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■危機管理@放射能情報倉庫コミュの「倫理の欠如」 参院予算委員会の公聴会 2

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■「倫理の欠如」 参院予算委員会の公聴会 1
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=68943617&comm_id=5524954

つづき

ここから村田光平・公述人に対する質疑に入ります。
●00:43:52〜


外山斎(いつき)議員(民主党):民主党の外山斎でございます。今日は公述人のみなさま、貴重な後述をありがとうございます。それでは村田公述人に、ご質問をさせていただきます。

さきほど、福島第一原発の4号機が、大変危ないというお話がありましたが、私たちも震災発生後、また原発事後が発生した直後から、この4号機の問題に関しては、大変、危ないんじゃないかというふうに、いろいろ議論をさせていただいております。

その中で、ずーっと思っているのが、この福島第一原発4号機の問題というには、たぶんすべての、日本全国の原発に同じような状況が起こる可能性があるのではないかというふうに思っております。ただ、残念ながら、我が国は最終処分場も含めて、使用済み核燃料の処分場が決まっておりませんが、今、この4号機と同じような核燃料プール、他の地域のですけれど、それをどのように対応しなければならないとお考えでしょうか。

村田光平公述人:
ご指摘のように、すべての原発に共通の問題でありまして、あまり知られていない事実は、これから数十年にわたって、厳密な管理をしていかなければ、いつでも大惨事が起こりうると。
そういうことでございます。

そういうな中で、私が二つを特記しましたのは、この二つが即、世界全体に及び得るという点で、緊急の対応を必要とする、そういう主旨でございます。

それにしても、なんと未来の世代の代表となるべく志してきた立場の者としまして、この廃棄物に象徴される倫理の欠如、これは真剣に反省しなければならないと、そのように信じております。


外山斎議員:
お答えを、ありがとうございます。まあ、六ヶ所の問題もあるわけですけれど、核燃料サイクル、私は、どちらかというと大変厳しい状態に置かれているのではないかな、というふうに思っております。しかしながら、どんどん使用済み核燃料というものが増えてきております。
最終処分場が、この国にはまったくない中で、最終処分場の候補地として手を挙げようかなとすると反対の住民運動が起こる。

ただ、これを外国に持っていけばいいという話もありますけれども、私は、そういう無責任なことはできないのではないのかなと思っております。どのように最終処分場を含めてですね、我が国としては、解決をしていかなければならないのか。どのようにお考えでしょうか。

村田光平公述人:
そもそも、このような放射性物質を作ることをすぐに止めなければならないはずであります。
その原点に立って、ものを考えなければ解決しない問題だと思います。私は、夏までにも、脱原発政策の日本政府としての政策を確立して欲しいということを私は叫んでおります。そういう政策の確立がない限り、たとえば電気料金が上がるにしても、それをやれば、福島のような事故を避けられるという考えであれば、国民も納得して高い電気料金を払うはずであります。

しかし、脱原発政策の確立なしには、解決はありえないと思います。そして、廃棄物の問題も、まさにそうだと思います。そして、この現状が続けば続くほど、たとえば再処理工場は1日で原発が1年に放出する放射能を出すという、それほど危険なものであります。事故が起きなくても、近辺に害を与えているわけでございます。この放射能の持つ倫理性、本当に真剣に考えるべきだと思います。

倫理の欠如、不道徳という問題でございます。


●02:13:53〜

浜田昌良議員(公明党):
村田公述人に、北朝鮮の問題をお聞きしたいと思っているんですが、いわゆる北朝鮮のミサイル発射というんですか、人工衛星打ち上げ問題があります。その中にあって、3月26、27日にソウルで核セキュリティ・サミットがあるんですね。6ヵ国協議の北朝鮮以外の5ヵ国が集るんですよ。このときに、どういうメッセージを出すのか、求められているんですよ。

そういう意味では、核廃絶を進めておられる中にあって、この核セキュリティ・サミットで、どういうメッセージを日本が主導しながら出すべきかについて、ぜひ、お答えいただきたいと思います。


