芸術の日本　美術・評論を中心にコミュの「優れた日本庭園ランキング」を危惧する

メディアに度々取り上げられる、
米国専門誌による「優れた日本庭園ランキング」。
調べると、専門誌は「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」創刊は1998年で、発行人は米国人のダグラス・M・ロス(Douglas M. Roth)、海軍兵学校を卒業後、来日し、鎌倉で5年間造園修行を経て、米メーン州で日本建築家として活動しているらしい。
「優れた日本庭園ランキング」は、2003年以来毎年発表され、現在は30名前後の日米豪欧の専門家が評価しているそうだ。最新、2023年のランキング1位は、「足立美術館」島根、写真左、2位は「桂離宮」京都でランキング発足以来不動の1、2位だ。3位に「山本亭」東京がランクイン。こちらも10回以上3位らしい。
山本亭は葛飾柴又、寅さんの地元にあります。このランキングを見て来たのか、東南アジアの団体さんが楽しそうに写真を撮っていました。私は初めて訪れたのですが、「優れた日本庭園ランキング」第3位とはとても承服できない場所でした。
1位の「足立美術館」は、メディアでも度々取り上げられる、“昭和の小堀遠州”中根金作氏の作庭で、フランス庭園様式のような日本庭園で外国人に受けるのはわかります。2位の「桂離宮」も最初に世界に紹介したのが、ドイツ人の建築家ブルーノ・タウト氏ですから頷けます。3位の「山本亭」より、世界最高の日本庭園だと思っている「西芳寺(苔寺)」がベスト50にも入っていません。「金閣寺」「銀閣寺」「龍安寺」が観光客があまりに多く、静かに観賞できないので外した、には納得しますが、「西芳寺(苔寺)」「修学院離宮」「仙洞御所」がランクインしていないのはなぜでしょう？！
観光客が「山本亭」を訪ね、「六義園」にも「浜離宮」にも行かず、第3位の日本庭園だと認識して帰国するのはどうなのか…　
写真は、左から「足立美術館」「桂離宮」「山本亭」いずれも、ネット画像を借用しました。