ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

アーティストインレジデンス/AIRコミュのレジデンスで実施するプロジェクトについて

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
レジデンスに応募するときに一番重要な書類のひとつとして、滞在中に実施するプロジェクトの計画書が求められている場合が殆どですよね。それぞれの施設によって独自のジャンルや運営方針の違いがあって、その特色もさまざまだと思いますが、それは応募する作家側としても、自分の創作の方向性に合ったレジデンスを選ぶ基準にもなるわけですね。

自分に合った場所を見つけてそこに応募するためには、当地で実施するのに相応しいプロジェクトを計画することになりますけど、はたして皆さんはレジデンスに行った先ではどんなことをやっていらっしゃるのでしょうか?。

このコミュでは各地のレジデンスの情報や運営上の問題点、滞在体験レポートなどは多数報告されているようですけど、実際に現地では滞在された方が具体的に何をやっているのか?、ということについては、あまり触れられていないような気がしました。

そこで、まだレジデンスを経験されていないけど将来応募したい、という方々もそうでしょうけど、経験のある私自身としてもこのコミュにいらっしゃる他のアーティストの方たちがレジデンスでいったいどんなプロジェクトをやっているのだろうか?ということに興味があるので、この場で皆さんの制作についての体験談を集めてみたいと思うのですが、いかがでしょうか。

コメント(9)

まずトピ立て人の私からですが、自分の制作の形態としては、主にインスタレーションなどの立体作品を作っていて、また、作品を単品で作ることは少なく、レジデンスに限らず、ある共通したテーマやコンセプトに基づいて計画される複数の作品から成る「プロジェクト」としてそれぞれがひとつの完結したものになる場合が多いのです。それから展覧会などをやることで、ある展示スペースに設置されて初めて作品として成立するというものもよくあります。

作品のジャンルとしては、近年は特にキネティックや音響インスタレーションなどを作ることが多かったので、今年滞在した北欧の2つのレジデンスでは、その両者を融合した作品を3点作るための「キネティック・サウンド・アート」というプロジェクトを実施しました。

この企画はもともと「テクノロジーとそのリスク」というテーマで今年実施を予定していた2つのプロジェクトのうちのひとつで、テクノロジーと言っても何も最新のハイテク機材を駆使して、というのではなくて、「テクノロジーという分野は主に物理学という学問をベースに成り立っている」という観点から、専門家にしかわからないテクノロジーではなくて、技術的な詳細を知らない素人でも視覚的に見てすぐにわかるような、例えば電気が流れてモーターが回り、メカニズムが作動して物体が動き、その物と物がぶつかることによって音が発生する、という原理をメイン・コンセプトとして作品の計画を立てしました。

作品の詳細や、写真などは滞在当時の日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=202293850&owner_id=2934213

と、私が立てた「フィンランドのArtist in Residence」というトピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=9034919&comm_id=61452

にも載っているので、そちらをご参照ください。

それから私の今までの作品は殆どが一度作ってしまえばそれで「ハイッ、終わり」、だったのですが、今回のプロジェクトでは、同じ作品でも展示する空間によって全体の仕上がりや形を変化させることができて、いろいろとフレキシブルに作り変えることができるようにもなっています。

制作の途中でいくつかの技術的な失敗やトラブルもありましたが、この手の実験的な制作の場合には必然的に付き物なので仕方がありませんが、それでも大過なく一応全部の作品を一通り計画どおりに完成させることができたので、とりあえずはよかったと思いました。
T.M.さん
いつも熱心な書き込みありがとうございます。
このトピック面白いと思いますので、トップページに
リンク貼らせて頂きます。ありがとうございます。

皆さんレジデンスの応募にはいろんな提案をかかれてると思いますが、私自身のことを考えると応募の際作品制作の方法論は書きますが何をつくるということはあまり書かないようにしています。
審査の際純粋に過去の作品を見て欲しいのと、滞在先についてからできればつくるものを考えたいからです。
レジデンスの醍醐味はその地でインスピレーションを受けてその地に合わせた作品をつくるようなところもあると思っていて、ある意味そういうことも含めて楽しんでます。

先日、本コミュニティでもトピックで立ち上げた通り
香港での一ヶ月間のレジデンスプログラムを企画オーガナイズしました。
キュレーター及びアーティストとしても参加しましたが一ヶ月という期間は前述のような形で考えるには非常に短い時間であアーティストには相当な集中力と瞬発力が必要になると実感しました。
プロジェクトの詳細:
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=297660803&owner_id=193494

