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「国家優先経済」へひた走るプーチン　：選択2月号

　年の境目に、ロシアから経済政策関連で二つのニュースが飛び込んだ。ロシア政府は東北アジアの石油パイプラインのルートを決定し、日本政府が望んでいた太平王ルートの建設を正式に決めた。・・・・
続いて、一月三日、プーチン大統領はイラリオーノフ顧問（経済担当）を先進国首脳会議（G8)参加に向けた作業のロシア政府代表からはずした。事実上、大統領顧問の職務が停止され、閑職に追われたと噂される。二つのニュースの背景には、国家主義優先経済政策を強めるプーチン大統領の石油国家戦略が横たわっている。
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「太平洋ルート」決定の背景
　しかし、本当の理由は、拡大する中国経済、特に中国東北部の発展に比べると、ロシア極東部は停滞しており、このままでは「元」経済圏に呑み込まれるという危機感がロシア中央部にあった可能性が強い。
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石油・ガスこそ国家強化の鍵
　イラリオーノフ氏は欧米型市場経済の導入を主張する新鋭学者で、歯に衣着せぬ発言で有名だ。経済政策への国家介入に対しては常に反対し、国家規制の解除、民営化推進の必要を一貫して説いてきた。ロシア国家の強化をスローガンに、国家主義的路線へと傾斜を強めるプーチン政権に対しても批判的な姿勢を強めていた。
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　エネルギー資源は純然たる市場経済の商品にはなりえない。常に政治がからみ、国家戦略がついて回る。今後、ロシアの政権はどの程度経済に介入し、石油の国家戦略をどう展開するか。プーチン政権の次なる策は国際社会にとっても他人事ではない。

　

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