村田光平公述人:
私の立場は、一貫しております。北朝鮮に、核の問題で日本が迫る際に、今の日本のダブルスタンダードの恩恵を受けている日本の立場では、説得力を持ち得ないと思います。そして、福島事故を経験した今こそですね、民事・軍事を問わない核廃絶を伝えるべきだと、私は先ほど、夏前までに、と言いましたが、次の会議までにもやるべきではないかと。

そして、先ほど申しましたように、今の本当の危機的状況というのは、脱原発を早める状況になりつつあると。世界は、日本の実態を知り尽くしたんです。一週間前は、ドイツが原子力ムラの衝撃的なものを放映しました。多くの友人から衝撃を受けたと聞いております。もう福島は世界の問題になったと。そういうことでございます。


●02:16:10〜

小野次郎議員(みんなの党):
みんなの党の小野次郎です。村田公述人にお伺いしますけども、昨年末にわが国会は、日本と4ヵ国の間の原子力協定を承認しました。それは、ヨルダン、ベトナム、韓国、ロシアでございました。この原発輸出に関連する協定なわけですけれども、他にも報道ではトルコ、リトアニアなどとも政府は協議を開始しているようでございます。

こうした原発輸出先国について、私は自然災害による事故、福島の場合には、少なくとも原油は自然災害から始まったわけですけれども、このリスク以外に、原発の耐用年数っていうのは、造り始める段階から終わりまでを考えれば4、50年あるわけですけれども、この非常に長い時間にわたってですね、当該地域が武力紛争とかテロに巻き込まれるリスク、これ我が国の国内と比べたら、比較できないほど高いものがあると私は認識してます。

それは、言葉を換えれば、新たなその地域の緊張要因を我が国自らが作り出すという恐れもあると心配しているわけですけれども、この点について、公述人は、どのように認識されますか。


村田公述人:
ただ今の小野先生のご懸念、私、まったく賛成いたします。そして、福島の教訓の一つは、先ほど申しましたように、いかに原発というものが脆弱であるかと、燃料プールを狙えばいいと、電気を断てばいいと。それ大惨事と。そういう状況でございます。そういう中で、この原子力協定の問題とは、とうていあってはならない倫理の不足を反映していると。これを変えるというのは、今、すでに盛り上がりつつある世論だと思います。

今や、経済重視から生命重視への大きなパラダイム・シフトを福島原発は世界に起こしつつあるわけです。そして、ウクライナ政府の発表によれば、チェルのブイリの犠牲者の数は、最終的に病気になった260万人と。そのうち、子供は60万人。こういうものが、悲しいかな日本でも出てくるわけでして、世論は、今のような日本の不道徳を認めることはありえないと。時間だけの問題だと、そのように考えております。


小野次郎:
続けてお伺いしますけれども、村田公述人は、六ヶ所村の再処理工場についても心配、危険性を大変指摘されていますけれども、それにも関連すると思うんです。日本では核燃料サイクルが完結していないわけですね、できあがっていないわけです。

国内が難しいからとって、じゃあ使用済みの核燃料を海外で再処理するという方式については、どう評価されるか、特に4つの協定と僕が言いましたけれども、このロシアとの原子力協定と言うのは、別にロシアに原発を造ってあげようと、というのではないんですから、むしろ日本の核燃料の再処理をロシアでするための協力協定だと言われています。

そうした日露の原子力協定なんていうのは、特に私たちが進めようとしている脱原発には、まったく逆行しているという指摘もあるんですけれども、これについて、公述人はどのように認識されますか。


村田公述人:
まったく、お考えに賛同いたします。そして、これはさきほどの協定の問題とまったく同じであるということが言えると思います。そして、そのようなことを、この日本の国民が認めることにはならないと確信しております。


小野議員:
こうした我が国の原発輸出の−初対面なんですけれども、こうして意見が一致することもあるんだな、と思うんですが−外交政策ですね、ある種の、次々とこうして協定を結んできているわけですから。こういった原発輸出政策と言うのは、去年の福島の東京電力の原発事故の後の放射能汚染の問題というのは、依然として国内では、大きな問題であるにも関わらず、こうやって海外には進めていっているという方向性について、地球規模で考えて公述人は適切な方向だと思いますか。


