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優駿―この馬が好き!―コミュのラスティンドリーム

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“最後の夢”と名づけられた彼は、名種牡馬、マルゼンスキーの最後の世代にあたる。
 一口馬主をはじめたばかりの私は、まだ彼が2歳の春先に北海道の白井牧場へと足を運んだ。
 本場だ、いや分場だと、すったもんだの末、たどり着いたそこには、朝の調教を終え、のんびりと草をはみながら放牧されている馬たちが6〜7頭おり、どれが目的の彼なのかわからない。
 牧場の人に案内されながら近づくと、群れから1頭だけ、私に興味を示し、トコトコと近づいてくる鹿毛の仔馬がいた。
「あれ、それがジュエリーボックスの子だよ。あなたが馬主だとわかったんかねぇ」
 案内してくれた人が笑いながら言う。もうそれだけで、俺は彼がかわいくてしかたなかった。写真を撮る間も、彼は大人しくしており、首を撫でても抵抗はしない。やや、線の細さはあるが、なかなかのグッドルッキングでもある。
 それから1年半…デビューが遅れた彼は、3歳の夏にようやくデビュー戦を迎える。
 逞しくなってはいたが、結果はブービー。見るところもなく敗れた彼は、しかし2戦目では中段からじわじわと末脚を伸ばし、6着に健闘する。
 結果はでないものの、レース振りにも進境がうかがえ、第3戦目には、新聞にも対抗の○印が目に付くようになった。
 だが、前日の新聞の馬柱には、名前はあるものの、その上に「出走回避」の文字……。初勝利(?)を目前にして、調教での故障発生、予後不良であった。
 ラスティンドリーム…最後の夢は、初勝利というささやかな喜びすらも夢にしてしまう悲しい馬名となってしまった。

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