REDЯUMコミュの長期連載～HISTORY　OF　REDЯUM（4）～「第1期～第2期へ」

ある日JYUNJIと連絡がとれなくなった。

携帯電話がない時代なので留守電にメッセージを入れ連絡が来るのを待ちながらYUMI、剛と三人でリハに入る日々。

「ごめんごめん！ちょっと忙しくてさ！」
JYUNJIから電話がきたのは二週間ほど経ってからだった。

まぁしょうがない。
忙しかったのなら。

怒りを飲み込みまた四人でリハに入る日々。

するとまたJYUNJIと音信不通。

また同じ言い訳で電話がかかってくるまでに一ヵ月も経っていた。

ライブを組みたいのに組めない。
曲作りも全然進まない。

事故にでもあったんじゃないか？
何かトラブルに巻き込まれてるんじゃ？
と心配していた。

だが当の本人は「ごめん！忙しくてさ！」至ってケロリとしている。

我慢ならなかった。
「メンバーにこんな心配かけても平気な奴とはこの先やっていけない」

四人で集まってJYUNJIには辞めてもらった。

「四人が同じ目線でやらないとREDЯUMは絶対にダメだ！」

決意を新たにした。

また新たにベーシスト探しを始めた俺はライブハウスや練習スタジオなどいろんなところにメンバー募集のビラを貼りまくった。

一ヵ月経っても二ヵ月経っても電話は一本も鳴らない。

諦めて雑誌のメンバー募集に投稿する事にした。

「B急募！
当方Vo（22）、G（24）、Ds（23）。
PORTIS HEAD、MASSIVE ATTACK、TRICKYなどのブリストル系を完全“生”音で日本語でやりたい！」
と葉書に書いて
「ちょっとマニアック過ぎるな」と思い「RADIO HEAD」と「Bjork」の名前も足した。

しばらくしてさっそく雑誌に掲載されたのを見て嬉しくなった。

「これでジャンジャン返事が来るぞ！」

甘かった。

結局返事が来たのは一通だけ。
しかも30歳。
二十代前半の俺達からしたら随分年上に思えた。

「どぉせサラリーマンの趣味かなんかだろ？」

はっきり言って期待はしていなかった。

「でも何日待ってもこの一通しか来ないし、幸い家も近いから一度会ってみよっか」

後日先方と連絡をとり高円寺の駅前で待ち合わせる事に。

ここで一つルールを作った。
「YUMIと剛くんは俺の後ろに立ってほしい。」

「俺が前に立ってその人と会うから第一印象で『ダメだこりゃ』と思ったら俺の背中を一回叩いてほしい。
もし叩かなかったらその人に決めよう」

「ださいオッサンだったり、趣味で音楽やってるような奴だったらなんか理由つけて断るからさ！」
と二人に言い三角形になった俺達は先方を待った。

定刻に俺の前に金髪でお洒落な男が立っていた。

「まさかこの人？30歳には見えないけど・・・」

「はじめまして！外といいます！」

背中に叩かれた感触はなし。
振り向くとYUMIとツヨッキーは満面の笑みを浮かべていた。

「絶対この人を逃がしちゃダメだ！」

俺はYUMIとツヨッキーに小声で囁いた。

これがSOTOさんとの出会い。