オプション取引ログコミュの金　：　バタフライ・スプレッド

前回の続き

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　5月26日にコンバージョンに変化させ、保守的な中立戦術を採りました。

Tactics C/P 権利行使価格 Bid1/Ask-1 プレミアム IV
YGQ10 Future long 1 1,215.20
Proactive Put -1 1,120 -1 11.3 0.22
Covered Call 1 1,210 1 43.6 0.21

　時間価値の半減期にあたる、6月25日のＮＹ金相場は、続伸。ＧＤＰ下方修正や株安、原油急伸、ドル安の影響による、金続伸。この動きこそ、まさに、fly to qualityと言えます。
　中心限月は、驚異的な高値圏の1,255.20。オーバーシュート以外の何物でも、ありません。
　ストライク1,210のカバードコールは、実に-1.1σのディープITMに沈んでいます。この時点では、カバードコールが先物ショートにアサインされ、先物ロングとスクエアになることが確実だと思われました。
　利益を上積みするために、ポジションをバタフライ・スプレッドに変化させます。
　
　＋１σＯＴＭコールショートと＋２σＯＴＭコールロングのクレジット・スプレッドを追加し、プレミアム5.7のクレジット。トータルのプレミアム収益は、38ポイントです。
　ネットでバタフライ・スプレッドとし、下記のポジションとなりました。

Tactics C/P 権利行使価格 Bid1/Ask-1 プレミアム 残存期間 IV
YGQ10 Future long 1 1,215.20
Proactive Put -1 1,120 -1 11.3 0.09 0.22
Covered Call 1 1,210 1 43.6 0.09 0.21
Credit spr short 1 1,300 1 10.0 0.09 0.18
Credit spr long 1 1,340 -1 4.3 0.09 0.19

　バタフライは、相場に変動が少なければ、少額の利益を獲得し、相場が大幅に変動すれば、その損失は、限定的という、恐らく、オプション取引の真骨頂とも言うべきポジションです。ただ、惜しむらくは、これはアーブ向きの戦術で、素人には、コストがかかり過ぎ、大きく儲けるには、相応の軍資金が必要という点です。
　以下は、時間価値の半減期と、最終取引日で、±２σに変動した場合の損益予測です。変動０の時に、獲得しうる利益は、最大となります。

σ payoff half time +2σ SQ
2 1,340 782 -223
0 1,255 1,100 3,260
-2 1,170 -1,119 -740



　7月28日、ＮＹ金は急落。欧州の信用不安の後退や米住宅市場の底入れムードが嫌気され、５月５日以来の安値に急落しました。
　かつてのお祭り騒ぎが終り、中心限月1,160.70の安値です。カバードコールは、ＩＴＭ確実だと思われましたが、遥かなFarＯＴＭに遠ざかり、エクスパイアしました。
　8月限り先物ロング1,215.20は、-54.5ポイントのドローダウン。かなりキツイ下げです。これまでのプレミアム収益+38ポイントと差し引き、-16.5ポイントのロスでした。残念。
　ボラティリティは、上昇傾向にあるものの、低水準であると判断して、より長い限月で仕掛けて、時間価値を狙います。
　8月限りを損切り手仕舞いし、12月限りにロールオーバして、再戦です。
　相場は下落基調ですが、反騰を警戒し、+1σＯＴＭに2枚のコールショートを建て、レシオ・スプレッドとします。

Code Tactics C1/P-1 権利行使価格 Sell1/Buy-1 プレミアム 残存期間 IV
YGZ10 Future long 1 1,162.40
YGZ10 Proactive put -1 1,040 -1 14.4 0.32 0.22
YGZ10 Ratio spr. 1 1,235 1 27.4 0.32 0.21

　プレミアム収益は、+40.4ポイント。
　ネットデルタは、+0.2。ほぼ、中立的なポジションですが、暴騰相場には無限大の損失リスクがあります。ただし、そのリスクは、極めて低いものであり、現時点では、暴落相場の方が、リスク限定とは言え、懸念されるところです。
　最終取引日まで残存期間は、実に、4か月。気長に、中立的な長期戦に臨めるところも、オプションならでは、というものです。