【生涯の遺伝子修復可能性】
d. 積算放射線量が5mSv/y〜10mSv/yへ引き下げられた場合(ただしbの影響を受ける)
(1)癌に対する免疫系であるB細胞やNKT細胞が活発な成人
(2)免疫系が弱っている成人
(3)癌を一度も発病したことのない健康な成人
(4)癌を1度ないし数度発病して治癒した成人
e. 積算放射線量が1mSv/y〜5mSv/yへ引き下げられた場合(ただしcの影響を受ける)
(1)癌に対する免疫系であるB細胞やNKT細胞が活発な成人
(2)免疫系が弱っている成人
(3)癌を一度も発病したことのない健康な成人
(4)癌を1度ないし数度発病して治癒した成人
f. 積算放射線量が1mSv/y未満へ引き下げられた場合
(1)癌に対する免疫系であるB細胞やNKT細胞が活発な成人
(2)免疫系が弱っている成人
(3)癌を一度も発病したことのない健康な成人
(4)癌を1度ないし数度発病して治癒した成人
結果(dとeとfの数値を掛けて(1)〜(4)それぞれの生涯遺伝子修復可能性の確率を算出する)
(※)Evidence for a lack of DNA double-strand break repair in human cells exposed to very low x-ray doses. Proc Natl Acad Sci U S A. 2003;100:4973-5.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=Rothkamm%20K%202003%205057
この論文ではMRC-5という培養細胞(ヒト胎児肺から得られた細胞)にγ線を照射する実験が行われている。二本鎖DNAの切断を鋭敏に検出するγH2AXフォーカス法という方法を用いている。簡潔に機序を述べると、ヒストンH2AのバリアントであるH2AXは、C末端に約20アミノ酸の特徴的な配列を持つが,この中でC末端から4番目に当たるSer139がDNA損傷に応答してリン酸化を受けることが知られ、DNA損傷マーカーとして頻用されている。
(http://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/f741374451780c68bc05521016e2b07e
より引用)
論文からは、最低1.3 mGy(γ線を用いたため1.3 mSv)で二本鎖DNA切断が起きていることが分かる。
-------------------