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「花」の物語コミュの「蓮」の物語

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スイレン科の耐寒性多年草。
7〜8月に花を咲かせる。

コメント(5)

■芥川竜之介 「蜘蛛の糸」

ある日の朝方、極楽の蓮池のふちをぶらぶらお歩きになっていた御釈迦様は、蓮の葉の間から見える地獄にふと目をとめられた。水晶のような水を通して見える地獄の底では、ある男が他の罪人と共に責め苦に合っている。
その男がかつてただ一つだけよいことを思い出した御釈迦様は、蜘蛛の糸を地獄の底へと下ろされたのだが……。

+ + +

説明の必要がないぐらい有名な短編。
最初と最後に、極楽の白い蓮の花のシーンがはさまれることで、中に挟まれた地獄の描写が際立っているように思います。
また、白(蓮の花)銀(蜘蛛の糸)、翡翠(蓮の葉)、金(蓮の蕊)、赤(血の池)など、読み返してみると、色彩に富んだお話だということに気づかされました。

青空文庫で読むことができます。↓
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/92_14545.html
■芥川竜之介「三つの宝」

森の中で、三人の盗人が三つの宝が誰のものになるのかを争っていた。その宝とは、鉄でさえ切れる剣、着ると姿の隠れるマントル、一飛びに千里飛べる長靴。それぞれ一つずつ持っていたとしても、相手の持つものがなければ不安で仕方ないらしかった。通りかかった王子が仲裁に入り、自分のものとそれぞれ取り替えてやると、彼らはやっと満足する。
その後、宿屋に行った王子は、異国の王と結婚させられる王女の話を聞き、自分が助けに行くと宣言するのだが……。

+ + +

王女のたたずむ薔薇の庭と、アフリカの王が彼女のためにアフリカに用意した御殿の周りに植えられた蓮の花との対比がきいています。
ただ、インド原産の蓮よりも、古代エジプトで神聖視されたといわれている睡蓮のほうが、この物語には似合うのではないかとも思いました。

青空文庫で読むことができます。↓
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/1126_14251.html
■川端康成『山の音』岩波文庫

主人公の信吾は六十二歳。敗戦直後の時代を、年上の妻、息子、息子の嫁と一緒に暮らしている。息子が外に女を作っていることを知ったことで、嫁に対する気持ちのゆらぎを感じており、それが周りの人間関係にも微妙な波紋を投げかけている。非常に叙情的な風景描写の中で、人間の暮らしと心の微妙な動きが描かれている作品。


+ + +

蓮の話は、古代遺跡から発見された蓮の実が、何千年を経て花を咲かせたという新聞記事に出てきます。他にも「日まわり」「桜」「黒百合」などの植物が頻繁に登場しますが、どれも話の筋に確固たる必然性を持って出てきており、ただの風景描写ではないところが日本の作品だなと感じさせてくれますね。
(「桜」の物語にも書き込みましたが、蓮の花も非常に重要な役割を果たしていると思うので、こちらにも書き込みをさせていただきました。)
■花郁悠紀子『カルキのくる日』秋田書店

ある男を捜して辺鄙な村を訪れたステフェン。しかし、その相手は数日前に旅行に出かけ不在だった。あきらめきれずその男の住みかである城を訪問した彼は、探している男の子供たちと出会う。

黒い髪、黒い服を着たダナエ。金髪の少女エウロペ。心臓が少し悪いレダ。
母親の違う彼ら兄弟はどこかエキセントリックな雰囲気を持っていた。しかも、彼らの兄は銃の暴発でなくなったという。

当初の目的のために彼ら兄弟と城を探るステフェンの見たものとは……?

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文庫版には後日談あり。
■ナオミ・ノヴィク『テメレア戦記 ?』ヴィレッジブックス

とある出来事からドラゴンの孵化に立会い、担い手に選ばれたローレンスは、そのことから海軍から空軍へと転属することになった。
空軍での生活にも少しずつ慣れたころ、自分のドラゴン、テメレアが中国原産のドラゴンの中でも、大変に貴重な種であることが分かる。
中国はテメレアの返還を求め、ローレンスはテメレアと共に中国に行くことになるのだが……。

「日が昇るにつれて池の水面を日差しが北に移ろい、蓮のつぼみがバレリーナの群舞のようにつぎつぎにほどけていく。万蓮宮の名にたがわず、おびただしい蓮の花がたてつづけに開き、鮮やかな紅が濃い緑の葉に映えて、みごとな景観をつくりだした。」(p.421)

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ヨーロッパと中国のドラゴンの扱いの違いが興味深いです。

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