第６章『Morning』
ヘリは、結の家の近くの河川敷のグランドに降りた
近く…と言っても、普通に歩くと30分はかかる距離だが、結なら５分足らずで走り抜ける
結はヘリの中にあった自分の荷物を持って、寺澤が出してくれたＴシャツと短パンのまま、早朝の町を駆けて行った
団地に着き、明日香のことが気になったが、もうすぐ父親の帰ってくる時間なので、とりあえず帰宅した
団地の外れの木造二階建てのアパート
築年数40年以上になる古いアパートで、同じものが三棟並んでいる。
鉄の階段をカンカンと音を立てながら、結は二階の自宅へと向かう
昨夜帰らなかったことをなんて言い訳しようと、思考をフル回転させながら、他の部屋よりもちょっと小綺麗な、自宅の玄関を開ける。
この小綺麗な玄関を見る度に、結は自分でテーブルを投げて壊した、古い戸ことを思い出す。
玄関を入ると、4.5畳のダイニングと、奥に6畳の和室がある
ダイニングには、4人掛けのテーブルがあり、テーブルの上には、チラシの裏に書かれたメモがあった
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