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BDについてもっと知りたい!コミュの「スイスコミック・アート展」のお知らせ

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Kigalisoupeさま
ショードヴァルさま
奥手な私に代わって告知ありがとうございます。
改めて宣伝させていただきます。
皆様、特に最終日7月29日のワークショップ、
BD作家と交流できる滅多にない機会です。
Kigalisoupeさんが通訳をしてくださいます。
腕に覚えのある人も、ない方もぜひ、
お誘いあわせの上おいでください。

「スイスコミック・アート展」のお知らせ
会場:東京工芸大学(中野キャンパス)
芸術情報館2FギャラリーB
(地下鉄丸の内線、大江戸線「中野坂上」駅より徒歩7分)
会期:7月29日(土)まで
観覧料:無料、休館:日曜

日本ではあまり知られていないことですが、
コミックのルーツは19世紀前半のスイスにあります。
そんな国の多彩に開花したコミック・アートの数々を、
12人の現代アーティストのカラフルでユニークで
テクニックの高い仕事を通じて紹介します。

●テーマ「時間(TIME)」によるスイス作家12名と
日本作家4名を加えたコラボレーション展示
〔スイス作家〕
マティアス・グネーム Matthias Gnehm
ゼップ Zep
ワゼム Wazem
ノワイヨ Noyau
ナディア・ラヴィショーニ Nadia Raviscinoni
トーマス・オット Thomas Ott
アナ・ゾマー Anna Sommer
ミックス&レミックス Mix & Remix
トム・ティラボスコ Tom Tirabosco
ヘルゲ・ロイマン Helge Reumann
フレデリック・ペータース Frederik Peeters
コゼイ Cosey
〔日本作家〕
五十嵐大介、近藤聡乃、佐野絵里子、しりあがり寿

*この展覧会は昨年、川崎市市民ミュージアムで開催した
ものの巡回展ですが、より各作家のアルバム(単行本)を
充実し、手にとって読めるようになっています。さらに‥

●来日作家2名によるワークショップ(参加無料)が
行われます。日本のマンガにはない独特のテクニックを
学べます。
日時:7月29日(土)
午前の部(午前10時半〜12時半、講師:ワゼム)
午後の部(午後2時〜4時、講師:トーマス・オット)
申し込み:Faxまたはハガキにて次の事項を下記連絡先へ
?住所 ?氏名 ?年齢 ?性別 ?電話番号 ?希望の部

問い合わせ先:
164-8678 中野区本町2-9-5 東京工芸大学庶務課
03-5371-2741(午前9時〜午後5時)
Fax:03-3372-1330

*写真を入れるためトピックも立てさせて
いただきました。
左から会場風景(真ん中でアルバムを読めます)
中はワゼムの作品「時間(TIME)」
右はトーマス・オットの作品「時間(TIME)」

コメント(28)

天野様
何度もありがとうございます。
川崎では読めなかったアルバムが
今度はじっくり拝めますので、
ゆっくりしてってくださいね。

行き方等、大学のHP
http://www.t-kougei.ac.jp/
をご参照ください。
昨日ぎりぎりでワークショップの午後の方に申し込みました。
楽しみにしております。
よろしくお願いします。
↑同じく、午後の部、行きます。
告知見て勢いで申し込みました。 爆

よろしくです。
椿屋さん、詳細な告知ありがとうございます。ワークショップは申し込み期限があったんですね。すっかり見落としていました… 午前の部なら行けそうかなと思っていたんですが… 残念… 火曜日の午前中におそらくお邪魔しますね。
ショードヴァルさま
しめきりはあってなきがごとし。
当日飛び込みでもOK。
と担当が申しておりました。
ぜひワークショップご参加ください。
ワゼムさんにユマノイド社のことでも
聞きましょう。
ワークショップは大学の都合で行けないのが残念ですが、今週の適当な平日に訪問しようと思います。研究室サボって^^
あってなきがごとし! それじゃあお邪魔しちゃおうかな。ただ、僕自身絵を描くわけではなないので、ちょっと不安も… ワークショップなのに見学してるだけなーんてことになってしまいそうですがよろしいでしょうか?
椿屋様
ご案内、ありがとうございます。
残念ながら29日(土)は、会社の総会があるのでワークショップにはお邪魔できそうにありません。どうもBD関係の集いになかなか参加できずにいます…。
が、会期中には(たぶん平日午前中になりますが)足を運んでみるつもりです。
今日行ってきました。
ほぼ貸切状態でじっくり鑑賞できて、すごく良かったです。
僭越ながら、今回紹介されている作家について少し詳しいことを。
29日にお手伝いさせていただく関係でアルバムを椿屋さんからお借りすることができました。
椿屋さん、ありがとうございました。
画像はトーマス・オットのアルバムです。
台詞が全くないので、どなたでも読めます。椿屋さんのお話だと。黒い紙を削って書いていくとか。
29日のワークショップで明かされるのでしょうから、楽しみです。
作品はちょっとミステリーがかったホラーっぽいものをお借りしました。ちょっとヒッチコックを思わせる雰囲気のある作品です。
以前、フレデリック・ペータースの「Pilules Bleues」というBDを読んだことがあるので、
ご紹介します。
これは、スイスの出版社Atrabilから出ているBDで、いろんなところで高く評価されているようです。