村田公述人:
私は2004年に、「日本の命運を左右する電力会社」という文書を指導層に提出しました。それからしばらくおいて、スマトラの津波の後、この日本における85メーターの例、カナダにおける500メーターの津波の例を挙げて、海岸にある原発のすべての危険性を指摘しました。この意見を、いささかでも聞き入れていたならば、福島は防ぎ得たわけです。私は痛感しました。

これは原子力独裁というものが日本にあるんだ、と。そして、その独裁体制は、いまだ残存していると。悲しいかな、残存しているわけであります。だからこそ、さきほどご指摘の諸問題が、まかり通っている、ということであります。しかし、もう限界であります。福島の事故は、これに終止符を打つための、すでに兆候が始まっております。

ということで、ある意味では、私の資料でも差し上げました、この「母性文化への潮流」というものは、オバマ大統領がその旗を振って、歴史的役割を果たしつつあるわけですが、すべての独裁を終焉さしめるという方向で、働き出していると。これは、時の流れが、すでにいつくか実証している例もありますが、そういう母性文明、母性文化という流れの中で、今のこの原子力ムラの残存が見られる諸政策は、必ず頓挫すると確信しております。


小野議員:
村田公述人は、この国連倫理サミットに向けて、いろんな方と交流されておられるようですけれども、どういうコンセプトの、サミット級の会合をイメージされておられるのか、分かりやすくご説明いただきたいと思います。


村田公述人:
そもそも、この働きかけを始めましたのは、さきほど言及いたしましたバーゼル世界大会で、私の演説が評価されまして、私が窓口となって、当時の国連事務総長に働きかけると。そして、その趣旨は倫理の内容を討議するのではなく、倫理の重要性を想起するものです。そういうことで地球倫理国際日というものを、そのサミットで定めようと。

そして、今年出した私の関係する学会の研究アピールで3.11を地球倫理国際日にしようという呼びかけを始めているわけであります。そして、具体的には、今年9月の総会にオバマ大統領がイニシャティブをとって、その場で、このサミットを実現すると。オバマ大統領は、このプラハ演説以来、まだ世界が待ち受けている第二弾が出てきていないわけです。

そのフォローアップとして、9月の国連総会における国連倫理サミットを実現すると。そのイニシャティブをとるために、駐日ルース大使にお願いしているところであります。


小野議員:
ちょっと話題を変えますけれども、村田公述人にお伺いしますけれど、今、日本国内は原発再稼動、いつ、どこから認めるかという話になっています。そのロジックは簡単でございまして、この原発50基近くあるすべて止めたままにしておいたら、日本のエネルギーは賄えないという問題があり、一方で電力料金の値上げ、このままでは値上げをして、燃料価格の高騰のために高くなっちゃうよ、という、国民には、「どうするんだ」と投げつけられている状況にあります。

しかし、同時にこれは日本国内だけの内向きだけの損得勘定だけで、良いか悪いか結論を出せる問題ではないと私は思っているんです。それは、国際的に日本が去年の事故を経て、1年経った今、どういう評価を得ているかっていうことを、ちゃんと認識した上で、国民が決めていかなければいけないことだと思うですね。それで、お伺いしますけれども、事故の再発防止、それから日本国産の食料品、農産物の安全の確保。

そして去年から1年経った間に、この原発事故に対する事故収束の能力、技術等について、我が国の能力は十分に国際的な信頼を回復していると認識されますか。


村田後述人:
まさにそれとは逆でございます。世界は日本の経済重視の姿勢が、まだ生命重視に転換していないと。その犠牲になる恐れを抱き出したんではないかと見ております。さきほど、ご紹介しましたアメリカの議会の公聴会、軍事委員会を求める動きといったものに、すでにその兆候が表れております。ドイツの微に入り細をうがった原子力ムラの実態の紹介と、さらに世界的に権威のあるネイチャー誌が、例の黒塗り資料提出の問題について、表紙でですね、それを露出すると。