香港滞在前にアイルランド現代美術館にやはりレジデンス滞在しました。期間は三ヶ月間でしたがこの位の期間は現地でインスピレーションを受け作品を実現するにふさわしい期間だなと思いました。
プロジェクトの詳細:
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=269078790&owner_id=193494

他に
ニューヨークのISCP滞在時に作った作品:
http://shiromasuyama.net/openingpage.html

ウィーンのAIR-Vienna滞在時に作った作品:
http://shiromasuyama.net/7dayspage.html


トップはベルリンのベタニエン滞在時に作った
ParkyPartyです。
そんなところでしょうか・・。
>おじんがーMさん

このトピックを歓迎していただけたようで、私も嬉しいです。

確かに滞在する期間によってもやることって結構変わってくるでしょうね。長ければ現地で作るものをじっくり考えられるでしょうけど、短いともう本当に行く前からやることを綿密に計画して・・・、みたいに私なんかは構えてしまいそうです(笑)。

自分の場合、応募先によっても計画書の体裁はまちまちですが、選考する主催者側に少しでも具体的に何を作るのか、ということを把握してもらうために、ときには3D−CGを使って作品の詳細な完成予想図のイメージをモデリング・レンダリングして応募するときに提出することもよくあります。もちろんこれも良し悪しがあるでしょうけど、ただ、これはあくまでもイメージなので、現地でもそれと全く同じように作るということはしないで、もちろん製作の過程で変えていく場合もあります。

前述の音響インスタレーションについても、実はタイマーの作動メカニズムを最終的にどう制作するかについては出発前にまだ決めていなくて、現地に入ってから決めたら、フィンランドの田舎町だったので、現地でそれに必要な電子パーツなどが入手できないから、慌ててドイツにいる友人に頼んで買って送ってもらったことがありました(苦笑)。

まあでも制作を進めていくプロセスの中で、そうやって変わっていく可能性を残しておいたほうが、レジデンスといういつもと違う場所で作るというその意義を考えれば、作る自分にとっても楽しみが多くなっていいのでしょうね。
あまりレジデンスの経験がないのですが、もし私がレジデンスに参加出来たらぜひやってみたいことがあります。それは中国の出来れば南京が良いのですが、南京の町で鯛焼きを焼いて道行く人に配ってみたいのです。鯛焼きも普通の鯛焼きと違って、私が現在取り組んでいる「羽根プロジェクト」の形体で行いたいのです。あらかじめその形をした鯛焼きの型を作っておかねばなりませんが、その形の鯛焼きを現地で作る。
「羽根プロジェクト」とは折り鶴の羽根をかたどったもので、私が1999年より始めたプロジェクトです。普段はいろんな素材を使って羽根を作っているのですが、こと中国に限って、鯛焼きの形をして町で道行く人に売って反応を見てみたい。
かつて中国を侵略した日本軍の行程をなぞりながらそれぞれの町で行ってみたいと考えています。
最終地は南京。
ただ今のところ南京にはレジデンスの情報がなさそうですし、具体的な計画にはほど遠いので、夢の段階でしかありませんが。
どなたか南京や中国に関しての情報をお持ちでしたらお知らせ下さい。
>hkながのさん

上に書かれているプロジェクト、面白そうですが、そういう企画だったら何もレジデンスという枠にこだわらないで、違う形で実施するという方法もあると思いますよ。

レジデンスというのはもうすでに存在する運営機関や施設がアーティストを招待して、そこの運営方針の枠の中で作家が何をするか?、と考えるものですから、もうすでに特定のプロジェクトを実施する場所が決まっていて、そこにあるレジデンスは?、と探しても結局は無い物ねだりになってしまって、せっかくのいい企画もお流れになるかもしれませんよね。

海外でアートのプロジェクトを実施したいのならば、まずその国の大使館や領事館の文化関係の担当部署に問い合わせる、という方法もあります。企画の実現に資金が必要ならば、日本の企業系の財団などに助成金を申請すればいいと思います。

それから姉妹都市提携を利用する、という方法もあります。南京と日本のどこかの都市が姉妹都市提携をしているのかどうかはわかりませんが、日本全国の姉妹都市を全部網羅した一覧表を公開しているサイトがあるので、それで調べればいいでしょう。