フレッドとカティが最初に出会ったのは、フレッド19歳の夏。
何年かの紆余曲折を経て、二人はデートをするようになる。
ある晩、フレッドの自宅でたのしく会話をしながら夕食を食べていると、
見つめ合う二人の間にはある種の親密な空気が流れはじめ・・・
そして、カティはフレッドにある重大な告白をする。

簡単に言えば、カティとフレッドが一緒に暮らしはじめる、
というごくごく普通のラブストーリー。
ただ一つ、カティとその息子がHIV感染者であるということを除けば・・・

「HIV」というと一見、社会的なメッセージを含んだ重い話のような気がしますが、話はそれほどドラマチックな展開をするわけれはありません。
ただ淡々と、病気を抱えた親子と一緒に暮らし、彼らとの日常生活の中で発見したことや考えたことを綴り、前向きに生きていこうとする、というシンプルな話です。

でも、ページをめくっているいるうちに、実はとてもシンプルなことが一番大切なことなんだ、とヒシヒシと感じられる感動的なお話でもあります。

白黒の、ブリュッチ(Blutch)を彷彿させる無骨なタッチの絵が印象的です。

フレデリック・ペータースの作品としては他に、「LUPUS」や「KOMA」が代表作として挙げられます。

Atrabileのサイトはこちら。
http://atrabile.org/frederikpeeters/
また、こちらのサイトにExpoとインタヴューが載っています。
http://www.bdgest.com/expos.php?IdExpo=15
Kigalisoupe さん、ness さん、ご紹介ありがとうございます。トーマス・オットのBDは濃密な闇という感じですよね。何やらおそろしげです。ness さん、せっかく内容の紹介をしていただいたので、トピを立てていただいても…(笑) フレデリック・ペータースはちょっと読んでみたいです。

僕も今日仕事帰りに行って来ました。のりおさんと同じく貸し切り状態でした(笑)。原画(?)の展示と共にBDを閲覧できるスペースがあって、とてもよかったです。展示されているしりあがり寿のマンガがちょっと笑えますね。漫画というよりはほとんどアートに近いのかもしれませんが、アナ・ゾマーが個人的には好きです。展示作品は切り絵で作ってあるようなんですが、そういうアクロバティックな側面を除いても素晴らしいです。アナ・ゾマーに限らず、BDの原画って美しいものなんですね。漫画として読む時にはコマ割の単調さが気になったりするもんですが、展示される場合にはこういうのもありなのかなと思ったりもしました。ワゼム、コゼイあたりもぜひ読んでみたいですね。コゼイの『ピーター・パンを探して』が気になります。ただ、ちらっと見る限りではセリフが長いんですよね… 読み始めてしまえば問題はないんでしょうが、ちょっとめげそうな気がしてしまいます(笑)。フレデリック・ペータースとゼップは日仏にもあったような気がするので、この辺も読んでみたいです。今回の展覧会みたいな感じでいろんな国の漫画に接する機会が持てるとすごくいいですね。椿屋さん、ぜひよろしくお願いします!
"Presque Sarajevo" Wazem

29日のワークショップの講師ワゼムさんの Presque Sarajevo を読みました。こちらも椿屋さんからお借りしたものです。椿屋さん、ありがとうございました。
タイトルは「ほとんどサラエボ」、「サラエボ未満」というところでしょうか。

戦争から4年経った1999年の夏、ピエール・ワゼムはほかのスイスのBD作家3人、 Tom Tirabosco、Frederik Peetersフレデリック・ペータース(このふたりは今回のコミックアート展でも紹介されています)、とAlex Baladiアレックス・バラディと共に文化交流の目的でサラエボに招待されます。
一週間の滞在を描いたのがこの作品です。

プロローグはワゼムが9.11の映像を見ているところからはじまります。最初読んだとき、このプロローグの意味が分からなかったのですが、実は大きな意味があることに後で気づきました。

