エピローグ
『Episode of Lady Lupin』
ぴーんぽーん
ぴーんぽーん
古びた安っぽいチャイムが鳴り、程なくして鍵を開ける音ががちゃがちゃと聞こえた
鉄製の玄関が、ギィィ、と音を立てて開くと、中から中南米系の若い女が顔を出す
玄関の前に立っていたのは、残暑厳しい九月初旬だというのに、黒い長袖のＹシャツを着た若い男と、可愛らしいパステルカラーのＴシャツに、ハーフパンツ姿の小学校高学年ぐらいの幼い少女
「…ボス、待ってるよ」
女は、二人を一瞥すると、無感情の抑揚のない声で言った
「ああ、わかってる
呼ばれて来たし」
対象的に、男は軽い口調で言いうと、玄関をくぐり中へと入る
「おーじゃましまーす」
おどけた様子で挨拶をし、少女も男の後ろに着いて一緒に入って行った
二人はそのままダイニングを抜けると、奥の黒い扉を開けて入って行った
ガチャン、と鉄製の玄関を閉めると、中南米系の若い女……エミリは呟いた
「あれが…ユイ…」
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