1.5D (Fifth Dimension) (mcguinn) 2.Wild Mountain Thyme (arr.: mcguinn-hillman-clarke-crosby) 3.Mr. Spaceman (mcguinn) 4.I See You (mcguinn-crosby) 5.What's Happening ?!?! (crosby) 6.I Come And Stand At Every Door (hikmet) 7.Eight Miles High (mcguinn-crosby-clark) 8.Hey Joe (Where You Gonna Go) (roberts) 9.Captain Soul (hillman-crosby-clarke-mcguinn) 10.John Riley (gibson-neff) 11.2-4-2 Fox Trot (The Lear Jet Song) (mcguinn) 【Bonus Tracks】 12.Why (mcguinn-crosby) single version 13.I Know My Rider (I Know You Rider) (mcguinn-crosby) 14.Psychodrama City (crosby) 15,Eight Miles High (clark-mcguinn-crosby) alternate version 16.Why (mcguinn-crosby) alternate version 17.John Riley (gibson-neff) instumental version
バーズのレビュー第二弾はバーズの3rdアルバム「5th Dimention(霧の五次元)」。 バーズは一貫してロジャー・マッギンを中心としたグループと言えるが、1stと2ndでマッギンと共に曲作りの核をなしてきた一人ジーンクラークがこの3rdアルバムの先行シングル「8 miles high」を最後にグループから脱退したことにより、バーズとしての音に変化が生じることになる。代わりに存在感を増したのはデヴィッド・クロスビーとクリス・ヒルマンで、これによってより多面的な音が加わってくることになった。
3rdアルバムではなんと言ってもシングル「8 miles high」がハイライトであり、ロック界初のサイケデリック・ロックのシングルヒット、と呼ばれている。これは当時オーネットコールマンと共にフリージャズの急先鋒であったジョン・コルトレーンのサックスの音を12弦ギターで再現しようとしつつ、シタールを用いるなどインド音楽からの影響も盛り込まれたラーガロックと呼ばれる音も取り込まれている。イントロや間奏におけるギターソロとリズムトラックはかなり複雑で、不協和音を醸し出しつつ、3声ハーモニーもここではほとんど上昇することなく独特のメロディラインでドラッグ体験を連想させるサイケデリックで浮遊感のある音に仕上がっている。
3曲目のマッギンによる「Mr.Spaceman」もスペースロックと呼ばれつつアップテンポなカントリーロックであり、他にもトラディショナルなフォークのカバーが2曲入っている。他に印象的なのはジミヘンのカバーで有名な「Hey Joe」でクロスビーのボーカルでアップテンポなので一瞬同じ曲とは気付かない。またクロスビーは作曲でも、後にYesにカバーされる「I see you」や「What's happening」、リードボーカルも3曲つとめ、個性を発揮し始めている。