ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 【寄稿】外来を閉めている場合ではない

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
国立循環器病研究センターが外来診療を取りやめ
日経メディカル 2020/03/10 森井大一(大阪大学感染制御学)

まだ地域によってばらつきはあるものの、いよいよ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の地域感染期に入ったところがどんどん出てきた。そんな中、3月7日に数少ない国立病院(独立行政法人の国立病院機構ではなくて)の1つである国立循環器病研究センター(以下、国循)が、職員に感染者が出たとして、外来診療を1週間取りやめると発表した。

医療機関、それも天下のナショナルセンターが職員一人の感染者が見つかった時点でこのような大きな機能不全を起こしていては、この先確実に訪れる感染ピークが思いやられる。もしや、一人の職員も感染することはないと想定していたのだろうか。あるいは、一人でも感染者が出たら、外来を1週間閉めて消毒作業に宛てると、“あらかじめ”決めていたのだろうか。

国循のホームページに掲載された文書によると、感染が確認されたのは50代の外来看護師で、症状はなく、患者や他の職員との濃厚接触もなかったという。これでどうして外来を1週間も閉めなければならないのか、理解に苦しむ。国循は、外来閉鎖の理由を外来エリアの消毒のためとしているが、いったいどんな特殊な消毒をするつもりなのだろう。

3月6日に厚生労働省がCOVID-19に関して、ピーク時の一日当たりの外来患者数、入院患者数、重症患者数の推計値算出のための計算式を公表した。この計算式を大阪府の人口に当てはめると、大阪府全体でのピーク時の一日当たりの外来患者数は約3万人、入院患者数は約1万5千人、重症患者数は約500人となる。この重症者だけに限ってみても、筆者が奉職する大阪大学医学部附属病院をはじめとする大学病院や大阪府内の主だった
急性期病院が一丸となって、人工呼吸管理やECMO等の極めて特殊で高度な医療を同時に提供する必要が出てくると予想される。

確かに事態は時々刻々と変化している。医療機関も状況が移り変わることを前提に準備し、対応しなければならない。ある日突然感染者が目の前に現れて、慌てふためくようでは話にならない。それが許されたのは、比較的早期の時点で患者と向き合わなければならなかった少数の医療機関だけだ。国内での感染の広がりが誰の目にも明らかとなったこの期に及んでは、全ての医療機関が、様々なパターンで感染者と遭遇することにつ
いて、シミュレーションに次ぐシミュレーションを重ねておかなければならない。そうそうのことでは果たされるべき機能を失うことがないように準備するのが、その医療機関を頼っている患者や地域に対する当然の責務である。

では、ピークはいつやってくるか。先の厚労省の発表によると「ピーク時は、各都道府県等において疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大した時点から概ね3か月後に到来すると推計されている」のだそうだ。例えば大阪では3月9日現在55例の感染が判明しているが、そのうち1割程度の疫学的リンクが追えない状況となっている。今を「疫学的関連性が把握できない程度に感染が拡大した時点」とするならば、大阪でのピークは6月頃に来ることになる。

その時でも、国循は、職員から感染者が出るたびに外来を1週間閉めて外来エリアを一生懸命消毒するつもりなのだろうか。

いや、一つの医療機関をあげつらうのはフェアではない。筆者の知る医療機関の中には、発熱患者の診療そのものを拒否している医療機関もある。その一方で、極めて限られたリソースの中でもフェイスシールドやガウンも含めた個人防護具の着用と工夫を凝らしたゾーニングによって、発熱患者の診療を維持している小さな医療機関もある。リソースが豊富にあり、真新しく広々とした新病院なら、本来はもっと対応が容易いことだ
ろう。

先に述べた国の推計が正しければ、数カ月後のピーク時にはCOVID-19の患者があふれかえることになる。そんな時でもいかにしてそれぞれの医療機関の機能を維持してゆくのかということを、医療機関ごとに、そして地域全体で真剣に考える必要がある。状況は待ったなしであり、小田原評定をしている余裕はもはやない。

目下のところ、多くの医療者が戦っているのは、マスク不足であり、検査したくてもできない状況であり、検査の優先度を無視して検査してほしがる患者であり、殺到する問合わせであり、患者発生時の対処方針の策定であり、今更ながらPPE(個人防護具)の着脱訓練である。これらの病態の本質は本物のウイルスとの戦いではなく、「コロナが来るぞ」という恐怖との戦いだ。

しかし、3月6日の厚労省の事務連絡が示したことは、本物のウイルスとの戦いがやはり避けられないという冷たくも重たい事実である。たった一人の症状のない陽性例が出ただけで揺らいでしまっていては、この先の戦いが心もとない。

https://medical.nikkeibp.co.jp/…/r…/t344/202003/564669.html…
id=nbpnmo_mled_html-new-arrivals

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見 更新情報

孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング