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BDについてもっと知りたい!コミュの第6回BD研究会実施報告

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日時:2006年8月20日 日曜日 午後1時〜5時

場所:新宿区・東京日仏学院 108号室

参加者:abeilleさん、Freddo さん、takatakata さん、アキタさん、天野護堂さん、カズキさん、ショードヴァル、粋狂さん、ちほさん、椿屋さん、のりおさん、ゆうじ(山本)さん、りんちゃんさん(計13名、アルファベット順、続いて五十音順)

概要:
13:00〜
雑談をしながら、持ち寄ったBDに目を通したり。椿屋さんのPeeters(ペータース)& Schuiten(シュイテン/スクイテン)コレクションや takatakata さんが持って来てくださった発表絡みのBDやフランス人による少女マンガ(!)など、今回も興味深いBDがたくさん揃いました。持ってきてくださった皆さん、ありがとうございます。

13:40〜
自己紹介

14:00〜
takatakata さんによる発表。「出版界から見た現代のBD」という感じでしょうか。

■出版点数
2005年度のBD新刊は2,701点。これは出版界全体の5%に当たる数字で、既存の作品も含めると、BDは出版の12%を占めることになる。BDと言ってもこの中には、翻訳作品も含まれており、近年では特にアジアの作品の割合が増えているため、フランス語圏の作品を中心にした純粋なBDの数は上記の数字よりかなり少なくなる。アジアの作品の点数は、具体的には日本のマンガの翻訳が937点、韓国195点、香港9点、中国1点である。これらを合計すると1,142点となるが、この数にさらに英語圏の作品の翻訳が加わることになる。参考までに2002年に出版された日本のマンガの点数(雑誌を含む)を掲げると、9,829点である。

■出版社
BDを扱う出版社は203社。この中には年間に1点しか出版していないものも含まれており、主要な出版社の数は限られている。市場の70%を占めているのは、たった17社の作品である。

■作家
原作者、作画家、着色家を含め、BDで生計を立てている人の数は1,322人。その内、原作者が218人であり、また女性作家の数は121人である。BD界全体における女性の数の少なさは顕著だが、2004年の数が109人だったことを考えると、増加してきていることも確かである。また、作画家の原稿料は、平均で1ページにつき、200ユーロ、日本円にして3万円弱である。新人など少ない場合で、90‐100ユーロ、多い場合には1,000‐2,000ユーロということもあるようである。参考までに日本のマンガ家は新人で1ページにつき1万円未満ということもある模様。

■BD業界の活性化
90年代に雑誌の減少などもあり、年刊出版点数が1,000点未満に落ち込んでいたこともあるBD業界だが、2001年に1,292点→2002年に1,494点→2003年に1,730点→2004年に2,120点→2005年に2,701点と着実に出版点数を伸ばしてきている。活性化の要因としては、『BoDoï(ボドイ)』をはじめとするプレビュー雑誌の増加、 Soleil(ソレイユ)社など新しい出版社の登場による若年層の開拓、新しい作家の台頭、日本マンガの影響などが挙げられる。

■日本マンガ
目ぼしいものはほとんど翻訳されている感のあるマンガ。日本のマンガを翻訳している出版社の中で、現在特に力を持っているのは『ナルト』、『遊戯王』などを翻訳出版している Dargaud(ダルゴー)社、次いで『ドラゴンボール』や『ワンピース』を出版している Glenat(グレナ)があり、それを追う形で Pika edition(ピカ・エディション)と現在は Delcourt(デルクール)社のパートナーとなっている Tonkam(トンカム)がある(ちなみにトンカムは日本マンガを翻訳している老舗で、清谷信一『Le OTAKU』や夏目房之介『マンガ 世界 戦略』で紹介されていたりします。)。フランスにおけるマンガの地位はかなり高まってきており、マンガ・スタイルで作品を描く若者が増加する一方で、80年代以降重要な役割を担ってきた出版社 LES HUMANOÏDES ASSOCIÉS(レ・ユマノイド・アソシエ)がマンガ・テイストの雑誌を出版する予定があるとか。マンガとBDの融合の一例として、Morvan(モルヴァン)作、寺田亨作画『Le Petit Monde(小さな世界)』(Dargaud)が挙げられる。

■新しいBD
大局的に見て、BDが男性をターゲットとしていることは疑いを入れないが、徐々に今まで扱われてこなかったテーマが扱われるようになってきている。例えば、Lynda Corazza(リンダ・コラッツァ)は『Je veux un bébé! (moi non plus)(赤ちゃんがほしい![いや、いらん…])』(Delcourt)で出産というテーマを扱っているし、Rabaté(ラバテ)は『Les Petits Ruisseaux(小川)』(Futuropolis)の中で老人の「セックスとドラッグとロックンロール」(!)を描いている。

15:00〜
椿屋さんによるPeeters(ペータース)& Schuiten(シュイテン/スクイテン)作品の紹介&解説。関連DVDの鑑賞。BD制作の現場をのぞくことができる貴重なDVDです。

16:40〜
アキタさんによる京都国際マンガミュージアムのご紹介。

17:00〜
終了。片付け。

コメント(8)

なんか、参加できなくてとても残念です。
とても面白そうなお話ばかりだったのですね

今回Bodoi買ってきましたよ
今度持って行きますね
Spirou特集だし
>Kigalisoupe さん
こちらも残念です。Kigalisoupe さんがいらっしゃれば、さらに議論が活発になったはずですし。次回を楽しみにしてますね。
『Je veux un bébé! (moi non plus)』の画像を見つけたので、貼っておきます。
そしてRabaté(ラバテ)の『Les Petits Ruisseaux(小川)』。これ、絵がすごくいいんですよねー。読みてー。
一冊の売り上げが90年代より下がった、と出版側は困惑しているようですが、これだけ出版点数が増えているのだから、仕方ないようですね。
知り合いのBD作家、彼はまだ駆け出しですが、彼の原稿料は、1ページにつき30ユーロです。
それでOKしたの?と驚きましたが、そんなもんだそうです。
アリスさん、情報ありがとうございます! 30ユーロなんてケースがあるんですね! フランスでも漫画家の原稿料が安い…なーんてことになっていくんでしょうか。カラーが減り白黒ばかりになったりして… まあ、それはないか(笑)。出版点数が増え、テーマに多様性が生じるのはいいことでしょうね。
なんだかバタバタしていて、ミクシィに書き込みできなかった間に、興味深いトピックが増えていますねぇ。

研究会実施報告ありがとうございます!
興味深い内容で、出席できなかったのが本当に残念。
Rabateの「Petit Ruisseaux」は、読んでみたいと思っていたところだったので、早速入手しました。
パラッと見た感じ、絵や色使いが本当にキレイ。
読んだらレビューをアップします。

確かに毎月、本屋さんには興味をそそられるBDの新刊がずらっと並び、気をつけないと衝動に駆られて思わぬ散財をしてしまうことに・・・
新人により多くの出版機会が与えられているのはいいけれど、作品が実際に本屋さんに並ぶかどうか(またどれくらいの期間並べられるか)となると、難しい状況であるようですね。

次回の報告も楽しみにしております!
>ness さん
ありがとうございます! 『Petit Ruisseaux(小川)』紹介楽しみにしてますね。報告は早速今日アップします。

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