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馬鹿についてコミュの福沢諭吉の誤解

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 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。人は生まれながらにして貴賎貧富の別なし。されども今広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。

 その次第甚だ明らかなり。実語教に、人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なりとあり。されば賢人と愚人との別は、学ぷと学ばざるとによって出来るものなり。

 身分重くして貴き者であれば自ずからその家も富んで、下々の者より見れは及ぶべからざるようなれども、その元を尋ぬればただその人に学問の力あるとなきとによってその相違も出来たるのみにて、天より定めたる約束にあらず。

 諺に云く、天は富貴を人に与えずしてこれをその人の働きに与うるものなりと。ただ、学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧乏となり下人となるなり。

 独立の気力なき者は国を思うこと深切ならず。独立とは自分にて自分の身を支配し、他に依りすがる心なきを言う。人々この独立の心なくしてただ他人の力に依りすがらんとのみせば、全国の人は皆依りすがる人のみにて、これを引き受くる者はなかるべし。

 この国の人民、主客の二様に分かれ、主人たる者は千人の智者にて、よきように国を支配し、その余の者は悉皆(しっかい)何も知らざる客分なり。既に客分とあれば固より心配も少なく、ただ主人にのみ依りすがりて身に引き受くることなきゆえ、国を憂うることも主人の如くならざるは必然、実に水くさき有様なり。

 独立の気力なき者は必ず人に依頼す。人に依頼する者は必ず人を恐る。人を恐れる者は必ずひとにへつらうものなり。

 学問をするには分限を知ること肝要なり。人の天然生れ附きは、繋がれず縛られず、一人前の男は男、一人前の女は女にて、自由自在なる者なれども、ただ自由自在とのみ唱えて分限を知らざれば我儘放蕩に陥ること多し。即ちその分限とは、天の道理に基づき人の情に従い、他人の妨げをなさずして我一身の自由を達することなり。

 自由と我儘との界は他人の妨げをなすとなさざるとの問にあり。例えば自分の金銀を費やしてなすことなれば、仮令い酒色に耽り放蕩を尽すも自由自在なるべきに似たれども、決して然らず、一人の放蕩は諸人の手本となり遂に世間の風俗を乱りて入の教えに妨げをなすがゆえに、その費やすところの金銀はその人のものたりともその罪許すべからず。

 昨今の有様を見るに、農工商の三民はその身分以前に百倍し、やがて士族と肩を並ぷるの勢いに至り、今日にても三民の内に人物あれば政府の上に採用せらるべき道既に開けたることなれば、よくその身分を顧みて我身分を重きものとおもい、卑劣の所行あるべからず。

 凡そ世の中に無知文盲の民ほど隣れむべくまた悪むべきものはあらず。智恵なきの極は恥を知らざるに至り、己が無智をもって貧究に陥り飢餓に迫るときは、己が身を罪せずして妄に傍らの富める人を怨み、甚だしきは徒党を結び強訴一揆などとて乱妨に及ぷことあり。恥を知らざるとや言わん、法を恐れずとや言わん。

 天下の法度を頼みてその身の安全を保ちその家の渡世をいたしながら、その頼むところのみを頼みて、己が私欲のためにはまたこれを破る、前後不都合の次第ならずや。

 或いはたまたま身本確かにして相応の身代ある者も、金銀を貯えることを知りて子孫を教うることを知らず。教えざる子孫なればその愚なるもまた怪しむに足らず。遂には遊惰放蕩に流れ、先祖の家督をも一朝の煙となす者少なからず。

 かかる愚民を支配するには、迚も道理をもって諭すべき方便なければ、ただ威をもって脅すのみ。西洋の諺に愚民の上に苛き政府ありとはこの事なり。こは政府の苛きにあらず、愚民の自ら招く災いなり。愚民の上に苛き政府あれば、良民の上には良き政府あるの理なり。

 故に今、我日本国においてもこの人民ありてこの政治あるなり。仮に人民の徳義今日よりも衰えてなお無学文盲に沈むことあらば、政府の法も今一段厳重になるべく、もしまた人民皆学問に志して物事の理を知り文明の風に赴くことあらば、政府の法もなおまた寛仁大度の場合に及ぷべし。

 法の苛きと寛なるとは、ただ人民の徳不徳に由って自ずから加減あるのみ。人誰か苛政を好みて良政を悪む者あらん、誰か本国の富強を祈らざる者あらん、誰か外国の侮を甘んずる者あらん、これ即ち人たる者の常の情なり。

 今の世に生れ報国の心あらん者は、必ずしも身を苦しめ思いを焦がすほどの心配あるにあらず。

 ただその大切なる目当ては、この人情に基づきて先ず一身の行いを正し、厚く学に志し博く事を知り、銘々の身分に相応すべきはどの智徳を備えて、政府は政を施すに易く諸民はその支配を受けて苦しみなきよう、互いにその所を得て共に全国の太平を護らんとするの一事のみ、今余輩の勤むる学問も専らこの一事をもって趣旨とせり。

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これが、例の名言の全体像です。
初編のみなのでより詳しくは下記URL参照のこと。(チョット読みにくいです。)
http://f1.aaa.livedoor.jp/~home/readme.html


 

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