このサラエボ滞在記は3部からなっています。

第一部はサラエボ到着。

ニュースの映像でしか知らなかったサラエボの町と現実のサラエボとのギャップ。
「終戦後」という立場の意味。あらゆる形の「軍隊」の存在、つまり軍人たちの姿が異様に多いことに驚かされる。町のいたるところに爆撃のあとが残っている。しかし復興の日は遠い。援助ということで供給された路面電車に描かれた宣伝は1950年代のものだったりします。そんな中でひとびとは一見人生を楽しんでいるかのように見えます。町のあちらこちらで綺麗な彩りのパラソルが広げられ、町行く人たちの身なりはとてもいい。しかし真の意味での復興はゆっくりで、ほんとうにこの人たちが復興を望んでいるのか、自分達の不幸を嘆くことに慣れてしまっているのではないか。国連はここでも「平和」と「なにも起きない」ということを取り違えていないか。ワゼムは外からの目で素朴な率直な疑問を抱きます。
他国のこういう絵からもたらされるリアリズム。そして少しきつい皮肉とユーモア。これがこのひとの魅力なのでしょうか。
そんな中、彼らは今回の交流の相手の画家たちと出会います。その中のひとり、アンドレイだけが妙に饒舌で、理屈っぽい。ほかのひとたちはみんな安奴隷に遠慮しているかのようです。アンドレイはなにごとに一家言あり、政治の話、国連批判、人道的援助の批判、そして自慢話と、ひとりよがりの話を続け、みんな辟易しています。
ワゼムはサラエボに対する微妙な違和感を覚えます。

第二部はサラエボの印象をもっと深く描いています。、
終戦後の復興の真っ只中ということで、外国人の観光客はほとんどいません。だからほかの外国人がいれば何かするため(復興のため)にいるのですが、そんな中で、文化交流とは言え、BD作家としてこの場所にいるという居心地の悪さというのもよく現れています。たとえば、ホテルで出あった女性にここでなにをしているのかと訊くと、カメラマンの恋人が戦争中に亡くなった。そのとき一緒にいたひとと翌日会うことになっている、と言われます。そして逆に女性から「あなたはここに何しに来ているの?」と尋ねられ、つい「なにも」と答えてしまうワゼム。
また、ボスニアの画家たちとの交流では、相変わらずアンドレイの独り舞台ですが、いわゆる「地雷撤去作業」が実はメディアの作った「伝説」だということをききます。つまり、テレビはいつも同じ場所の映像を映すが、そこにはもう地雷は殆ど撤去されていてもうのこっていない、とか。
とはいえ、ワゼムは世界中をまわってきたひとらしく、今回もじっとしていないで、町を歩き回ります。市場で彼はひとりの女性と出会いますが、彼女の話は驚くべきものでした。彼女はアパートの一室に隠れていたスナイパー(60歳の女性!!)の逮捕に協力したのですが、戦争後、そのスナイパーは解放されました。いつ町でばったりと会うかもしれない、と話すこの女性に、戦闘が日常化し、そして隣人同士が争った内戦と言うもののすごさをこのエピソードはよく語っています。
また、どんなに「平和」を願っても、これだけ近い人たちによって繰り広げられた戦争と言う性格上、心のわだかまりと憎しみはなかなか消えることはないだろうと、ワゼムはひとり思います。こういうところもとても正直だなぁと思いました。

第3部はワゼムが母親から勧められたドブロヴニク(クロアチア)に仲間達と行く話です。ドブロヴニクは「アドリア海の真珠」といわれた町ですが、やはり戦争の影響で観光客はほとんどいません。また爆撃にもあっています。
おもしろいのはワゼムがドブロヴニクに行きたいというと、ボスニアの受け入れ機関のひとたちが必死になって国境越えるのは危ないからやめろととめるのです。ワゼムが戦争を経験しているのに、「危険だ」といってとめるこの人たちって、いったい……という絵がものすごくいいです。


この本は全編白黒で描かれていて、テキストの部分も多く、かなりごちゃごちゃしています。建物など町並みの絵にとても素敵なまるでグラヴュールのようなものもありますが、全体的にちょっと読みにくいな、というのが最初の感想でした。
でもそれを差し引いても、いろいろ深い考察もあり、先入観にとらわれない真摯な目で訪れた国を見ようとする作者のスタンスに共感しました。
何度も細かいところを読み返せばまた新しい発見もあるだろうと思います。
特に最初の9.11のニュースから始まることの意味は、読後、少し理解できました。つまり、9.11の後、世界は旧ユーゴのことをほとんど忘れてしまっているかのようだ。メディアは9.11だ、ビン・ラディンだ、と次から次へと新しい対象を変えていきますが、サラエボではまだ戦争は現実でそこで生きているひとたちがいて、生活もしている。
テレビの映像を通すと、すべてが同化され、特異性が失われるような感じがする。
全体がそのことに対する批判になっているように思えました。

