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怖い話で眠れなくする!!コミュのいじめてたあいつ 一話目

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いじめてたあいつ     1話目


中学生の頃いじめをしていた。
俺は五人グループでいつも一人をいじめていた。

とにかく殴る蹴る、お金をとる、万引きをさせる、パシリ、タバコを押しつける、モノマネをさせる、歌を歌わせるなどのいじめだ。

俺はいつも見てるだけだったけど止めた事はないし、いじめを見て笑っていたので同罪だ。

いじめられてたのは木村。
だが木村はまだ中1の頃、一緒に遊んでいて六人で仲がよかった。

だけどある事が起きた。

木村はキムチと呼ばれていた。

ある日キムチは立川の家に泊まった。
立川というのは俺達五人の中で1番たちが悪くヤンキーな奴だ。

立川とキムチの2人だけだったけど朝になると立川のおばちゃんの財布の中から一万円が盗まれてた。

立川は幼い頃に両親が離婚してずっと母子家庭だ。
おばちゃんと妹と三人暮らし。
立川は手癖が悪く毎日万引きをするような奴だったがおばちゃんの財布に手をかけた事は一度もない。
立川はおばちゃんの事が大好きだったから。

そんな立川のおばちゃんの財布から一万円がなくなった。
犯人はキムチに決まっていた。

他に犯人はいない。

立川はすぐにブチ切れてキムチをボコボコにした。

当然だ。

本人は盗んだ事を認め親と立川の家にお金を持って謝罪に来たらしい。

キムチとは小学校が違う為中学生になり友達になったのだが俺達五人は小学校からか長ければ幼稚園からの友達でまさに兄弟の様な関係だったから立川のおばちゃんとも仲が良かったので一万円の事件を聞いたみんなはかなりムカついてキムチをボコボコにした。

それからキムチへのいじめは始まった。

俺は一万円事件の時に一度ボコボコにしたがそれ以降は手を出していない。

立川は腹の虫が治まらずまずお金を取り始めた。

立川は金を毎日とっていた。

大体一回一万円だったが中学生が毎日一万円ってかなり無理がある。

大人でも無理だ。

当然払えない時がある。

払えない時は立川がボコボコにしてまた金を要求する。

キムチも必死だったんだと思うが俺達は自業自得だと思っていた。

何故かキムチは学校を休まない。
俺だったら絶対に学校に行かないけどな…。

金だってキムチの家は金持ちって知っていたしどうにかできてるんだろうとあまり気に留めなかった。

立川は毎日リッチになり煙草を奢ってくれたりした。
敵に回さなければかなりいい奴だしオモシロイが敵に回すと情け容赦一切無い奴だった。

中2になる頃には俺達は立派な不良になっていた。

そしてキムチへのいじめは継続していた。

知らぬ間にキムチは俺達に敬語になって会うと「おはようございます」と挨拶する様になっていた。

俺達は暇になればキムチにモノマネをさせたりした。

似てなかったらパンチが飛んでくるのでキムチも必死でモノマネしていた。

ビートたけしと板東英二のモノマネは少し似ていたからよくモノマネさせた。
板東英二は特に似ていた。

俺達は授業に出る事はなくトイレでたまっていた。
このトイレは教室が並ぶ真ん中にあったのだが俺達以外は誰も来ない。

生徒指導の先生が吸い殻やゴミを掃除に来る程度だった。
先生はもう俺達を注意するのを諦めてた。

俺達は俺達で毎日悪さをしてたたし警察にも何度か逮捕された。俺はもう少しで鑑別所だった。
友達は少年院に行っていたが俺は悪運の強い方だった。

そんな俺達は授業中にキムチの教室のを開けて
「おいっ板東英二やれ」

キムチは今は勘弁してくれと言わんばかりの顔をしていたがモノマネをしなければまたボコボコにされるので、モノマネをみんなの前で披露した。

「ほんまにね〜」(板東英二風)

