第12章『Stand up』
「フン…
デクノボウが、情けない声を出しおって」
車内でモニターを見ている猪上にも、寺澤の叫び声が聞こえていた
「ワタシの創ったボディスーツが、あの程度の衝撃で中身にダメージが行くわけがなかろう」
猪上は、余裕の表情でポテチをつまみ、マサラ・チャイをすすっている
その様子を見ている黒シャツも、人間的にはアレだけど、科学者としては信頼のおける猪上の言葉を信じ、心の中で結の無事を自分に言い聞かせていた
しかし、その黒シャツの視線の先の結は、しばらく経っても動く気配を見せない
「…おい…まさか…」
寺澤がかすれた声をだし、最悪の想像を過ぎらせる
「んなわけねぇだろ」
寺澤の独り言のような呟きに答えるようにヒデは言い、投げ飛ばした結の方へ歩み出した
「この俺とここまでやり合うモンスターが、この程度でくたばるかってんだ」
眼前を通り過ぎるヒデに、寺澤は構えて見せるが、文字通りの化け物相手に、その構えから攻撃に移ることができないでいた
「よぉ、小娘
いつまで寝てんだ」
割れた自動ドアの前に、腰に手を当てて仁王立ちに立つヒデ
そこには、小さな結の体が、横向きに伏せて倒れている
【次ページ】
http://
【前章】
http://
『コメント』
http://
『目次』
http://
|
|
|
|
|
|
|
|
次郎の携帯小説 更新情報
-
最新のイベント
-
まだ何もありません
-
-
最新のアンケート
-
まだ何もありません
-
次郎の携帯小説のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています
人気コミュニティランキング
- 1位
- お洒落な女の子が好き
- 90067人
- 2位
- 写真を撮るのが好き
- 208325人
- 3位
- 酒好き
- 170697人