怖い話で眠れなくする！！コミュの口の裂けた女

だいぶ前に
「日焼けあと」というのを投稿させて頂いた者です。

今日は、ウチの父が聞いた話しです。
ウチは料理屋を営んでいるのですが
まだ、僕が小さい時の時代の話しらしいです。
ちなみに僕は、28です。

真っ青な顔をして
常連のA夫妻が店に顔を出された

閉店間際の
いつも来られる時間とは全然違う時間帯

さらに、その、ただならぬ表情に

「どうされました？！」

と、「いらっしゃい」を言う前に言ってしまった。

少し間を置くと

夫妻が確かめ合うように話しをして下さった。

中部地方の某県への里帰り。

法事を終え
思ったよりも、親戚との集まりが早く終わり
その日に、こちらへ帰るコトを決めた、A夫妻。

しかし、Aさんの父
(Aさんも、よいお年なので高齢だと思われる)
が
「今日は、泊まって行きなさい」
と、勧める。

寂しいのかな？
とは思ったものの
自営のAさんは
次の日に、仕事関係でしたいコトがあったため
やはり、その日に帰るコトを告げると

普段は優しく
そして、Aさんの意見を尊重する、お父さんが
しつこく、そして、厳しく
「泊まっていけ！危ないから！」
と言う。

困ったものの

まだ早い時間の夜に
いくら田舎の山道とはいえ
それ程に危険はナイし

何より、何のワガママだ、と
ムキになりAさんは帰るコトを決断された。

1年に1度は帰る山道

慣れたとは言えないが
見慣れた山道を車を走らせる

前にも車はないし
すれ違う車もない

すると、もう闇夜になった人里離れた山道に

1人の女が歩いている

ヘッドライトに照らされた50mほど前方。

こんなとこで何を…？

と助手席の奥さんも思われたそうだが

まぁ関係はない。

Aさんは、車のスピードを抑えるコトもなく
そのまま、行こうとした。

しかし

女との差が縮まらない

確実に女は歩いている
車も50キロは出ている

しかし、女を抜けないのだ。

その違和感に
夫妻が車内で顔を見合わせる

お互い首を傾げた後

Aさんが前を向いた時

女との距離が縮まりだした

「…見間違いか…」

と、Aさんが呟いた時

急に距離が縮まる。

先ほどまで、あれ程縮まらなかったのに
猛スピードで女の背中が迫る

その瞬間

女が飛んだ

人のジャンプとかでは無い。

飛んで視界から消えたのだ。

さらに、次の瞬間

ドンッ！！！！！！

という音と共に
女がボンネットに乗っかって
フロントガラスに顔を近付け
夫妻の顔を覗き込んでたそうだ

耳まで裂けている

大きな口を開けて…

うわぁぁぁぁぁっっ！！！

と急ブレーキかけ止まった車

夫妻共々、目をつぶっていた

車のエンジン音と
聞いてたカーステしか聞こえない

お互い恐る恐る目を開けると
そこには何も無かった

震える身体で急いで車を出し
夫妻は会話もせぬまま
猛スピードで山道を抜けた

そして、最初に着いた町で
なぜか、きつく「帰るな」と言われた
お父さんを思い出したAさんは
公衆電話から電話をした。
(携帯が無い時代)

すると、ぽつりとお父さんが

「やはり…移動してたか…」

と言って

「早く帰りなさい」

と電話を切った。

ワケが分からないものの

先ほどの異常な事態と
その事情を知っているような父
そして、その父の言葉「早く帰りなさい」で
また、車に飛び乗ると
こちらまで帰ってこられた。

地元に帰って来られると少し落ち着いた夫妻は

なにか2人きりのままは嫌なので
家から歩いて5分もかからぬ毎日のように来られてた
当店に寄って下さったらしい。

あれは…口裂け女や…

と、夫妻、声を合わせて言われてたそうだ。

後日談

お父さんに翌日、電話した時に話されたコト。

いわゆる、都市伝説の口裂け女は知らない、と前置きされた上で

その地方では

口の裂けた女の妖怪？

というモノがいるそうで
その地方(けっこー広めの範囲)の山間部の村や町に出没するらしい

そして、その妖怪？は

なぜか、どこからともなく移動の噂が立つ
そして、その噂は
町や村の高齢の者の間だけで、静かに内密に流れるのだそうだ。

そして、Aさんが帰って来られてた、その日が
Aさんお父さんの町？村？から
移動される、という噂が立った日だったそうです。

オヤジから聞いた話しを
それっぽく書いたつもりです。
また、お客さんから聞いた話しが
たくさんあるのですが
文章にまとまりましたら、貼らせて頂きます。

ありがとうございました。