タイトルの「presque」ほとんど、という意味はサラエボへ行ってきたけれど、なにも分からなかった。というワゼムの謙虚で正直な気持ちの表れなのでしょう。

ますます29日にお会いするのが楽しみになってきました。
皆さん
いろいろと、作家紹介のフォローありがとうございます。
ご来場いただいたみなさまもありがとうございました。
いよいよ明日、「スイスコミック・アート展」も
ワークショップで最終日です。
無事、2名の作家も来日しまして、ワークショップ前後、
昼休み、終了後も交流の機会が持てそうです。
おそらく、夕方から懇親会を大学周辺にて
行いますので、よろしければおいでください。
(自費負担になりますが‥)
私、椿屋のPHSは
070-6663-0794です。
 29日夜の懇親会にお邪魔いたしました。遅く着いて早く帰ったので、正味2時間ほどしかいられませんでしたが、オットーさんとワゼムさん、ワーク・ショップに参加された方々のお話を伺うことができました。
 オットーさんが非常に快活な方でご自身の作品を解説してくださったのが印象に残っています。絵が恐ろしげなんで、どんな危険な男なのかと思っておりましたが、なんかお洒落で今時の若者的(?)な方でしたね。『panopticum(パノプチコン)』という作品をその場で見せてもらいましたが、フリークス愛のある方にはきっとたまらない作品だと思います(実際、ご自身もトッド・ブラウニングの『フリークス』とか好きとおっしゃってました)。一切セリフのない作品で、内容的には縁日に訪れた少女が3つの映画を見るというもので(映画の原型になった覗き窓式の映写機、何て言うんでしたっけ…? それで見るんですが…)、そのそれぞれの映画が3章仕立てで語られていきます。最後には映画を見ていた少女が… キャー!という感じです。基本的にはどれも不気味な話なんですが、ユーモアもあって、非常に素晴らしい作品です。個人的には楳図かずおや日野日出志を連想してしまいました。この日本の巨匠を知っているのか質問すればよかった… あと丸尾末広とか。セリフがないんで、どこか出版する気はないんでしょうか? 『Bunny Suisides』の日本語版が出てるくらいだからいけるような気がするんですが… 
 それにしても、あらかじめ作品を読んでおけばいろいろと質問もできたのに…と後悔することしきりです… この次こういう機会があれば、かならず読むようにしよう… ワーク・ショップにも出たかったなあ… 参加なさった方、ご報告お待ちしています!

* 画像は『パノプチコン』から。「パノプチコン」と言っても、フーコー的な意味合いはなさそうです。広い意味で見ることの悦楽と恐怖を語ってはいそうですが…
>それにしても、あらかじめ作品を読んでおけばいろいろと質問もできたのに…と後悔することしきりです… 

せっかく椿屋さんが前回のBD研究会でおふたりの作品をもっていらっしゃったのに、今度の仕事の予習をいい口実にわたしが全部お借りして持って帰ってしまったのでした。
すみません
でも、おかげでちゃんと仕事できたと思ってます。
(ここでうりぼうさんが首を傾げたりして……)
>(ここでうりぼうさんが首を傾げたりして……)
い、いいえ、めめ滅相もございません!Kigalisoupeさんのおかげで講師の方々のお話が理解できましたし、コミュニケーションもできたので、非常に助かりました。日頃ネットや書籍等のメディアで色々と読みふけっている時の癖が、講義中に無意識に出てしまいまして、その節はどうも失礼しました。いやもう、お恥ずかしい次第です。

ワークショップ体験談は、もう少しお時間を下さい。人前で漫画を即興で描いたり、その上、外国の人とお話をするという、滅多にない事をダブルでやっていたため、ものすごく緊張して頭の中がはじけていました。。。(今もちょっぴり後遺症が…)でも、大変良い経験となり、参加して良かったと思っています。懇親会まで参加させていただき、新たに参加された方々とのお話もまた面白いものでした。このような場を提供していただいて、椿屋さんをはじめ、東京工芸大学の皆様には大変感謝しております。Kigalisoupeさん、東京工芸大学の皆様、お疲れ様でした。そして、どうも有り難うございました!
>Kigalisoupe さん
いえいえ、とんでもない。やはり Kigalisoupe さんが読んでおかないと。そもそも僕は最初からワークショップには行けそうにありませんでしたし… 今後はこういう機会にもっと積極的になりたいと思います。睡眠時間を削ってでも行く!みたいな…

