ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

スクラップブック・アゲハコミュの <消費増税>国の対策は未知数 中小企業へのしわ寄せ一段と

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
<消費増税>国の対策は未知数 中小企業へのしわ寄せ一段と

毎日新聞 8月10日(金)20時56分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120810-00000092-mai-bus_all

 消費増税法の成立を受け、住宅や自動車、小売りなどの各業界からは経営への影響を懸念する声が上がった。立場の弱い下請けの中小企業も、製品価格に増税分を転嫁できるか危機感を強めている。政府は住宅購入の負担緩和策や中小企業対策を講じる方針だが、消費や企業経営に深刻な影響を及ぼす可能性があるだけに、実効性が問われる。【清水憲司、鈴木一也】

【表でみる 一体改革で暮らしはどうなる?】

 「私たち末端にしわ寄せが来る。デフレ脱却もまだなのに、傷にからしを塗られるようなものだ」。大阪府大東市のばね製造メーカー社長(59)は、消費増税に危機感を募らせる。安価な海外製品との価格競争の中、元請け企業から増税後も増税前と同じか安い価格で納入するよう求められかねないからだ。「良いものを作っている仲間が倒産するのは見ていられない」と嘆く。

 枝野幸男経済産業相は10日の記者会見で「下請けは転嫁できなくても、なかなか実態を自ら表に出せない」と指摘、対策に取り組む考えを強調した。

 政府は、税率引き上げ時に中小企業が増税分を価格に転嫁できるよう、同業者と共同で取り決めを行う「転嫁カルテル」を認める方針だ。立場が弱くても結束することで価格転嫁を少しでもやりやすくするのが狙いだ。しかし、業界団体などが対象で、団体に所属していない多くの中小零細企業に役立つかは疑問が持たれている。

 また、公正取引委員会や中小企業庁は下請け業者が不当な扱いを受けないよう監視態勢を強化するが、下請け企業は取引が切られることを恐れて、なかなか公取委に訴え出ることができない。「納入先は安く安くの一点張り。価格転嫁なんてできるはずがない」(東京・大田区の中小企業社長)との声は根強い。

 日本商工会議所などが懸念するのは、1年半という短期間に2度の増税が行われ、便乗値上げが懸念された過去の増税とは対照的に、今回は強い価格下落圧力の中で増税が行われることだ。日商などが昨年実施したアンケートでは、売上高5000万円以下の中小企業の約6割が「販売価格に転嫁できそうにない」と回答している。

 ◇需要の急減を懸念…住宅販売

 増税は高額な買い物ほど響くため、住宅の関連業界の不安は高まっている。

 消費税率が3%から5%に引き上げられた97年4月を境に、住宅需要は激変した。国土交通省がまとめた新設住宅着工戸数によると、96年度は前年度比9.8%増の163万戸と大幅に増加。増税を見据えた駆け込み需要が大きかったためで、その後は急速に冷え込み、97年度は17.7%減の134万戸、翌98年度は12.1%減の118万戸と深刻な影響が長期化した。「今回も駆け込み需要の後の大きな反動減は避けられない」(旭化成ホームズ)との見方が支配的だ。

 住宅関連はハウスメーカー、建材や住宅設備メーカー、工務店など業界の裾野が広く、政府も「住宅対策がなければ、景気に悪影響を及ぼしかねない」(国交省幹部)と懸念、住宅ローン減税など住宅取得時の負担軽減策を年内にも決める意向だ。ただ対策はまだ明確になっておらず、ハウスメーカー最大手、積水ハウスの和田勇会長は「国民の不安を取り除くため、消費税率5%を超える部分について還付または給付するなどの措置の早期具体化を求めたい」とコメントしている。【宇田川恵】

 ◇所得税廃止を要求…自動車業界

 自動車業界は、消費増税でユーザーの税負担が増して車離れが加速しかねないとして、消費税率が8%に引き上げられる14年4月までに、自動車購入時にかかる取得税や重量税の廃止を求めている。