このようにすでに地震原因説がほぼ確立している状況の中で、この安全と認定する信用のおける機関も存在せず、そして、その地震原因説に対する手を打つこともなしに、再稼動するなど、とうていありえないはずであると、そのように確信しております。


小野議員:
まあ、私もあんまり倫理といっても、人に倫理を説くほどの人間ではありません。悩みの多い人間ではありますけれども、ただ、言えるのは、誰も他人に対して、他人が不安に思うことを、あたらめてやってはいけないというのが倫理というのか当然の条理だと思うんですね。そういう意味で、原発再稼動を日本が急げば、その国際的信頼が回復していないまま、それをするならば、やはり周辺の諸国に、というか世界中に不安を感じさせる心配があるんじゃないか、ということがひとつ目。

二つ目には、この国際的な信頼が回復しないまま、原発再稼動を進めるということも、日本の主権の中でやる分には、物理的には可能かもしれません。

しかし、そのことがですね、今、多くの農家の方、あるいは、いろんな日本と海外の貿易に関係している方たちが、非常に迷惑を受けている風評被害、こういうことについて、海外諸国において日本の農産物、食料品に対する、ま、風評被害だと我々、言っていますけれども、おそらく日本地図を地球儀で見れば、ここは原発に近いところだ、ここは距離があるんだってなことは、なかなか世界の人には理解しづらいと思うんですね、地球儀の上でみれば。

そういった中で、日本に対する信頼がまだ回復していないうちに、また原発を動かし始めますとすれば、そういった多くの方が不安に思っている海外との取引、農産物などの輸出における風評被害と言うものが、かえって、また、外国にしてみれば、止めろということができないんだったら、少なくとも、そこから出てくるさまざまな制約というものは、なくならないんじゃないかなと心配しているのですけれど、その点についてのご認識をお伺いしたいと思います。


村田公述人:
全面的に賛成して恐縮でございますが、そういう懸念をすべて私も持っております、同じような。そして、特に私が今日、伝えたかったのは、戻りますが、4号機につきましては、放射性セシウムの量は、4号機だけで、戦後、大気中で行われた核実験すべてものと同じであると。かてて加えて、さきほどの共用プールの6700本などをやれば、事故が起きれば世界が終ると断言できるほどの放射性物質が放出が予想されるわけであります。

それにもかかわらず、なぜでしょう。危機感がありません。私は、これは想像力の欠如だと思います。想像力が欠如すると、倫理が欠如するわけであります。そういう意味で、今こそ、福島の犠牲者の声を、もっと国民全土に広げましてですね、そして、いかに原発事故が罪深いものであるかということを、しかも世界の為政者にも伝えなければいけないと思います。

ある意味では、菅さんが東電の撤退を止めたと、あれは歴史的役割だと評価されております。これは何を意味するかというと、究極の破局が発生すると、その可能性が現実のものであるということが示されたわけです。そして、4号機の危機。それは、まさにその実例であります。どうか、危機感を持って、その対策を早めるように、ご尽力をお願いしたいと思います。


小野議員:
4号機の危険性については、他の向きからもいろいろ指摘されていることですので、私たち、国会議員として政府に対する追及というか、正して生きたいと思います。今日は、ありがとうございました。他の、お二人には質問する時間がなく、大変、恐縮でございますが、今日はご苦労様でございました。これで終わります。

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■福島第一原発のセシウム137はチェルノブイリの85倍以上

2012年3月26〜27日 
ソウル「核セキュリティ・サミット」

チェルノブイリの85倍以上。

これは、米国放射線防護審議会(NCRP)の正確なデータを基に、使用済み燃料の世界的な専門家、ロバート・アルバレス氏が計算した数字です。前の記事では、参院予算委員会の公聴会で、公述人として国会議員の質疑に応じた元スイス大使、村田光平氏たちによる、福島第一原発事故収束に向けての、さまざまな政府への働きかけについてご紹介しました。その村田光平氏が、日本と世界を救うため、福島第一原発の4号機建屋の使用済み燃料プールについての危機的状況を、多くの海外の政治家、官僚たちに訴え続けてます。