俺達は爆笑していた。

クラスのマジメな子でも笑っていた奴はいた。

そりゃあれだけ似てたら笑う。

キムチの顔は毎回こわばりながら赤くなっていた。

そしていつの間にか立川とキムチの間で新しい決まりができていた。

金を払えない日は煙草の火傷一つという決まりだ。
言わば根性焼きだ。

その頃キムチは金を持って来れない日が増えていた。

トイレで正座の状態で腕を出し立川が根性焼きをする。

根性焼きするときに立川は煙草を思いきり吸い込み煙草の先の赤い部分がデカくなった状態で押しつけた。

俺も根性焼きをした事があるから痛さが分かるがあれはかなり熱かったと思う。

根性焼きをしたら根性があるわけではない。
誰が考えたのやら。

キムチの腕には火傷が増えていった。

冬は見えないが夏服を着れば目立つのでキムチは夏でも長袖ブラウスを着ていた。

腕を見ると生々しい火傷と火傷の跡があった。
何個あったか分からないぐらい。

中3になるとキムチが学校に来なくなった。

春休みの間に転校したらしい。転校先は分からなかった。

これは予想だけどキムチの親はいじめの件を知っていたが原因はキムチにあったので強く出れなかったのではなかったのだろう。
火傷の跡でも見たのかもしれないが。

俺達はそりゃ転校するわと思っていたが立川は金が入らなくなったのでたまに愚痴っていた。

それから8年の時が流れて俺は立川と同じ会社に務めていた。

金属を加工する工場でいつも金属を削る音が鳴り響いていた。

そんなある日の朝礼で新入社員が紹介され挨拶をした。

俺と立川は顔を見合わせた。

キムチ?

身長が伸びており体格もよくなっている。
当時はチビできゃしゃだったのに。

挨拶で自己紹介をすると
「宮本です。」
と木村じゃなく宮本と名乗っていた。

年齢は俺達と同じだったが名前が違う。

(あれ?…人間違いか)と思ったがキムチに似ている。

(他人の空似かな?)
少し昔の記憶が蘇り何となく後ろめたかった。

立川は「似てるよな?ちょっと話しかけて来いよ」と言って来たが俺は嫌だと断った。

普通の友達であれば話は違う。

でも昔にあれだけいじめていた奴が8年振りに現れると嬉しくも何ともない。

俺はともかく立川はどういう心境だったのだろう。
自分のしてきた事を分かっているのだろうか。

総額いくら取っていたと思ってるのか?

でもあれがキムチかどうか分からない。
名前が木村だったら確実だったけどよく見ると別人にも見える。

(やっぱり別人かな?)と1人で納得。

立川はどこか落ち着きが無かった様に見えた。

そして宮本と名乗る新入社員は俺達とは違う班に配属された。

それなりに気になったが俺達の会社は60人ほどだが昼休みに使う休憩室が狭いため班ごとに休憩時間が30分づつズレる。

三班に分かれているので初めに休憩する班と最後の班は一時間ズレるので顔を会わす事もほとんどない。

キムチに似ている宮本君は最初に休憩に行く班。
俺と立川は最後に休憩に行く班だったから顔を合わせる事も無いしそれ以外の休憩時間も自分の班の灰皿にみんな群がるので合う事もない。

唯一会うとしたら朝礼か帰る時間が同じ時だけだ。

宮本君が働き出して一週間が過ぎた頃には俺達は気に留めなくなっていた。

俺と立川は同じ職場で同じアパートに住んでいる。

行も帰りも同じだ。

立川の五年ローンのアルファードで通勤していた。

基本ズボラな立川だがこの車の事に関しては潔癖性だった。

土足禁止だし禁煙。

(あの立川が?ありえない!!)立川をしっている他の友達にも聞かせてやりたかった。

あの頃の5人組は今はバラバラになっていた。
俺と立川は地元だけど他の三人の内1人は東京に行きビッグになる宣言をしたにも関わらず飲食店二軒のバイトを一年以上続けており本人の夢はどこに行ったのやら。
もう1人はヤクザか消費者金融から多額の借金をして逃亡した。
シャブ中なのでもう相手にしてないし、どうでもいい関係になっていた。
最後の1人は父親の地元の隣の県に引っ越して跡継ぎの為父親の元で仕事の猛勉強中だった。
確か特殊な運送屋だったと思うが専門的な物だったので何の運送屋か忘れた。
子供が出来て二年前に結婚した。
たまにこっちに帰って来る時は立川の家族と俺とそいつ(のぼる)でご飯を食べに行く。

