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認識論(epistemology)コミュの病跡学【pathography】という視点からの世界観

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心の病と創造の関係を考察する学問領域です。


〜参考までに〜


中山書店から本出てます。

Encyclopedia of Clinical Psychiatry
臨床精神医学講座…S8
病跡学(2000年10月31日)

概要をつかみやすいように、目次をざっくり書いておきます。

〜総論〜
?T.病跡学と精神医学…福島章
1.Lombrosoの時代
a.Lombroso以前
b.Lombrosoの天才人
2.病跡学と臨床精神医学
a.病跡学の系譜
b.GruhleとJaspers
3.idiographyとしての病跡学
a.BrondelとDelay
b.人間誌のほうへ
4.社会学的視点と病跡学データベース
a.社会学的考察
b.データベース
5.体質生物学
a.Kretschmerにおける変質と内因性
b.体質生物学
6.精神分析学
a.Freudと病跡学
b.心理歴史学
7.実証的・科学的な病跡学の試み
8.天才の診断
a.創造の病い
b.中心気質
c.時代を先取りする天才の精神病理
d.カリスマ症状群
e.広大な体験領域
?U.表現精神病理学から芸術療法へ…高江洲義英
1.精神病理学の歴史と表現精神病理学の源流
2.精神分析学とその近縁からの寄与
3.表現精神病理学の展開
4.精神活動と表現様式の諸相
5.言語と非言語的交流、そして表現をめぐる問題
6.芸術療法の展開
7.わが国の芸術療法の展開
8.臨床図像学の展開
?V.病跡学から音楽療法へ―「病い」を「美」に転化する…阪上正巳
1.音楽の表現病理学
a.病者の演奏について
b.病者の作曲について
c.その精神病理学的意味
2.音楽家の病跡から
a.ウェーベルンの場合
b.シェルシの場合
3.音楽療法と創造性
a.審美的体験と音楽療法
b.合奏療法におけるエピーパトグラフィックな機制
c.音楽療法における〈音楽〉について
?W.病跡学の意義…高橋正雄
1.序論
2.本論
a.ソクラテス―世界史を変えた幻聴
b.ゲーテ―冬季うつ病の世界
c.ドストエフスキー―精神療法的洞察
d.ゴッホ―精神科入院患者の心理
e.南方熊楠―精神分裂病者への家族の対応
f.夏目漱石―作品世界の統一的理解
3.結論
〜精神科臨床と病跡〜
?T.幻覚の病理と創造…田中寛郷・濱田秀伯
1.幻覚の病理と分類
2.幻覚と創造性
3.ルーセルの創造性と病理
?U.妄想の病理と創造性…中谷陽二
1.妄想の作品化
a.妄想から『夢の戯曲』へ―ストリンドベルク
b.妄想者としての漱石/創作者としての漱石
c.妄想者が描く『妄想』
d.創作から妄想へ
2.妄想等価物としての創作
a.創造の病いと妄想
b.妄想の等価物としての創作
?V.精神分裂病の病理と創造性…加藤敏
1.発病後創作過程―分裂病のはじまりの創造促進性
a.分裂病性出来事の生起
b.未知の存在X、カオスとしての無限性の統整作業
c.死の領域への飛びこえ
d.力動の揺動
e.主体の外なる中心としての未知の存在X
2.創造行為のもつ主体解体の危険性
3.創造行為の病前布置
a.「真の」存在との出会いの情熱
b.気質
c.「怠慢な解決」の拒否―虚偽性不耐性
d.「長い時間」不耐性
e.根源的シニフィアンの欠如とその補填作業
?W.躁うつ病の病理と創造…高橋正雄
1.序論
2.本論
a.ペトラルカの『わが秘密』―認知療法的な対応
b.『ミル自伝』―うつ病の効用
c.『マックス・ウェーバー』―うつ病への対処行動
d.『夜半の寝覚』―うつ病文学の先駆
e.『紅楼夢』―東洋文化とうつ病
3.結論
?X.てんかんの病理と創造…兼本浩祐
1.てんかんの病跡学・総論
a.潜在性と可能性
b.Geschwind症候群"sensory limbic hyperconnection theory
c.てんかんの精神病理学
d.「父殺し」と宗教性
2.てんかんの病跡学・各論
a.ドストエフスキー
b.フローベール
c.ファン・ゴッホ
d.その他
e.各論のまとめ
?Y.物質関連障害の病理と創造…小田晋
1.依存性薬物の文化的意味の変遷
2.依存性薬物の病跡学的意味
3.創造性の契機としての酒
4.薬物・信仰・至高体験と文化的創造