この記事は、村田光平氏と協力し、世界中の著名な核科学者と連携を取って、一切のしがらみとは無縁の「完全な独立評価チーム」の設置を訴えている元国連職員・松村昭雄氏のブログからのものです。独立評価チームとは、どの組織、機関からも一切の干渉を受けることなく、福島第一原発の事故収束に向けて、正確な構造計算や、リスク低減にかかるコストの算定、現場の勇士たちの健康管理等々まで、冷静かつ客観的に評価し、確実で安全に工程を組み立てる清廉で世界的なエキスパート集団のことです。

委員会で、村田・元大使は、地上30mのところにある使用済み燃料プールに1535本の燃料棒が冷却されている、すでに壊滅状態となっている4号機建屋が崩壊した場合、敷地内にある6つの原子炉すべてがシャットダウンするだけでなく、4号機建屋から50m離れた場所にある6375本の燃料棒が収納されている共用の使用済み燃料プールにも影響を与えることになると、強く訴えました。

4号機の使用済み燃料プールの燃料棒も、共用プールに収められている燃料棒も、すでに格納容器によって保護されておらず、大気と直接触れ合っている危険な状態にあります。これは、私たちが過去に経験したことのない、世界的なカタストロフィーを引き起こすことになるのは確実です。世界に対する日本の責任は、計り知れないほど重大です。そのような災害が起これば、今後、何世紀にもわたって、私たちすべてに影響するでしょう。

福島第一原発にある使用済燃料の総数が、11,421 本(396+615+566+1,535+994+940+6375)であると彼は言いました。私は、使用済み燃料の第一人者、ロバート・アルバレス氏から驚くべき返事を受け取りました。それは以下です。
【松村昭雄氏が、元・米エネルギー省長官のシニア・アドバイザー、ロバート・アルバレス氏から受け取った手紙】

最近では、福島第一原発の使用済み燃料の状況に関して、より多くの情報が知られるようになりました。

(4号機の)使用済み燃料プールにある1535本の核燃料集合体のうち、304本の燃料集合体が未使用の状態であると私は理解しています。
1231本の燃料棒が4号機のプールで置き去りの状態にあり、それは、およそ3700万キュリーの長命の放射能(~1.4E+18ベクレル)を含んでいます。

4号機のプールは、地上約30mの高さに設置されており、構造上のダメージを受けており、戸外に露出されています。

もし、地震、その他の出来事によって、プールの水が排出されてしまった場合、破滅的な放射能火災が起きるでしょう。そのときには、チェルノブイリ事故のときに放出されたセシウム137の総量の、およそ10倍の量が出て来るでしょう。

他の3つの原子炉と同様に、これを安全に取り外すことのできるインフラストラクチャーが破壊されてしまいました。

使い切った原子炉核燃料というのは、通常の積荷のように、単純にクレーンで外に吊り上げることができないのです。

過酷な放射線被曝、火災、爆発を防ぐために、常時、水中、または厳重にシールドされた構造物の中で、ドライ・キャスクの中に移し変える作業をしなければなりません。

損傷を受けている福島第一原発のプールから、使用済み燃料を取り出す作業は、かつて行われたことがないわけですから、構造的な再改造を行う必要があり、これは非常に時間と手間をかけて努力しなければなりません。
それは、未知の水域で進路を決めるようなものです。

福島第一原発の敷地で、きわめて大きな破壊があったにも関わらず、少量の使用済み燃料を保持するためのドライ・キャスクは、無傷だったようです。

米国エネルギー省のデータによると、合計11,138本の使用済み燃料集合体は、ほぼすべてが福島第一原発のプールの中に格納されていると見られます。

それらはおよそ3億3600万キュリーの長命の放射能(~1.2 E+19Bq)を含んでいます。

そのうち、およそ1億3400万キュリーはセシウム137で、それは、米国放射線防護審議会(NCRP)が見積もったとおり、チェルノブイリ事故のときに放出されたセシウム137の総量の約85倍に相当します。