>うりぼうさん
お、体験談書いてくださるんですか!? お待ちしてますよー。『スピルー』見せてくださってありがとうございました!
ショードヴァルさん、
リポートの件はですねぇ、展示会が終わった後、懇親会に向かう時に、椿屋さんに全体的なレポートを、うりぼうさんにワークショップ参加者としてのレポート、そしてわたしが通訳としてのレポートをそれぞれ書いたら面白いね、という話になったんです。
私自身、今作成中ですが、けっこういっぱいいっぱいだったらしくって、色々前後して、なかなか整理がついてないんです。
とにかくてとも充実した中身の濃い一日だったので……
もう少し待ってくださいね。
その前にワゼムさんの「Bretagne」のレジュメも書かなくてはと思ってますので
なるほど、なるほどー。お待ちしてますねー。
ブルターニュ(ネタバレあり)

今回ワークショップでお世話になったピエール・ワゼムさんの作品です。
こちらも椿屋さんにお借りしました。
椿屋さん、どうもありがとうございました。

本当はコミックアート展が終わる前に書き込みしたかったのですが、展覧会がこの後も全国各地を巡回するとうかがい、ここにまた書き込むことしました。

今回のワークショップでお話をうかがって、ワゼムさんは、どちらかというと純粋な創作というものと日記風の作品の両方をト並行して描いていらっしゃるそうです。たとえば前に紹介した「サラエボ未満」(このタイトルを言ったら、先日の懇親会にいらっしゃってた大御所にほめていただいたので、嬉しくなってこの訳でいきます)はですから日記風の作品のほうです。そして今回の「ブルターニュ」は創作です。画風もまったく違います。このことについてはワークショップのレポートの方に詳しく書きますね。

さて、ブルターニュですが、ワゼムさんが影響を受けたユーゴ・プラットへのオマージュみたいな作品です。(このことはうりぼうさんが当日持っていらっしゃった雑誌の中のワゼムさんのBDにも少し描いてあります)

導入部分はある表彰式(メダル授与式?)からはじまります。それは第二次世界大戦のある作戦の生き残りふたりを称え、表彰するのでした。ふたりのうちのひとり、Le Caheル・カエ がこの物語の主人公です。

本編はこのふたりが参加したある作戦の物語です。第二次世界大戦中の1942年、サハラ砂漠の中のあるフランス軍の基地でのことです。小さなプロペラ機2機で6人の兵士が近くにあるイタリア軍の要塞を爆撃するというのが、作戦でした。6人は3人ずつに分かれて飛行機に乗り込みます。それぞれパイロット、ナビゲーター、そして兵士という構成です。ル・カエは片方の飛行機のパイロットでした。
ところが飛行機は飛び立ってしばらくすると、激しい砂嵐に巻き込まれ、不時着を余儀なくされます。2機の飛行機は離れ離れになり、通信機も使えなくなってお互いがどこにいるのか、自分達の位置すらも分からないという状態にあります。
不時着をしたとき、ル・カエといっしょにいた兵士が、どんな危険な絶体絶命の状態にあっても必ず生還するひとがいると言い出します。彼の目には、危機を脱出したル・カエがそういう生き残る才能がある人間に見えたのですが、実はもういっぽうの飛行機に乗り込んだ兵士フィラスクもまた彼らの間では幾多の危機を生き延びてきた伝説の男だったのです。
案の定、彼は生きていました。

飛行機が飛び立ってからの話はそれぞれの飛行機の話が並行して描かれています。

数日経って、ル・カエは自軍の基地のできるだけ近くまで飛ぶことを決意します。そして仲間の飛行機を発見します。
そして……

最後はまた表彰式に戻ります。
生き残ったル・カエとフィラスクのふたりは同じ席にいながら、言葉も交わさず、目もあわせません。そして式典が終わると、ふたりはそれぞれ別々の方向に去って行きます。


この物語の構成は3層からなっていて、授賞式が行われている「今」、戦争時の「過去」、そして過去においてときどきル・カエによみがえる思い出がフラッシュバックのように挿入されます。この3つの時間の絵のタッチがまったく違います。
戦争の部分がいちばん劇画的ではっきりとしていて、今はとても線がラフで、まるで下書きかなにかのようです。そして過去の中の過去の絵は彼が戦闘中に置かれている現実とはかけ離れた平和なイメージでとても柔らかく、暖かいです。それぞれの絵の描き方に意味があることを最後になってわかりました。

