北限の海女　大向美咲さんを応援コミュの久慈市　小袖海女センター

<陸中海岸最北に暮らす北限の海女たち>

　北限の海女が暮らす陸中海岸国立公園の久慈市(くじし)の小袖海岸。陸中海岸国立公園は1955年、東北地方の太平洋岸に指定された国立公園で、北は久慈市から南は宮城県気仙沼市(けせんぬま)まで延長約180キロにまで広がる。寒暖両流に洗われる海岸は好漁場で、沖合いはクジラ、マグロ、カジキ、カツオ、サンマ、イカ、イワシなどが水揚げされ、沿岸はアワビ、ワカメ、ウニ、ホヤなどが採れる。そんな回遊魚や磯漁のほかに流入河川のサケ漁も盛んだ。
　そして、この小袖海岸には「かつぎ」と呼ばれる、磯のウニやアワビを素潜りで採る漁法を伝承する「北限の海女」たちがいるのだ。

　ひと息の潜りで採れるのはウニなら10個ほど。潜水時間は１分にもおよび、深く潜れば10メートルは軽く超える。７月と言えども、三陸の海はまだ冷たく、何度も潜りヤツカリが獲物でいっぱいになる頃には体が冷えすくんでいるという。
　獲物は深いところに多く、潜りの技術が即収穫量に響くという。ひと息の長さは、そう差の出るものではなく、皆１分ぐらい。ただ、上手な人は腕の一掻きで２メートル近くも潜り、素早く浮上する。だから、下手な人は浅い場所でしか採ることができず、逆に上手な人は深場の良いポイントで採ることができるというわけだ。それでも、潜っていて藻が身体に絡まり身動きができなくなったり、ヤツカリが狭い岩場に引っかかるなど危険なこともあるという。

　海女漁の技術を伝承するために、久慈市との協力で７・８・９月は北限の海女たちの勇姿を観光客でもみることができる。観光で見せる場所はポイントとしては深く(７～８メートル)、熟練した技が無ければ潜ることはできない。
ぜひ多くの方々に北限の海女の「技」と豊かな漁場に育まれた旬の「ウニ」の味を堪能していただきたい。
　

<小袖海女センター>

　潜りに使用する道具などが展示されている。店員はなんと海女さんで、潜りについていろい
ろな話を聞くことができる。ウニの素潜り実演は海女一人につき５，０００円(要予約)
　開設日/７～９月(期間中は無休)
　営業時間/９：００～１８：００
　所在地/久慈市宇部町小袖
　問い合わせ先/０１９４－５４－２２６１
(期間外は久慈市商工観光課０１９４－５２－２１１１へ)

http://www.city.kuji.iwate.jp/cb/hpc/Article-87-1102.html