福島第一原発にある全使用済み燃料には、すべての大気中核実験、チェルノブイリ、世界規模の再処理工場(~270、100万キュリーあるいは~9.9 E+18ベクレル)によって放出されたセシウム137の総量の、ほぼ半分が含まれています。

福島第一原発のような何十年間も運転し続けている原子炉は、地球上において、最大濃度の放射能を何度か生成していることを公衆の人々が理解することは重要なことです。
福島第一原発の全使用済み燃料が、チェルノブイリ事故のときに放出されたセシウム137の総量の約85倍もの量を含んでいるということが何を意味するのか、しっかり把握できているにも関わらす、その全体像の本当の意味を理解することは難しいことが分かったと思います。

それは世界の環境と私たちの文明を破壊するでしょう。

これは、原子力発電所に関するロケット科学でもなければ、打ち合いの討論とは関係のないことなのです。
これは人類の生存関わることなのです。

3月26日、27日の両日、ソウルで核セキュリティ・サミットが開催されました。
村田元スイス大使と私は、4号機原子炉の世界を破滅に導く大災害について、核セキュリティ・サミットの54ヵ国の参加者たちに知らせてくれる人を全力で見つけようとしました。

私たちは、何人かの参加者に、この緊急の問題に対処するために、広く国際的な専門家のグループで構成される独立評価チームを編成するという考えを共有してくれるよう、お願いをしました。

ここで、村田元スイス大使が国連事務局長パン・ギムン(潘基文)氏へ緊急メッセージを伝えるために書いた手紙をご紹介したいと思います。

また、この手紙は、日本のリーダーである野田総理にも送られました。(総理への手紙のpdfファイル)

村田氏は、この先例のない挑戦に取り組むためには、人類の英知を集めるべきであると、その声明の中で強調しました。

核セキュリティ・サミットは、北朝鮮の核の問題や、テロ攻撃に対する共通の防衛手段の問題に焦点が当てられていたように思えます。

4号機の独立評価の必要性についての訴えは、喫緊の課題とは見なされなかったようです。

私たちは、このサミットの性質に照らして、おそらくこうなるだろうことは予測していました。
おそらく日本との外交関係に荒波を立てないよう、このデリケートな論争を生じさせないようにとの決定をしたのでしょう。

しかしながら、私は、ほとんどの参加者が、自分たちの国に影響を与える、この潜在的な災害について、十分、理解してくれたに違いないと考えています。

私は、日本における、この問題を押す際の村田・元大使の勇気によって心を動かされました。

特に、私の祖国において、元キャリア官僚がこうしたことを行うことが、どれほど難しいことか分かっています。
村田光平氏の場合もそうであるように、現政府高官であろうと、元政府高官であろうと、彼らの行動は等しく制限されています。
【村田・元スイス大使から国連事務総長への送られた手紙】

東京、2012年3月25日
拝啓、事務局長
尊敬すべき潘基文様

あなたからの2012年3月2日付けの思慮深いお手紙には、心から感謝申し上げたいと存じます。

(私たちが提唱している)国連倫理サミットに対する、あなたの精神的な支持は、私が持続的に活動を行う上で、大きな励みの源になっています。

原子力の安全性とセキュリティを、より強く固めようとされている、あなたの素晴らしい貢献に対して、敬意を払わずにはおれません。

ソウルで開かれる今回の核サミットが、昨年の9月に、あなたが召集した高官レベルの会議から非常に多くの収穫を得ていることは疑いのないことであります。

私は、参議院の予算委員会の公聴会で3月22日に述べるように依頼されました。
そこで、私は重大な問題を提起しました。
それは、福島第一原発の1535本の燃料棒を抱えている4号機原子炉についてのことです。

それは、このまま余震が続けは、致命的な破損を受ける可能性があります。

さらに、そこから50m離れた場所には、6つの原子炉のための共用冷却プールがあり、6375本の燃料棒が収納されています。

日本の運命、そして全世界の運命が、この4号機原子炉によって左右されると言っても過言ではありません。
このことは、これは、アーニー・ガンダーセン博士、あるいは小出裕章氏のような最も信頼できる専門家によっても確認されています。

