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「花」の物語コミュの「卯」の物語

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■川原泉 架空の森(美貌の果実収録)白泉社

何の花かは知らぬ。知らぬがその森には初夏になると一斉に咲き綻ぶ白い花があった。地味ではあるが見る者の心を和ませる風雅な花なのだ。当時苅谷家の周辺は人家もまばらでわけも家の裏手に続く森などは侘寂の趣さえ漂わ静邃(せいすい)このうえなかよ。苅谷苑生はそーゆー静寂を好む無口な人間だった。

……

森には人が来ては去り来ては去り咲いては散り咲いては散り

……

その花は卯の花という。

+ + +

花や果物やハーブをテーマにしている中の花をテーマにした短編集。美しいオープニングから一転すぐにコミカルタッチになるのが面白い。

コメント(1)

■森鴎外「阿部一族」

「ちょうど卯の花の真っ白に咲いている垣の間に、小さい枝折戸のあるのをあけてはいって、権右衛門は芝生の上に突居た。……(中略)……黒羽二重の衣服が血みどれになって、それに引上げのとき小屋の火を踏み消したとき飛び散った炭や灰がまだらについていたのである。」

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細川忠利の死後、殉死を許されないまま切腹して死んだ、阿部弥一右衛門とその一族の悲運を描いた短編。
花の白と血の赤のコントラストが鮮やかです。

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