a.宗教・創造の体験と諸薬物
?Z.分裂病質の病理と創造―カフカとベケット…花村誠一
1.分裂病親和人格における文学空間の接近
2.カフカの「巣穴」あるいは空間の異質性
3.ベケット的な消尽あるいは点状の異質性
4.分裂病型と分裂病質のあいだの強度の差
?[.強迫性と創造…松浪克文・渡邉良弘
1.強迫的人間
a.強迫性の定義
b.強迫的性格・強迫パーソナリティ
2.強迫性と創造性の対立の図式
3.創造性と強迫的儀式
a.強迫的儀式の両義性
b.強迫的儀式の肯定的機能
c.芸術家の強迫的儀式―創作に移る際の通過儀式
d.形式への統合と強迫的儀式の両義性
4.強迫性とその形式分析―ベルリオーズの病跡から
5.強迫的儀式の可能性―谷崎潤一郎の病跡
?\.境界例の病理と創造…作田明
1.今日までの研究の概観
2.症例研究
3.考察
?].自己愛の病理と創造…米倉育男
1.ナルキッソスとその末裔
2.自己愛―Freud、Kohut、そしてKernberg
a.Freud,S.
b.Kohut,H.とKernberg,O.
3.自己愛パーソナリティ障害
4.病跡学的症例
a.渇望型人格:葛西善蔵
b.操縦型人格:太宰治
c.男根自己愛型人格:三島由紀夫
?]?T.同性愛者の心理と創造…作田明
1.同性愛者と創造性の歴史
a.古代ギリシアについて―自由な少年愛の時代
b.キリスト教社会の下での抑圧の時代
c.近代の同性愛文化―公然化と精神的葛藤
2.考察
?]?U.高齢期の心理と創造性…山中克夫
1.創造的生産量の加齢変化
a.創造性テストを用いた研究
b.歴史的データによる研究
c.創造性テストと歴史的データの結果の相違
2.高齢期における作品の質的変化
a.高齢期スタイル
b.白鳥の歌現象
c.創造性スタイル
3.まとめ―高齢期の創造的活動の特徴とその役割
?]?V.精神分裂病とカリスマ症状群…津本一郎
1.精神分裂病と一級症状
2.カリスマ症状群
3.「するもの」と「されるもの」
4.精神分裂病と人間的自由
5.悲劇の顛末
6.結語
?]?W.Asperger症候群(高機能自閉症)の創造性…福本修
1.ジェシカ・パークの場合
a.病歴と生活歴
b.創造性の芽生えと符合からの跳躍
c.創造性の意味
2.精神医学・精神分析からみたAsperger症候群/高機能自閉症
a.精神医学上の診断基準と障害の特徴
b.精神分析の寄与
3.Asperger症者とその周辺
a.哲学者ヴィトゲンシュタイン
b.他の学者・研究者たち
〜病跡学の対象と方法〜
?T.音楽家の病跡学…新宮一成
1.病跡学の対象としての音楽と音楽家
2.楽曲分析と病跡学的考察
3「死」の病跡学
4.歴史と共同体の病跡学
5.音楽の病跡学への精神分析学的アプローチ
?U.FreudとJung…福本修
1.FreudとJungの創造性
2.Freudの病跡と創造性
a.公式的伝記素描
b.その後の見解―女性という謎
3.Jungの病跡と創造性
a.公式的伝記の素描b.さまざまな見解
c.精神分析からみて
?V.移行現象と芸術的創造…藤山直樹
1.Freudにとっての芸術的創造性
2.対象関係論とくにKlein派にとっての創造性
3.Winnicottの発達論
4.移行対象、移行現象、中間領域、可能性空間、「私たちの生きる場所」
5.芸術作品は移行対象なのか
?W.精神療法と病跡学…遠藤裕乃
1.精神療法と病跡学の接点
2.精神療法的視座による漱石文学の理解
a.『こころ』
b.『坑夫』
3.病跡学の奥深さ
?X.創造の病い…内海健
1.概念
2.フェヒナー
3.フロイト
4.ニーチェ
5.展望
?Y.エピ-パトグラフィー…吉野啓子
1.エピ-パトグラフィーの概念
2.エピ-パトグラフィーの発展
3.美的エクスタシス―創造活動と精神病理に共通するもの
4.エピ-パトグラフィーと美的エクスタシス
5.エピ-パトグラフィーの原点―光太郎・智恵子
6.作品論からみたエピ-パトグラフィー
a.日本の作家の場合
b.イギリスの作家たち
c.イタリアの戯曲家ルイージ・ピランデルロの場合
7.一体的共同体が発症を促すとき
8.創造過程の三者構造
9.創造をめぐるもう1つの二者関係―創造の媒介者
10.創造をめぐる複数の関係のもつ可能性
?Z.作家・思想家による病跡学―当事者からみた創造と病い…高橋正雄
1.序論
2.本論
a.ゲーテ
b.ショーペンハウアー
c.ニーチェ
d.夏目漱石
3.結論
?[.創造における媒介者と役割
1.媒介者の役割
a.共感的役割
b.エロス的役割
c.庇護的役割