さて、最後までどうしてもわからなかったのがタイトルの「ブルターニュ」。なんでブルターニュなのか。舞台はサハラ砂漠だし……
ということで、ワークショップの日、ワゼムさんご本人にうかがってみました。

すると、現在のシーンはブルターニュなのだそうです。ちょっとしたディテールでそうとわかるようになっているらしいです。
それから主人公の名前がル・カエというのですが、これも典型的なブルターニュの名前だそうです。
そしてこの主人公は戦争中も心はブルターニュにあったということを示しているそうです。
深い!!
ぜったいわかりっこありません、わたしには!!

またこの物語は戦争の不毛さや欺瞞を描いています。ある意味強い反戦メッセージが受け取れます。
懇親会の時に、ワゼムさんに申し上げたのですが、わたしが若い頃(1960年代後半から70年代)は、いわゆる「アンガージュマン」というのが流行っていて、思想のために作品があるというような、政治色の強い作品が多かったのですが、あまりにも思想が前面に出てくるため、作品としてあまり面白くないものもずいぶんあったような気がします。ワゼムさんは作品に強いメッセージを感じるのですが、だからといって、なんらかの思想を高く掲げて、主張するという感じはしません。読者が読み終わると、感動と共に、じんわりとメッセージが伝わっているというような感じです。
「アンガージュマン」と騒いでいたときよりも、かえって拒否反応なくすんなりとメッセージが受け取れる。そんな感じがしました。

いつもながら、わたしのレジュメは長くなってしまいますね。
お付き合いくださり、有難うございます
Kigalisoupe さん、ご紹介ありがとうございます! これ、非常に面白そうですね! 授賞式が終わり別々の方向に向かっていった2人の間に何があったのかとても気になる! 「今」を描く絵がラフで、過去がはっきりと描かれているというのは素晴らしい着想だと思いました。ちょっと読んでみたいなー。サン=テグジュペリの『夜間飛行』とか宮崎駿の『紅の豚』とか、他の空ものと比較するのも面白いかもしれませんね。
ショードヴァルさん、
Bretagneも Presque Sarajevoも 椿屋さんにお返ししました。
ぜひぜひ読んでみてください
 ワークショップ体験談です。当日飛び入り参加だったのですが、快く応じて下さって、どうも有り難うございました。


 午前の部はワゼムさんの担当で、冒頭で自己紹介とフランス語圏スイスの漫画事情の解説。その後、用紙が配られました。6コマ(横2×縦3)にコマ割りされたA4サイズのコピー用紙で、課題は「今日、朝からここに来るまでの出来事を描きなさい」というものでした(一切セリフ無しで)。ワゼムさんは毎日の最後に、この形式でその日の出来事を描き続けているのだそうです。所要時間は30分程度で下書き無し、とおっしゃっていたと思います。各人の作品を見て回って講評し、ひとしきり済んだら、自由課題でもう一枚描くことになりました。しかし、即興で自由課題というのは難しいものです。自分で描いていて内心「う、つまらない(汗)」って思ったし…


 午後の部はオットさん。やはり自己紹介と、ドイツ語圏スイスの漫画事情の解説で始まりました。それから、オットさんの作品の読者が製作したDVD作品(各コマを紙芝居の様に繋げた映像にBGMを付けたもの)が上映され、その後、実技に移りました。午前と同様の6コマの用紙が配られ、課題は「1)ひとコマだけ切り取ったものを2枚用意して、お互いに何の脈絡もない絵を描くこと。2)全6コマ中にその2つのコマをどこかにはめ込んで、一つの物語を作ること(やはり一切セリフ無しで)」というものでした。配られた用紙を1コマずつバラバラに切ってカードみたくしたのに絵を描いて並べていくのですが、ここで私はちょっと悩みました。日本と海外ではコマを読んでいく順番が違うけど、オットさんに見せるのなら左上から横に並べるのが順当だろうと思いつつも、日本のマンガを読み慣れた自分には何か抵抗を感じてしまったのです。かといって、コマに番号を振ると「番号は振らない方が柔軟に並べ替えが出来るし、新しいアイデアも湧くでしょう」と言われてしまうし、ちょっとした文化摩擦を感じたひとときでした。

