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Rossini ロッシーニコミュのロッシーニはエルル

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本日2018年7月13日エルル(Tiroler Festspiele Erl)でロッシーニの「エルミオーネ」が上演された。エルルというとワーグナーを想起される方が多いと思うが、ここのロッシーニはめっきり良い。私は3年前からここのロッシーニを見始めたが、いずれも最高水準のものだったと思う。
2016年は「ギョーム・テル」。この公演は2013年のフローレスがアルノルドを歌ったペーザロ(Rossini Opera Festival)のものに迫るものだった。「迫る」と表現した意味は、演奏面では引けを取っていなかったがバレエの振付がペーザロは実に良かったのだ。この作品はグランド・オペラと分類されるものなのでやはりバレエが重要だからだ。
2017年は「セミラーミデ」。これは間違いなく世界最高峰。演出も歌唱も圧倒的に素晴らしい公演だった。「セミラーミデ」は今年2月にMETで上演(ライブ・ビューイングで日本でも上映)されたのでロッシーニ・ファンであればご覧になった方も多かったと思います。素晴らしかったと言う方がほとんどだと思いますが、エルルのものはそんなも次元のものではなかった。セミラーミデを歌ったマリア・ラドエヴァが何とも妖艶な衣装で素晴らしい声を聞かせてくれたし、その他の歌手たちも素晴らしかった。おまけに演出が分かりやすく、ドイツ語字幕だけで充分ついていけた。そして今年の「エルミオーネ」。この作品は2008年にペーザロで上演されたが、私は2010年からロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルに行くようになったのでこの公演は観ていない。そしてこの作品はBDではリリースされておらずDVDで何種類か出ているのみである。しかしラッキーなことにNHKで放映されたものをBDにダビングしていたのでそれを観て今日の公演に臨んだ。その結果はかなりの差。エルルでエルミオーネを歌ったのは昨年セミラーミデを歌ったマリア・ラドエヴァ。今年も実に魅力的な容姿で超絶技巧を披露してくれた。一方ペーザロはソニア・ガナッシ。歌唱力はともかく、舞台映えが全くラドエヴァにはかなわない。アンドローマカのスヴェトラーナ・コティナも容姿も歌唱力もペーザロのマリアンナ・ピッツォラートより魅力的だ。そしてペーザロではオレステを大好きなアントニーノ・シラグーザが実に素晴らしい高音と甘い声を披露していたが、今日のユーリー・チョバーヌIurie Ciobanuの方が役にはまっていたと思う。唯一ピッロを歌ったフェルディナンド・フォン・ボトマーがペーザロのグレゴリー・カンディに負けていたように思う。カンディは実に自信に満ちたピッロを演じたが、エルルの方は少し頼りないピッロを演じていたせいもあるだろう。それと舞台の後方に行くと聞こえにくいという点もマイナスだった。エルルでピラーデを歌ったフイ・ジンも素晴らしい声量で聞かせてくれた。彼は昨年の「セミラーミデ」でもイドレーノで実に素晴らしかった。将来もっと大きな役が割り当てられる気がする。それからフェニーチョのジョヴァンニ・バッティスタ・パローディ。第2幕のピラーデとフェニーチョの二重唱が圧倒的に良かった。とにかくエルルのものはわき役やコーラスまでスキがない。
ちょっと変なところはアンドローマカの息子のアスティアナッテ(黙役)が出てこず、ソリストたちが皆白い子供の人形を持っていたこと、そして皆がショルダー・バックを肩から下げていて、その中にその人形を入れたりしていたこと。ちなみにペーザロの指揮はロベルト・アバード、エルルはグスタフ・クーン。とにかくエルルではロッシーニが実に楽しめる。
ロッシーニはこの作品で序曲と劇を一体化したと言われる。序曲の中に合唱を入れたのもそのためだ。そしてアバードは序曲から第1幕第1場を途切れなく演奏しようとしたが、ペーザロの観客は演奏中にもかかわらず拍手した。エルルではここでの拍手はなくスムースに第1場に移行した。しかしその後は素晴らしいアリアの後に拍手が入ったのは言うまでもない。ロッシーニは「拍手」についてどう考えていたのだろうか
来年のプログラムは未だ発表されていないが、ロッシーニを上演すればぜひ観たいと思う。
ここでエルルのロッシーニを大いに称揚したが、ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルの存在意義は実に大きいと思っている。ただし昨年からアレーナでの公演が2作品、ロッシーニ劇場での公演が1作品と逆転している。収支の問題でこのようになったとは思うがぜひ元に戻してもらいたい。それと最近の演出は実に良くない。以前の演出の再演を希望する。
ちなみに今年のロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルのオペラ公演は8月11日から22日の毎日で演目はフローレスの出演する「リッカルドとゾライーデ」、ロッシーニ劇場で上演の「アディーナ」、そして脇園彩がロジーナを歌う「セヴィリアの理髪師」である。もちろん私はこの3本を観る予定だ。

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