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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』[日本公開:2015年8月1日]

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●Introduction
 人間を捕食する巨人と人類との壮絶な戦いを描いた諫山創の人気コミックを基に、『巨神兵東京に現わる 劇場版』などの樋口真嗣が実写映画化したアクション大作。100年以上前に出現した巨人が巨大な壁をぶち破り、再び侵攻してきたことから、巨人対人類のバトルが繰り広げられる。エレンを『真夜中の五分前』などの三浦春馬が演じるほか、長谷川博己、水原希子、石原さとみ、國村隼といったキャスト陣が集結。原作にはないキャラクターも登場するなど劇場版ならではの展開や、巨人のビジュアルやすさまじいバトルの描写も見どころ。

 100年以上前、人間を捕食する巨人が現れ、人類のほとんどが食べられてしまった。生き残った者たちは巨人の侵攻を阻止すべく巨大な壁を3重に作り上げ、壁の内側で暮らしていた。エレン(三浦春馬)やミカサ(水原希子)もそんな中の一人だった。そんなある日、100年壊されなかった壁が巨人によって破壊されてしまう。
[日本公開:2015年8月1日]

コメント(2)

 実はアニメ版の後半を先週見てきたばかりなので、どうしても比べてしまうと、ツッコミどころ満載の実写版になってしまいます。

 東洋人がほとんどいない原作に比べて、出演者がすべて日本人で、日本的な家屋に囲まれたロケセットというところに違和感を感じてしまいました。おまけに原作では文明が退化して馬車が移動手段なのに、劇場版ではトラックが動いています。そんな燃料なんて壁の中で供給できるのでしょうかねぇ。

 まぁそれでも、原作とは設定を変えているという説明は付くかもしれません。但し予算の関係か壁の中の世界が実写版はどうしても数カ所に限られてしまい、広大な要塞都市の全貌を描き切れていないのです。
 土台、低予算での実写化は無理があったのではないかと思うのです。アニメ版前後編と比べると原作の世界観を邦画化の都合で捻じ曲げているところが痛いです。
 進撃の巨人にはモデルとなった歴史的城塞都市カルカッソンヌという場所があります。あそこの都市を背景に、地元住民をエキストラに起用して無国籍な雰囲気を出さないといけません。
 加えて、壁として最外周の「ウォール・マリア」の総延長は原作では3,200キロメートルにおよび、これは日本の北海道の外周とほぼ等しい規模になるそうです。けれども実写版では、ほぼ軍艦島一か所に固定された狭い箱庭な描写になってしまっていたのです。
なので、アニメ版に比べて実写版は箱庭っぽいのですね。また立体起動装置を使った空中戦もシキシマ隊長やミカサがメインで、アニメ版で出てくる集団による華麗なフォーメーションもあまり見られませんでした。
 やっぱりアニメ版と比べると本作の実写化は、特撮の名匠樋口監督としてもハリウッド並みに予算をかけないと難しいのではないかと思います。もう一つ実写化で致命的なのは、かなりリアルになる分、巨人たちがマジに気持ち悪く感じられたり(^^ゞ、生きた人間が悲鳴を上げながら喰われるシーンも不快感を催してしまうことです。
 その点、アニメ版では美しい背景映像で包み込むことで中和していたのですが、実写版では登場人物も背景も、バトルシーンの連続で小汚く汚れていて、不快感を加速してしまうのです。

 さらに、実写版では弓が達者なサシャな意味不明な県道のハンジなど様々な登場人物 が殆ど説明が無いままに続々登場してくるので、消化不良に陥りました。その点アニメ版では登場人物は実写版同様多いものの、キチンとキャラが立っていて分かりやすかったのです。

 進撃の巨人は、ゴジラと違って、巨大なものがのしのし歩いていれば絵になるという作品ではありません。巨人に対して、重火器を使わず集団インフォメーションで立ち向かっていくところがポイントのはず。だから空中殺法シーンは、手抜きが効きません。その辺のリアルティーがこれまでの日本の伝統的な特撮の概念とマッチしないのかもしれません。
 まぁ、山崎貴監督が、『海賊と呼ばれた男』のオファーを受けずにこっちを選んでいたら、もっと違う人間ドラマが展開されていたでしょうね。

 さて、原作の漫画、アニメ、そして今回の実写版も大ヒットは間違いなしだと思います。なんでこんなに残酷な話がヒットするのでしょうか。読売の記者は本作で巨人が壁を壊して侵入してくるシーンを見たとき、東日本大震災で巨大な防波堤が倒壊した場面が頭に浮かんだそうです。

 しかし、東日本大震災のショックだけではこんなに熱狂的なヒットにはならないでしょう。そこで注目すべきキーワードは、『世界は残酷だ』という台詞です。実写版では、ミカサの腹部に惨たらしい巨人川受けた傷跡をエレンに見せるとき使われます。しかし、これは原作で言いたかったことから外れています。
 アニメ版では正しく、すっかり壁に守られて平和ボケに陥った住民、軍幹部に向けられた言葉として語られるのです。そして壁に守られて戦おうとしない存在とは?たたみ掛けるように問いかけてきます。シキシマ隊長は、エレンに戦わなくただ守られている存在は「家畜」なのだといい放ちます。その言葉で初めてエレンの心に闘志の火が灯るわけですね。

 皆さん、ここまでせ書けばもうお気づきでしょう。『進撃の巨人』の大ヒットの背景にあるのは、平和ボケに浸っている日本人なのです。そして若者たちは、巨人たる中国の脅威に、漠然と脅威を感じているわけです。それは農耕民族ならではの、理屈抜きの危機の予感なのでしょう。
 巨人たる中国に日本人が喰われてしまわないように、しっかりアメリカや周辺諸国と集団的自衛権体制を築いて、巨人の進撃を食い止めなければいけませんね。

 アニメ版の後半では、エレンと調査団の仲間たちとの絆の深さが感動的でした。そしてもうこれで完結かと思いきや、新たに壁や巨人出現の隠された秘密を垣間見せて、まだまだ奥の深い秘密を覗かすというネタの出し惜しみが、人気を支えるもう一つの要因なのでしょう。
 アニメ版の続編を期待したいです。

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