 ひとしきり実技が終わった後、黒いスクラッチボードをカッターで削る技法を披露して下さいました。最初に製作過程を紹介されたのですが、【シナリオ】→【絵コンテ】→【カード大のスクラッチボードに一コマぶんの下書きをしてカッターで削る】→【貼り合わせる】→【拡大印刷】という、非常に独特なものでした。カッターをペンのように持って線を描いていく感じなのですが、通常の紙とペンの描き方とは白黒逆だし、白い線の密度と流れで陰影を表現していく所など、不思議な感じでした。ボードを貰って実際に削ってみましたが、綺麗な線が引けず、なかなか上手くいきませんでした。



 UPした画像は以下の通り(スキャナを持っていないのでデジカメで撮影しました。ちょっといびつになってしまって済みません)
 左)BD雑誌「BANG!」のコルト・マルテーズ特集に載っていたワゼムさんのエッセイ漫画。ワゼムさんがユーゴ・プラットの「Les Scorpions du désert」の続編の依頼を受けて作品が出来上がるまでを描いたもの。このページは仕掛かり始めで悩んでいる所にプラット先生が降臨してツッコミを入れるという、プレッシャーの強さがうかがえる場面です。
 右)オットさんから頂いた絵葉書の数々。人物の立体感や洋服の質感等、じっくり眺めていると色々と勉強になります。


 ……と、長文になってしまいましたが、不十分なところも多々あり、上手く書ききれなくて済みません。ツッコミやフォロー等ございましたらどうぞよろしくお願い致します。このワークショップ、実技に参加しなくても、講師の方々のお話を聞いているだけでも面白くて有意義なんじゃないかと思いました。作品世界への理解も深まりますし。「見学のみ参加」なんていう枠があれば参加したいという方も多くいらっしゃるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか(難しいかな…?)。
肝心の主催側の報告が送れてしまい、大変すみません。
東京工芸大学・中野キャンパス映像情報館の「スイスコミック・アート展」も無事終了し、スイス作家2名(ワゼム&オット)も今日無事帰国予定です。
展覧会においでくださった方々、急な連絡にもかかわらず最終日のワークショップに参加くださったみなさん、本当にありがとうございました。
もう、ワークショップに関してはAbeilleさんやうりぼうさんに十分書いていただきました。それからなによりKigalisoupeさんには一日中の通訳だけでなく、特にワゼムの2作品紹介とそれぞれの傾向の違いを読解していただき、作家本人の自己分析とあいまって非常に有意義な機会となりました。厚く御礼申し上げます。ショーさんもお忙しいところ駆けつけてくださって感謝感謝です。
私があと何を書き足そうか考えましたが、オットさんのWSを写真で抑えてありますので、それをアップします。例のカッター技(意外に小さい紙なのでビックリ)公開してくれました。昨年のゾマーさんも「刃先をペン先と思えばいいの」と言ってましたっけ。
さて、実はこの展覧会&WSですが、8月末に広島アニフェス会場(展覧会のみ)、10月に「京都国際マンガミュージアム」オープニングイベントとして(こちらにはWSがあり、コゼイ、ペータース、ノワイヨ、ミックス&レミックスの4作家が来日予定です)、その後神戸芸工大にも巡回予定です。また詳細は追って報告します。各地の皆さんお楽しみに。

本日夕方より中国・広州のマンガ・アニメイベントに行ってきます。9日帰国予定です。
椿屋さん、Kigalisoupeさん、うりぼうさん、ショードヴァルさん、参加した皆様お疲れさまでした。楽しい機会をありがとうございました。

私はOttoさんのWSに参加し、その後の懇談会にも参加させていただいたので、その時のOttoさんとの刺青話を日記の方にちょっと書きました。
ショードヴァアルさんからこちらに載せてもいいのでは?とのお言葉もありましたので、作家の一面(というか飲み屋話)として私が感じた事という感じで載せさせていただきます。

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写真はWSの時に「宿題で家に帰ってでもやってみてくださいね」といただいたOttoさんのエッチングの様な手法(表面が黒いGRATTAGEというボードをカッターで削ってゆくので、エッチングやグラヴィュールと違い、光を削って陰を残す感じでなかなか難しいです)を真似して、Ottoさん風にちょっとブラックな物を描いてみました。
カッターの角度や力の入れ方になれないと、なかなか思うような線で削れないし、うつむいてカリカリと削ってるとなんだか無心に心象風景を書き出しているような気持ちになってきて、きっとOttoさんも肩こり持ちだろうなぁと思ったり。いや、外人には「肩こり」っていう概念がないみたいだけど。

イラストを描くことはセラピーの様なもので、自分の中にある漠然とした恐れの様な物を描きだしていると話していたけれど、確かにこの手法はそんな気持ちになってくる。特に彼の場合「言葉」が無いだけにそこには色々な思いが込められているのだろう。