立川家とは皆家族の様な関係だったしみんなかなり仲が良かったから。

立川の車は何かと気を遣うので嫌だったが俺は二ヶ月前に事故をして廃車になり残ったローンだけを支払う最悪の状況にあったのでダブルローンをする余裕がなかった。

ついでに二年付き合って結婚も考えていた彼女にフラれてしまった上に彼女はすぐに新しい彼氏と付き合い始め精神的にかなり辛かったが立川が強引にあちこち遊びに連れ出してくれたりコンパなどをしてくれたおかげで気は紛れた。

そんなある日の仕事の帰り立川の車に乗り込もうとしたら
立川が「あっ!!なにこれ」と叫んだ。

運転席側のドアに長いキズが付いている。
立川はキズを指で撫でながら顔を鬼の様に変えていった。
キレる手前の顔だ。
久しぶりに見た。

俺は「どっかで擦ったんだろ?」
と言ったが
立川は「それはない!!車は黒だしこんなキズがあったらすぐに気づくわっ」と怒鳴って来た。
確かにそうだ。
俺も見たがあれはなにか尖った物でつけた様なキズだったから立川は誰かにイタズラされたと思いキレてたが犯人は分からずぶつけようの無い怒りを堪えていた。

あれだけ大事にしている車にキズを付けられたら誰でもキレる!!

会社にUターンして上司にその事を言ったら明日の朝礼で注意すると言ってくれたのだが立川は皆に知られるのが恥ずかしかったらしく上司に「別にいいです。犯人が知りたいだけなんで」と言ったが60人も社員はいるし大体の人が車通勤だったのでもしかすると他の人の車もイタズラされているかもしれないと行く事で立川の名前は伏せて朝礼で注意をし車にイタズラされた人がいれば報告するというようになった。

帰りの車の中立川は機嫌が悪く何も喋らなかった。

翌朝もまだ機嫌が悪く何も喋らなかった。

朝礼で上司が昨日の事の話をするともう1人キズを付けられた人がいた。

同じ班のおじさんで俺達の班長だった。

班長はあまり気に留めてなかったみたいだがやはりいい気はしていない様子だった。

(誰でもいい気はしないよな)と思いながら仕事が始まった。

休憩時間の度に立川は自分の車を見に行っていた。

仕事場の駐車場の隣に違う会社の駐車場もあるので、もしかすると隣の会社の奴のイタズラかとも一瞬思ったがそれはないと思い犯人はやはり会社の誰かの仕業だと疑ったが班長と立川の事を嫌いな人物は思い当たらない。

キムチに似ている宮本君かと思ったが班も違うし班長にイタズラする理由もない。

と言うかまだ宮本君とは俺も立川も話もしていない。

(一体誰だろう?)

と思いながら俺と立川、班長は思っていたはずだ。

仕事が終わり立川の車を見ると昨日のキズの下に昨日よりもデカイキズがあった。
立川は「もう誰っ?殺すぞっ
」と髪の毛を掻きながらキレた。
またイタズラされた事を上司に報告しに行くと班長が上司と話をしていた。
班長もまたイタズラされていた。
上司と班長、俺、立川でクルマを見に行った。

班長の車と立川の車のキズを見比べると全くと言っていい程同じ位置にキズがあった。

全員頭を抱えた。

立川も班長もキズを直したいが二日連続イタズラされたので直してもまたキズを付けられるかもしれないので治せなかった。

立川は呆れながら怒っていた。

それから立川と班長の車には日ごとにキズが増えていった。

一本一本と一日一本づつ増えて行った。

会社は社員を1人ずつ呼び出し何か知らないか聞いたが誰も何もしらないし、そんな事をしている所を見た事がない。

犯人は誰だっ!!

