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501stCGUプロジェクトコミュのアズールレーン:第501沿岸警備隊 臨時紫波出張所日誌 #11 第9話:大先輩の休日、あるいは「えんじ色」の聖域

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「……集中、集中……。この0.1ミリのラインが、日本海の命運を分けるのだ……」
臨時紫波出張所(旧月ケ岡小)の2階、旧音楽室。
そこは今や、三笠が占拠する「模型製作室」と化していた。
かつての連合艦隊司令長官は、威厳ある軍服を脱ぎ捨て、「えんじ色のジャージ上下」に身を包み、拡大鏡を覗き込んでいる。
「……三笠さん。またそんな格好で……。少しは『大先輩』らしい格好をしたらどうだ?」
49歳の軍曹が、Kaepaのジャージ姿でコーヒーを差し入れに現れた。
「……ふん。軍曹、貴様に言われたくないわ。貴様こそ、その黒ジャージが皮膚の一部になっておるではないか」
三笠は極細筆を置き、やれやれと腰を伸ばした。
「……このジャージか? これは機能美だ。廃校の営繕、草むしり、そして模型塗装……。動きやすさと防寒、そして『汚れても心が痛まない』という合理性の極致よ。横須賀の堅苦しい制服など、この紫波の風には似合わん」
そう、三笠がジャージを愛用する理由。それは、4年前の移転時に、真っ先に「模型用コンプレッサー」を荷造りした彼女なりの、「余生(隠居生活)を全力で楽しむための戦闘服」なのだ。
「……で、今は何を作ってるんだ?」
「1/700の戦艦三笠だ。……それも、あの日……日本海海戦当時の、波の飛沫まで再現したジオラマよ。……ああっ、ディエゴ! 貴様、入るなと言ったそばから!!」
「わあぁ! 大先輩、このちっちゃい船、可愛いー! 歌のステージに飾っていい!?」
ドタバタと乱入してきたサンディエゴが、完成間近の船体に手を伸ばす。
「……貴様ぁ!! それに触れてみろ、今すぐ主砲(サンダーボルト)の錆落とし1000回の刑だッ!!」
「ひええっ!? 指揮官、大先輩の顔が、バルチック艦隊より怖いー!!」
逃げ回るサンディエゴと、ジャージをなびかせて筆を振り回す三笠。
その喧騒を、隣の部屋で茶を啜っていた綾波が冷めた目で見守る。
「……指揮官。……大先輩、……ジャージの方が、……若返ってる、デス」
「……そうだな。……ワシも、あっちの方が『三笠さん』らしくて好きだよ」
49歳の軍曹は、コーヒーを飲み干し、窓の外に広がる紫波の穏やかな山並みを眺めた。
えんじ色のジャージと、黒いジャージ。
この廃校には、そんな「飾らない絆」が一番似合っている。
(第9話・了)

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