実は私も今自分の住んでいるケルンとフィンランド南西部の都市トゥルクが今年姉妹都市提携40周年になるので、それを記念してケルンとトゥルク在住のアーティストの交歓展を実現しようかと考えているんです。まあこれも実際には助成金が取れるかどうかに左右されるので、今のところどうなるかわかりませんけど。
T.M. さんの提案とても参考になりました。
私の住む長野県には長野市に松代大本営の地下壕が残されており、また、松本市には戦時中女性スパイとしてさわがれ、戦後中国政府によって処刑された清朝の皇族の娘、川島芳子の墓が残されています。
それらとのかかわりの中で中国大陸と関われたらと思っています。機が熟せば中国の大使館や領事館に問い合わせてみます。
ありがとうございました。
こんにちは。

今回は先月ノルウェーのトロンハイムにあるレジデンスLademoen Kunstnerverkstederに滞在したときに実施した私の展示プロジェクトを紹介したいと思います。

先日あのレジデンスについての別トピックにも書いたように、私が当初予定していたプロジェクトは、ここからオファーを受けた滞在期間が、自分が応募時に希望したより短い1ヶ月間という短期だったので、それでは作品が完成できない、ということで急遽変更することになったのですが、何しろ物価も高いノルウェーでのこと、結局「なるべくお金をかけないで、なおかつ効果的なことをやろう」という方向で作品を作る計画を立てることになりました。

まずは色とりどりの厚紙を使って作ったペーパー・アーキテクチャーの作品。折りたたみ式で封筒に入れて持ち運びができ、展示をする現地ですぐ立体作品に組み立てられるので便利でした。自分は展覧会が終了するまで現地に滞在できなかったので、作品を郵送で送り返してもらうためにも好都合です。滞在期間を1週間に切り詰めた都合もあって、これらの小立体作品は現地のレジデンス入りする前にほぼ全部完成させて持っていきました。

それからもうひとつは唯一現地で制作したもので、VHSのビデオ・カセットを使って展示室内の天井と床の間に黒いビデオテープの帯を等間隔に張り巡らせて列柱を作るというインスタレーションの作品を丸3日間の直接現場施工で完成させました。その作品のタイトルも「ビデオ・インスタレーション」!?。ただし、いわゆる「ビデオ・インスタレーション」とは全然違うという、言葉の遊びというか、ちょっと見る人をおちょくったような作品です(笑)。でも結果的にこれが展覧会のメインの作品になったような体裁になりました。

両方の作品に共通性を持たせるために、ペーパー・アーキテクチャーの作品は全てVHSのビデオテープの幅と同じ12,5ミリの幅のストライプをモジュールとして使い、個々の作品の構成もそれに合わせて考えて作りました。というわけで、展覧会タイトルも“Story of the module 12,5”。この“Story”という単語は「物語」という意味と、そのモジュールを集積して作った「層」という意味の二重の意味を含んでいます。

ペーパー作品のストライプの幅はビデオテープの幅に由来しているけど、でも実際にはこれらの作品を見た人の大部分は、はたしてそんなことには気が付くのだろうか?、という問いかけをすることがこのプロジェクトの意図でもありました。ひとつのストライプにこだわるという点では、なんだかダニエル・ビュレンみたいなことをやってしまいましたねえ(苦笑)。

結局このプロジェクトのために使った材料費は紙代の5ユーロとビデオ・テープ代の7ユーロで合わせてたったの12ユーロ。いずれも出発前に本拠地ドイツで買って持って行った材料です。いつも材料費がかかりすぎて困る私の作品にしては、まれに見るコスト・パフォーマンス(!)でした。むしろ現地へ行く旅費のほうがずっと高くついてしまったという、ちょっと皮肉な結果にもなりましたけど・・・。

このレジデンス滞在では、滞在期間の都合で最初に予定していた作品が作れずに急遽この代替の作品を計画する羽目になって余計な仕事が増えたので、それに対する不満もありましたけど、逆にいざそういう場合のためにアーティストも時には機転を利かせて、半ば即興の瞬間芸的に作品を作ってピンチを切り抜ける術を会得する必要もあるのかなあ、ということを改めて考えさせられて、それをここで実践できたことは、自分の活動上のひとつの収穫であったと言えるかもしれません。

写真左:ペーパー・アーキテクチャーの壁面立体作品
写真中央:展示室内で直接現場施工で作った「ビデオ・インスタレーション」
写真右:同インスタレーションのディテール上下
2月中旬〜3月中旬にかけて
日本に香港アーティストを招いて、レジデンスプロジェクトを企画実施しましたが、香港アーティストたちが製作した作品は以下のようなものでした。
興味ある方は日記をご覧下さい。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=407424559&owner_id=193494

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

アーティストインレジデンス/AIR 更新情報

アーティストインレジデンス/AIRのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。