一部を除き挿し木が一般的だが実生からの育成も簡単。
種蒔きから最も簡単に育てられる樹種である。
晩秋になると焦げ茶色の実（�櫺漫砲�生るので播くといい。
種は小豆位の大きさであるが長く伸びた枝に花芽は殆ど付かない。
蝋梅は、その年に発育した枝のみに花芽を付けるのだが勢い良く発育した枝や間延びした長い枝には花芽を付けずない。
枝や幹の基部に付く短い枝のみに花芽を付ける。
だから長く発育した枝は落葉後か花後につけ根から２０ｃｍ位残して短く切り詰める。
蝋梅は短い枝を内側に向け密生して生や。
短い枝であってもそのように木の内側に向かい伸びている枝は光を遮り株元まで充分日光が当たらない原因にもなるので切り詰める。
花が付いた枝でその後、長く発育し枝は数年位で短く切り詰める。
根元から“ひこばえ”と呼称される長くて勢いのある枝が沢山出てくる。
ひこばえを２〜３本を残し、あまり大きくならない内にかき取った方が良い。
ひこばえ…勢いが良い枝で樹形を乱すだけではなく株の栄養を非常に消耗させる枝である。
沢山発生すると今迄充実した枝や幹の勢いを弱める恐れがあるのでかき取る必要がある。
寒さに遭わせた方が良く発芽するので庭に播き５ｍｍ位、覆土しておくと春分を過ぎてから生えてくる。本葉が開いたら上広げてやると良い。
花や蕾（つぼみ）から抽出した蝋梅油（ろうばいゆ）を薬として使用する。
植え付けの場合は落葉時期に行う。
蝋梅は種子等にアルカロイドであるカリカンチンを含んでおり有毒なので病気や害虫の心配は殆ど皆無に等しい。
ストリキニーネ様の中毒症状を示す。
カリカンチンの致死量はマウス４４ｍｇ／ｋｇ(静脈注射)、ラット１７ｍｇ／ｋｇ(静脈注射)である。
ストリキニーネ…脊髄に対する強力な中枢興奮作用を持つ（抑制系シナプスの抑制による）。
摂取から３０分程で激しい強直性痙攣、後弓反張（身体が弓形に反る）、痙笑（顔筋の痙攣により笑ったような顔になる）が起こるが、これは破傷風の症状に類似している。
刺激により痙攣が誘発されるのが特徴であり最悪の場合、呼吸麻痺で死に至る。尚、心循環系、消化器系には影響を与えない。痙攣に伴い、横紋筋融解によりミオグロビン尿が出る。
人間の致死量は硫酸塩で３０〜１００ｍｇ／ｋｇ。
治療は、まず患者に刺激を与えないようにして鎮静剤（ジアゼパム等）、筋弛緩剤を投与し痙攣の防止と気道の確保を行う。
ストリキニーネの体内での分解は早いので中毒から２４時間を経過すれば予後の生存率は高くなる。
花言葉は先導、先見。
学名：ｃｈｉｍｏｎａｎｔｈｕｓ−ｐｒａｅｃｏｘ−ｆ．ｃｏｎｃｏｌｏｒ
ｃｈｉｍｏｎａｎｔｈｕｓ（チモナンサス）はギリシャ語のｃｈｅｉｍｏｎ（冬）＋ａｎｔｈｏｓ（花）が語源で“冬の花”を意味する。
花期：冬
界：植物界
門：被子植物門（ｍａｇｎｏｌｉｏｐｈｙｔａ）
綱：双子葉植物綱（ｍａｇｎｏｌｉｏｐｓｉｄａ）
目：楠（くすのき）目（ｌａｕｒａｌｅｓ）
科：蝋梅科（ｃａｌｙｃａｎｔｈａｃｅａｅ）
属：蝋梅属（ｃｈｉｍｏｎａｎｔｈｕｓ）
種：蝋梅（ｃ．ｐｒａｅｃｏｘ…早熟の，早咲きの）
最終更新日：２０１２年１１月０６日
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