核セキュリティ・サミットに、福島第一原発4号機−この重大な問題を取り上げさせようと尽力されている元国連職員(管理人:松村氏のこと)によるイニシャティブについて、あなたにお伝えさせていただきたいと思います。

彼は、独立した評価チームの設置を求めています。

この重大な問題に、世界の指導者に注意を払っていただくことは必要不可欠なことであると考えており、それゆえ、彼の努力は非常に意義深いものであると考えております。

この問題が、李明博大統領の個人的な注意に値するものであることを、私の韓国の知人数人に手紙を書き、彼と協力しています。

私は今日、野田佳彦首相へ手紙を書きました。

その中で、前述した「独立評価チーム」の設置を十分考慮しながら、福島原発4号機の問題に対処するために、最も広い範囲から人間の英知を総動員すべく、その先鞭をつけることを考慮していただくよう野田総理にお願いをいたしました。

世界は、とても弱く、脆弱なものになりました。
国連の役割は、ますます重大になっています。

あなたの高貴な使命において、より一層のご活躍をお祈り申し上げます。

以上、どうぞご査証ください。

潘基文様。
深厚の敬意を表して。



野田佳彦首相へ手紙(pdfファイル)
http://akiomatsumura.com/wp-content/uploads/2012/04/Letter-to-Prime-Minister-Noda-by-Amb-Murata.pdf
ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」書き起こし
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=68659664&comm_id=5524954

■4号機燃料プールに崩壊よって1535本の燃料棒だけが大気中で燃えだした場合

【4号機倒壊による政府予想最悪シナリオ】

細野豪志原発担当相が2012年1月6日の閣議後会見にて、東京電力福島第一原発(通称、フクイチ)で事故発生二週間後の昨年3月25日、事故が拡大すれば、東京都も含む半径250キロ圏内の住民が避難対象になるという「最悪シナリオ」を政府が想定していたと発表したのをご存知の方は多いと思います。

その最悪シナリオとは、1号機や3号機のメルトダウンやメルトスルーではありません。4号機です。原子炉2つ分に相当する1535体もの使用済み燃料プールの燃料が溶けることが最悪のケースとして想定したとのことです。どうなるかというと、半径250キロ圏内を避難対象とする、というものです。 横浜まですっぽり入ってしまい、首都圏は無人状態になる一歩手前だったわけです。

ところで、使用済み燃料・・という言葉でなんとなく使い終わった燃料が4号機にあったのだと思われている方がほとんどだと思いますが、実はあれは定期点検中で”現役”の燃料が一時的に保管されていたわけです。今、1号機から4号機まで誰も燃料がどこでどうなっているか目視で確認できた人はいないわけで、どうなっているのか計器からのデータから推測しているに過ぎません。

そのなかでも4号機はかなり特殊な壊れ方をしています。 1号機、3号機(3号機の爆発自体は1号機どころではない様子を示した記事はここです⇒福島原発3号機の爆発映像)というのは、核燃料がそもそも格納容器の中の原子炉容器に閉じ込められている状態で爆発事故が起こったわけです。吹き飛んだのは屋根に相当する部分がほとんど。一方で、4号機はそうではありません。

屋根だけではなく、建屋の地面に近いところから吹き飛んでいるだけでなく、上部にある燃料プールは格納容器に覆われているわけでありません。今は何ら覆われるものなくむき出しになっているわけです。1535体の燃料棒が入っているまま、1月1日の地震でかしいでしまい倒壊の危険性があるのでは・・・との風聞が飛び交っています。東電は耐震補強をしたとのことですが、普通の工事と違って中に入れないままの工事ですので相当に無理があります。


20120109 たね蒔きジャーナル
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=wvgs2R4Raio#!


■上記は4号機倒壊」による影響だけであり、実際には4号機から50メートル離れたところに1号から6号の共有プールがあって、そこになんと6375本の燃料棒が収められている。4号機の倒壊事故によって共有プールにも影響が拡がれば世界破局のシナリオが始動する。

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