そして一ヶ月ぐらいたったある日出勤する前に立川の車に行くとフロントガラスが割れていた。
立川は誰かに電話している。

警察だ。

俺は電話を切った立川と話を聞くと朝車に来た時点でガラスは割れていたらしい。

車の側には拳大の石が落ちていた。
俺も腹が立ったが犯人がわからない。

立川は警察に事情を話す為に遅刻の電話を入れ俺は電車とバスを乗り継ぎ先に仕事に向かった。

昼になると立川が来た。

機嫌が悪い。
そりゃそうだ。

すでに立川の車はキズだらけな上にフロントガラスまで割られたのだから気分は最悪だろう。

しかし今日は金曜日で土曜日は立川の妹のサキちゃんの誕生日だからみんなで前日だがお祝いする為に集まる事になっていた。
もちろんのぼるも来る。

俺は久しぶりにみんなに会えるのでワクワクしてたが立川はそんな気分になれない。

仕事が終わり一度家に帰って用意をして事情を知った立川のおばちゃんが迎えに来てくれた。

おばちゃんは立川の事を心配していたがただのしつこいイタズラだから気にするなと言ったが立川の機嫌は悪いままだ。

俺は「今日ぐらいは忘れて飲みまくろう!のぼるも来るし!なっ」と言うと立川は「うん。そうだな。サキにも悪いしな!」と言い少し笑って見せた。

久しぶりにに立川の笑顔を見た気がした。
空元気だったのかもしれないが俺は少しホッとした。

俺が落ち込んでる時や何かあった時は自分の事の様に心配して元気をくれる立川に俺は何も出来なくて自分は無力だな…と情けなくなった。

地元にあるおばちゃんの友達の居酒屋は俺達が中学生の頃から通っている所で地元の奴と行くとなると必ずその居酒屋で飲む。

この日もモチロンこの居酒屋だった。

先に立川、おばちゃん、俺の三人は先に着き奥の座敷に座って付き出しの枝豆を食べていた。
ここの枝豆より美味い枝豆はこの世にないと思っている。

するとのぼるが来た!!

のぼるは昔からムードメーカーでギャグセンスは抜群で人をいつも笑わせてくれる。

初めの10分ぐらいで立川の機嫌は一気に治った。
やっぱりのぼるは凄い奴だ。

四人で昔話をして盛り上がっているとサキちゃんも到着した。
サキちゃんとは二年以上会っていなかった。

久しぶりに会うサキちゃんは大人っぽくなっており女らしくなっていた。

サキちゃんは俺達の妹の様な存在で俺達の二つ年下だ。

中学生の時サキちゃんをイジメた奴を呼び出してボコボコにした事がある。

サキちゃんは少し地黒の為たまにからかわれる事があったが、俺達がイジメた奴をボコボコにしたと知ったサキちゃんの同級生は二度とサキちゃんの事をからかう事がなかった。

久しぶりの再会にその話や昔話をした。
みんなで集まると必ず昔話をして盛り上がる。
中でものぼるが一日四回ウンコを踏んだ話は今でも笑ってしまう。

二時間ぐらい飲んでいるとおばちゃんは仕事の為先に帰った。
スナックのママをしている。

俺達も後から行くと伝えて手を振った。

そして四人になるとキムチの話しになった。





2話に続きます。

コメント(17)

前作もそうでしたが‥やはり続きが気になります本

文章がしっかり構成されていてつい引き込まれてしまいますあせあせ(飛び散る汗)

またよろしくお願いします兎
あああせあせ(飛び散る汗)一気に読んじゃいたいあせあせ(飛び散る汗)
気になるー!

クオリティ高くていつもワクテカですグッド(上向き矢印)
早く続きが読みたいですo(^o^)oロメオさんの文章本当に面白いです。
なんか、楽しい!
続きを心待ちにしていますハート
名字はともかく名前は変わらないよね、っていうツッコミはナンセンスですか?
忘れたってこと?
ホント文章上手いですね!
ヤンキーだったと思えないψ(`∇´)ψ
いつも楽しく読ませてもらってます(*^_^*)

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