コメント(1)

「心の病」が「創造」に深く関わっている。
"直観的"には正しそうで、また、たいそう魅力的な考察ではありますが、私個人としては、この学は斜陽化を免れ得ないと思っています。
「心の病」を考えた時、DSMに見られるような診断基準の変化は、定義することそのものの困難さを物語っており、また、「創造」について考察した時も、「創造されたもの」も、価値基準において決して安定的ではなく、大雑把に見ても、時代や場所によっても異なってしまうと思うからです。
そして、この学の根底にあるのは強烈なまでの価値判断…「創造」というのも「天才」によるという価値判断が暗黙のうちに包含されてしまっていると思うのです。
一見、この分野が興味を引き、脚光を浴びそうなのはこの学が、我々人間の自己同一性の獲得にあたって、多様化の中でモラトリアムを余儀なくされた社会の成員たる個々人がまるで不安定な自己存在の拠り所としているように見えるのです。
これは勿論、ポストモダンといった思想的潮流と無縁ではないと思うのですが、「創造」においても、アノミーといった概念と多様化が同義語のように共存した先進国(?)社会の中で、「通約不可能性」に耐えきれずに表現(創造)を通して自己の確立をはかろうとしているのではないかと。
さらに、この学自体が抱えるジレンマ…
逸話法の集積から実証主義的方法へ。
この学が学問たり得るかという問題です。
人間の人格形成が、包括的な心理学の中においては、遺伝的な要因と環境的な要因の相関で成り立つという基本合意がなされているなか、しかも、先天性の問題は科学とよく馴染み長足の進歩を遂げています。
このような中で、この学、というよりもこの概念の存在意義を見いだそうとするならば、寄生木の為の有用性を無為に肯んずるのではなく、そして孤高性を保ったまま科学への進化を目指すのでもなく、包括的な人間理解という文脈で、多様な認識、世界観、内的世界を表し得るならばどれほど素晴らしいかと思います。

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