ファッションデザイナーコミュのマルク・ボアン(Marc Bohan)

1926年パリに生まれる
父はアシェット出版社の編集者
婦人向けの帽子デザイナーだった母の影響を受け、パリのリセ「Lakanal」卒業後の４５年、ロベール・ピゲのもとで修業を積む
1953年秋に自分の店を開いたが、コレクションを１回発表しただけで閉店。
1954年ジャン・パトゥのメゾンで主任デザイナーとなる

1958年クリスチャン・ディオールのロンドン店に移った。
この間「Madeleine de Rauch」ではデザイナーとして、ニューヨークのアパレル会社では、フリーランス・デザイナーとして活躍。
1960年9月ディオール２代目のデザイナー、イブ・サンローランの徴兵によって、パリ本社へ移り、ディオール３代目のデザイナーに就任。

1961年春のディオールでの処女作は「スリム・ルック」。長いスリムなボディスと細身のスカートでナロー・シルエットを提示した。シンプルできやすいという理由で、アメリカでは「ヒッピー・ルック」と呼ばれ好評を得た。
1966年秋ミニスカートの是非が議論を呼んでいたミニスカートにロング・コートを組み合わせるという折衷案を出し、これも大好評だった。
1974年スティリストのギブルジェに代わり、プレタポルテも手がけることとなってからは、活動の中心をこちらにシフト。
1975年コレクションでは、印象派の絵画をプリントした生地を使用。

1977年パーカーやキュロットのスポーツ・ルック、次いで、ジジ・ルック、ギブソン・ガールズなどを発表。
オートクチュールのコレクションでも、品よくセクシーな作風を維持した。
1978年秋には、マニッシュ・ルックを打ち出し、意外な一面も見せている。
1989年ジャンフランコ・フェレにデザイナーを譲り、メゾンから離れた。
1990年-1992年ノーマン・ハートネルで、ファッション・ディレクターを務めた。

洗練されたロマンティックなデザインと確かな技術が好評の原点。ジャクリーン・ケネディ夫人をはじめ、個人客には有名人が多く、特に、1974年10月のイラン国王戴冠式のファラ王妃の式服一式、1978年6月のモナコのキャロリーヌ王女の結婚衣装を制作したことは有名。