 新車購入時には原則、消費税とは別に、本体価格の5%分にあたる自動車取得税(軽自動車などは3%)や自動車重量税(0・5トン当たり2500〜4100円)がかかる。自動車業界は国内販売の頭打ちが続いており、現状のまま消費税率が引き上げられれば、売り上げの大幅低下を招き、国内の生産・雇用体制維持が難しくなると主張。日産自動車の志賀俊之最高執行責任者は「消費税アップが購入価格のアップにならないのが基本だ」と2税廃止を訴えている。

 ただ、2税の税収は年9000億円程度あり、代替財源のないまま廃止すれば、消費増税による財政健全化効果を減らしかねない。また、15年4月までの暫定措置ではあるが、一定の燃費・排ガス基準を満たす自動車の取得税と重量税を50〜100%減免する「エコカー減税」もある。一律に廃止すれば環境対応が遅れた外国車の販売まで促進され、地球温暖化防止にも逆行する。【小倉祥徳】

 ◇前回は消費低迷…流通・小売業界

 流通・小売業界では、消費増税で「景気が悪化し、消費減少に直面する可能性が高い」(鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長)との懸念が根強い。

 97年4月に消費税が3%から5%へと増税されたが、97年の全国の百貨店とスーパーの売上高は前年比2.8%減を記録。96年の売上高は百貨店で5年ぶりに、スーパーでも4年ぶりに前年実績を上回っていたが、増税された97年4月以降は消費が低迷した。

 業界には今回の増税に対し、「国の現状を考えるとやむを得ない」(大西洋・三越伊勢丹ホールディングス社長)との考えもある。しかし、過去の苦い経験があるだけに、「今回も一定の駆け込み需要は期待される。増税は2段構えで、その影響は読めないが、増税後の落ち込みの方が心配だ」(百貨店幹部)と警戒感が強まっている。

 一方、流通・小売業界では震災以降に経営環境が悪化し、業界再編の動きが出始めている。

 「増税は震災で打撃を受けた業者の体力をさらに奪い、進み始めた再編に拍車をかけるだろう」(大手スーパー幹部)と受け止められている。【立山清也】

 ◇財界3団体「歓迎」の意向を表明

 財界3団体は一体改革関連8法案の成立を受け、そろって「歓迎」の意向を表明。併せて経済成長との両立に向け成長戦略や社会保障制度改革の推進を訴えた。

 経団連の米倉弘昌会長は法案成立を「高く評価する」とし、「国益を重視した3党党首はじめ関係者の努力の結果」だと称賛した。経済同友会の長谷川閑史代表幹事は可決判断への敬意を表しつつ「これはあくまで一体改革の始まり」とも強調。「持続可能な社会保障制度の確立に向けた議論」に速やかに移るよう求めた。日本商工会議所の岡村正会頭は消費増税に理解を示す一方で「景気や経済、中小企業経営に大きな影響を与える」との懸念も表明。デフレ対策や価格転嫁対策に万全を期すよう求め、複数税率の導入には「中小企業に更なる負担増を強いる」として反対の意向を示した。【宮島寛】

 ★過去の価格転嫁対策 中小企業が仕入れにかかる増税分を取引価格に転嫁できなければ経営が悪化し、増税への国民の理解が得られにくいため、政府は89年の消費税導入時と97年の税率引き上げ時に価格転嫁を円滑に進めるための対策を実施した。

 導入時には、通常は独占禁止法で禁止されている「転嫁カルテル」を3年間限定で容認した。事前に届け出れば、同業の企業が増税分を横並びで価格に上乗せすることを認めたものだ。

 また、89年と97年に、発注企業が下請け企業に対する優位な立場を利用して価格転嫁を拒むのを防ぐため、公正取引委員会や中小企業庁が相談窓口を設置。発注企業と下請けへのアンケート調査も実施して、不法行為の抑止を図った。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

スクラップブック・アゲハ 更新情報

スクラップブック・アゲハのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング