大阪街歩きコミュの大阪の味

この間の日曜日は、店の前まで行きながら、定休日であったが為に、噂の味を味わうにいたらなかった。今日はちょうどうまい具合に時間が空いたので、「行ってみるか・・・」ということで、かの「大黒」へ向かった。

暖簾をくぐる。まさに暖簾をくぐる仕草が、我にも無く嬉しい。店の戸は、昼時だともいうので、開けっ放しである。既になじみの客が4人ほど座ってい、やむやく相席となった。どうも初会の店というのは勝手がわからず、黙っていれば勝手に注文を取りに来てくれるのかどうかと、不安に思った。その様子を見かねたのか、店のおばさんが愛想笑いを浮かべながら、手馴れた様子で、注文を聞きに来た。

かやく飯　中　400円（のはず）さわらの塩焼き600円、わかめの酢の物400円

とっさにこれだけを注文した。いかに遊び人風を気取っているとはいえ、明らかに仕事中に昼食を食べに来た、若いサラリーマンと同席しているところで、気取った様子で酒を飲むのは、憚られるというものだ。それはまた日をあらためた方が大人の振る舞いというものだろう（自信はない）。

かやく飯が来た。ほとんどどんぶり飯だ。この上に「大500円」があるというのだから驚く。さわらの塩焼きは時間がかかるらしい。わかめの酢の物がお供である。食す。

ほどよい味加減である。この味わいこそ、関西の味である。うまみで食わせる、薄味の真骨頂である。確かにこれは、大阪の味として自慢してよいのではないか。他にあろうとは思われぬ。さわらの塩焼きが来た。うまい。塩加減が良い。

「名物のかやく飯に、熱々の粕汁か味噌汁。それに焼魚をとって食べるそのうまさは・・・」と池波正太郎のエッセイにあるけれども、私は汁ものをとらなかった。かろうじて焼魚への言及を覚えていたのみだ。

会計は合計で1470円（税込）。満足である。でもちょっと高い。

大人の昼飯である。