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励まし合って読書会。コミュの未読書評:『絹と明察』 三島由紀夫 

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読む前に書け!未読書評!

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このトピックには表題の課題本を未読の方のみコメントできます。
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※但し、表題本の著者および翻訳者に限っては、常にコメント可とします。
<<<<<<<注意>>>>>>>>>

さて、幸いにも、まだ課題本を読んでいない方は、読んだつもりで書評してみましょう。
内容、形式は自由!どんな奇想天外な妄想や、ホラ批評、辛口批評もフルOK!
今回の読書会には参加しないけれど、未読書評だけはしたい、という方も歓迎です。

◎しまった!つい読了してしまった!未読書評できないじゃないか。どうしてくれるんだ。
◎未読書評が楽しすぎて、なかなか課題本が読み始められないんですが。
◎あの、むしろこのあらすじの話のほうが読みたいんですけど?

そんな本末転倒を狙っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

コメント(7)

『高慢と偏見』の日本版。元華族令嬢かの子のツンデレっぷりがたまりません。
かの子に比べて、姉の絹のキャラをどう捉えて良いのやら。したたか? わがまま? 鈍感? さすがタイトルになるだけあって、登場場面の少なさに比べて、存在感絶大。

かの子も、つねに絹の影に脅えるような様子を見せながらも、結果的には望み通りのものを手に入れてますよね。「お姉様がこれを知ったら、わたくしはどうなりますの?」の一言で、男たちを翻弄してしまう。

うーん、女は怖いぜよ。

絹とかの子。この統一感のない姉妹の名前も、父親が違うのか? と思わせますよね。

確かに「高慢と偏見」に似ていますが、ラストが手放しのハッピーエンドとは言えないような…

「何やら不穏なものは包み隠して、楽しげに振る舞う絹と明察でありました」のように感じられました。
絹は「KY」だと思います。ある意味最強キャラ。
誰が見ても姉の絹よりも美しく、聡明なかの子。なんだかんだ言いながらも、姉の婚約者すら奪ってしまう彼女は何一つ絹に怯える要素はないはずなのに、なぜこんなにも姉を意識し、息苦しさを感じてしまうのか。
それはきっと絹がまったくかの子に対して嫉妬心や、敵意や、愛情すら示さないから。

婚約者の心変わりを知ったときすら絹は平然としています。
「しかたがないわ。崇彦さんがかの子を選んだのですもの。」

かの子は嵩彦に絹との婚約を解消して改めて結婚を申し込みたい、と告白されたその時にすら、幸福感や勝利感よりも不安を感じていましたが、それは実は嵩彦がみずからかの子を選んだのではなく、彼女が周到に嵩彦の心を自分に向けさせた結果であることを、かの子自身が痛いほどわかっていたからでしょう。

一方、絹はかの子と嵩彦が周囲を混乱させながらも婚約を整えた直後、売れない役者で故郷の大阪で商家を継ぐことに決めたという賢一に出奔同然の形でついてゆき、唐突にかの子の前から去ってゆきます。

それまでまったく名前も出てこなかった賢一が物語の終盤で唐突に出てきて唐突に絹と共に去っていったことには呆然としましたが、この唐突な出現と唐突な退場は、かの子自身の呆然とした気持を読者にも味わわせようという三島の演出だったのでしょうか。

一見愛する人と結ばれ次女でありながら嵩彦を婿養子として元華族の家を受け継ぐことになったかの子は幸せになったようにみえます。

しかしラストシーンの夕景色はどこか不穏な色を含み、旧家のこれからの没落を暗示しているように思えました。

「絹と明察」。なんて意味深なタイトル…。

そして、三島を読むといつも思うのですが、背景の描写が本当に細かく美しいですよね。
別に物語に必要な描写ではないのに、これでもかと細密に描き出される風景についうっとり。
この作品では特に庭のシーンが美しかったです。
かの子が嵩彦にかなわぬと知ってる恋心(と見せかけた一種の策略ですが)をうち明け、庭に下りていくところで、庭石の描写が延々と続くところ。苔むして美しい光沢を見せる庭石のしっとりした手触りまで感じられるよう。さんざん庭を描写しておいてそこで交わすかの子と嵩彦のやりとりはほんの2、3行。一番ツンデレなのは実は三島自身なのでは。
おそらく時間にしたら二人の庭の滞在時間は10分くらいかなあと思うのですが、まるで時が止まったようでした。
そうそう、あの庭の場面は素晴らしい、の一言です。三島の硬質な文体は極端なまでに動かないもの(庭石とか竹矢来とか硝子のような池の水とか)を描写して、まるで庭の空気まで固定されているようです。その中で、二人の心だけが、激しく揺れる。やわらかな苔を描きながらも、なぜ、あれほどの緊張感を漂わせることができるのか。

最後に聞こえる遠くの鳥の声は、嵩彦の決意の象徴でしょうか。

象徴と言えば、ただの庭が急に緊迫感を帯びるのは、かの子が苔に触れて、その手触りに、すっと手を引っ込めるあたりからのように感じます。どんな手触りなのか一切描かれていませんが、「絹のようだった」のかもしれない、とこれを書いていて思いました。
書き忘れ。これと言って取り柄のないかの子が、容姿だけを武器に世渡りできてしまうのは、ちょいと不満。

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