Ottoさんの両腕の内側には入れ墨が彫られている。「これは何?」と聞くと「右手のは『ダンディー』っていうキャラクターで白いスーツに白のボルサリーノ(ジュリーのカサブランカ・ダンディーみたいなかっこですね)胸にはナイフが突き刺さっていて、顔は髑髏。身体の周りになんか飛び出ていて(忘れちゃった。写真撮らせてもらえばよかった)これは『遊んで過ごさないと死んでしまうぞ』っていう自分への戒めのようなもので、左手の『蛇』は毒避けなんだ」と教えてくれた。
自分でデザインして友達の彫り師に彫って貰ったらしい。

その後話の流れから作品の中のエピソードの一つ、確か「Destin」だったかな、メキシコ人プロレスラーが死神と戦う話の説明をしたときに、「主人公の男はちょっと自分と似ていて、<俺は死なんか恐れない。明日死ぬぞって言われてもOK!いいよ!>って答えるような男で、自分自身も不摂生をし、夜遊びをして暮らしていたのに、ある日自分の祖母が死んでしまった。彼女はものすごく健康にも気を遣っていたのに死んでしまい、自分は酒もガンガン飲むし、煙草もバカスカ吸うのにそんな自分ではなく祖母の方が死んでしまった。。。」と話していた。
どうもそれが先ほどの入れ墨を彫る数年前の事だったらしい。

その事から、「明日死んでもいい」という生き方から「遊び暮らしていないと死がお前を訪れるぞ!」という強迫観念のようなものにシフトしたのかもしれないと思いながら聞いていた。
そしてそれを自分への教訓とするためにあの入れ墨を彫ったのかもしれない。
彼の作風と刺青はある意味全く違い、物の形を『光と陰』でとらえてるやりかたから『線』でとらえるやり方に変えなければいけないから、0からのスタートだと話していたけれど、いずれ日本の彫り師に習ってみたいとも言っていた。最近流行の入れ墨とは違い、彼の入れ墨はそこに物語りがある。それが面白くもあり恐ろしくもある。

レイ・ブラッドベリの『刺青の男 (The Illustrated Man)』が好きだと話していたけれど、彼の刺青はまさにそんな感じ。
同じ部屋に泊まった友達の背中の刺青にはそれぞれ物語があり、それをひとつひとつみていくと、最後の刺青に自分の未来が描かれていて怖くなって逃げ出す話で、そんな刺青を彫ってみたいそうです。これって彼の描く作品と似ていますね。

ま、刺青話ばかりで、もっと深い話も聞いてみたかった気もするけれど、豪快なOttoさんのイメージでとどめておいた方が作品の脳味噌がヒリヒリとするような痛みをともなうグロさとのギャップで面白くていいかなと、とりとめもない事を思ったのでした。

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とちょっと加筆修正しましたが、Ottoさんは写真でもわかるとおり、とてもロック好きの豪快な人でした。
ギター・ウルフが好きで新宿ロフトにも遊びに行って楽しかったらしいです。
言葉のない作品なだけに、どこからこういう物語がでてくるのかと思っていたのですが、作家というものはやはり自分の中から何かを出さずにはいられないという衝動があってそれがある人が作家として成立するのだなとしごく当たり前の事を感じた時間でありました。
>うりぼうさん
素晴らしいレポートありがとうございます! たしかに「見学のみ参加」っていうのがあると気楽に参加できるかもしれませんね。ワークショップとか言われると、僕みたいに絵の描けない人間は怯みますし…(笑) うりぼうさんの作品というのを見てみたかったですねー。スキャナーがなくて残念! 「Les Scorpions du désert(砂漠のサソリ?)」の続編、プラット先生が降臨してツッコミって、ちょっと楽しいですね。

>椿屋さん
お忙しいところ、ご報告ありがとうございます! 当日はお疲れさまでした! 作家の方と直接お話しできることなんてそうはありませんから、僕にとってはとてもよい機会になりました。今後またこういう機会があれば、ぜひお誘いください。やっぱり写真があるといいですね! 当日の様子がよくわかります。中国のお土産話、聞かせてくださいねー。

>abeille さん
書き込みありがとうございます! いやー、やっぱり日記だけに載せておくのはもったいないですよー。懇親会でのやりとりはきっとオットさんの人となりをよく伝えてくれるものですよね。入れ墨の話、僕は直接聞けませんでしたけど、なかなか面白いですね。いずれ彫り師にもなるんでしょうか? 楽しみです。その時はぜひ歌川国芳の大髑髏とかをモチーフにしてもらいたいなー。

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