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小説 17BEAT Generationコミュのtrack 4

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お好み焼き屋をあとにした僕らは、寂びれたアーケード街を抜けて駅の方へと向かった。
ライブハウス「DIJ」は、駅の裏通りから少し歩いた所にある雑居ビルの地下にある。
中学の時から、助っ人で呼ばれたりなんかしてた裕也は月に一度はここでドラムをたたいていた。
当時からいろんなジャンルを叩き分けることが出来た裕也はいろんなバンドと顔見知りだったこともあって自分がでない日もちょくちょく楽屋に遊びに行っていたという話を聞いていた。
楽屋へ入るにはビルの裏手にまわらないといけなかった。
ステッカーだらけの白いワゴンがシャッター前に止まっている。
裕也はそばにいた男たちと顔見知りなのか一言二言挨拶を交わした。
どこか異世界にきた雰囲気もあって少し緊張した。
裏口のドアを開けると薄暗い通路が少しあって正面に鉄で出来た重たそうなドアが迎えてくれた。分厚いレバーのようなドアのノブをグイッと下げると裕也が参加するバンドのリハーサルはもう始まっているらしくギターの響く音が漏れていた。裕也が今日ヘルプするバンドは裕也と同じ高校を出た社会人のバンドで「スイートリトルボム」というブルースバンドだ。毎月このライブハウスでライブやっているんだけど、なんでも先週ドラムの人が仕事で指を骨折したらしく急遽裕也に連絡が来たらしい。裕也のドラムは言い方は悪いけどカメレオンみたいにそのバンドに溶けこんでいける。オールマイティーにドラミングをこなすのは裕也の持って生まれたリズムセンスのおかげだろうと思う。小さい頃から親父さんが勤めていた米軍基地にあるライブハウスに出入りしていたって聞いたことがある。生のカントリーやブルースに触れる機会が少ない日本で音楽的には恵まれた環境にあったのが影響していると思う。中学のころほんとコイツは同級生かよっていろんな音楽話のたびに感心させられた。叩く行為がこんなにもバリエーションがあるって教えてくれたのも裕也だった。
バンドにとってドラムって前にはでないけどハートに一番インパクトをあたえる心臓みたいなもんだよっていってたっけ。
「スイートリトルボム」のライブは前に一度だけ観たことがある。
高2の頃だ。全員が赤いチェックのスーツで演奏してたのが印象的だった。
ボーカルの人のハスキーな声とせつないスライドギターの音色が耳に残っている。ブルースなんて今まで聴いたことなかったけどなんか広大な敷地を持つアメリカの農場や人々が目に浮かんだ。

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