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BDについてもっと知りたい!コミュの『LE BORDEL DES MUSES』GRADIMIR SAMUDJA

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『LE BORDEL DES MUSES』TOM2 MIMI&HENRI GRADIMIR SAMUDJA
(「ミューズ達の娼館」第2巻 ミミ&アンリ グラディミール・サムジャ著)
を紹介します。

サムジャは1954年ユーゴスラヴィア生まれ。80年代初頭にスイスに移民として移住した作家です。そこで画廊商の為に印象派の模写などをしていてようですが、その後イタリアのLucaでデッサンの教授として働いていたようです。
その後、『Vincent et Van Gogh(ヴァンサンとヴァン・ゴッホ)』というゴッホへのオマージュ的な作品をデビュー作として発表し、その後に描かれたのがこの『LE BORDEL DES MUSES』シリーズです。
1巻はまだ未読なのですが、このシリーズはトゥールーズ・ロートレックを主人公としたフィクションになります。

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マロニエの花が咲き、人々が恋をする春先のモンマルトル。ジャポニズム・ブームがまだ全盛でロートレックも天狗のコスチュームを着てはお気に入りの娼婦達を誘ってしけこんでいます。

印象派がまだ当時の美術界では異端だった時代、友人のロダンやゴーギャン、ゴッホ、ルノアール達とばかげたパフォーマンスをしながらも、それぞれの表現を求めてモンマルトルから一人、また一人と旅だっていくのを見送る日々でした。
そんなある晩、帰宅途中に暴漢「黒蜘蛛」に襲われている美しい娘、ミミを助けます。赤ん坊の頃に誘拐され、その後は孤児院で育ったという謎めいた美女のミミに、放蕩息子とはいえ大金持ちのロートレックが一目惚れするのに時間はかかりませんでした。行くところがなければいつまでもアパートにいてかまわないと、洋服や宝石を買い与え、あくまでも紳士的に接するロートレックに、最初はとまどっていたミミも、やがて少しずつ心を開いてゆきます。そしてついにロートレックはアルビの生家へとミミをフィアンセとして両親へ紹介するために連れて帰るのですが、あまりの豪奢な生活と身分の違いにミミはだんだん鏡の中に現れる自分を批判するもう一人の自分に悩まされるようになってゆきます。彼の両親もミミの美しさは認めるものの、身分の違いから彼女との結婚を許してはくれません。

どうしてもミミと一緒に暮らしたいロートレックは、ミミを連れて馬車でパリまで戻ることにしますが、その帰りの夜道で「黒蜘蛛」の一味に襲われ「黒蜘蛛」と孤児院仲間だったミミは自分が一緒に行くかわりにロートレックの命を助けて欲しいと命乞いをし離ればなれになってしまいます。
ほどなく「黒蜘蛛」一味は捕まり、一緒にいたミミも絞首刑になるところをロートレックの父がなんとか助け、数ヶ月の牢獄暮らしで助かったものの、すでにロートレックの子供を身ごもっていたミミは何も告げずに刑期を終えた後、一人で子供を産みパリの独身用のアパートで暮らし始めます。

せっかく助けたミミの消息が再び途絶え意気消沈するロートレックを見かねた父が名探偵シャーロック・ホームズを雇い、居場所を突き止め、執事のジョセフが「アルビまでロートレックに会いに来て欲しい」と汽車のチケットを渡すのですが、「行くかどうかわからない」と会いたい気持ちともう一人の自分との間で逡巡するミミ。
果たしてミミの下した決断とその先に待っているものは。。。

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この作品の一番の魅力はその絵柄と独特のコマ割でしょう。
印象派そのものという画法で1ページが一枚の絵として成り立つような緻密な絵を描いているのですが、映画を撮るような感覚でその場面を表現しようとしているような大きなコマ割りもあれば、クレーンでカメラが移動しているようなコマの動きがあったり。またよく見ると、一こまの中にも遊びが隠されていて、フランス語が分からなくてもそういう細かい部分を眺めているだけでも楽しめる、そういう意味では絵本の感覚に近いような作品です。

上の画像は左から、
「表紙」
「ゴッホが自分の過去を回想して語っているシーン」(これも動きがあって面白いです)
「ミミが鏡を壊し、もう一人の自分と決別するシーン」(このコマが一番独創的だと思います。

コメント(4)

abeille さん、ご紹介ありがとうございます! フランス版『坊ちゃんの時代』!? とも思わせる作品ですね。展開がマンガ的でいいなー。名探偵シャーロック・ホームズって… 鏡のシーンいいですね! 第1巻も気になるなー。
これは今学期の教材だったのですが、やっと授業も終わったので紹介できます。
ホームズは果たして同時代だったのかも怪しいのですが、遊びで登場って感じです。けっこうそういう登場人物は多かったですね。
オチというかラストがあまりの展開だったので、NICOさんとちょっとウケてしまった。
abeilleさん、お疲れ様です。いい復習になりました。

人物や背景が写実的、話も実際にあり得るような展開でどんどん引き込まれ読んでいったのに。
あのオチに私は絶句でした。。。
NICOさん、あのオチはないですよね。
まぁ、最後の話にでたトルストイネタがちょっと救いかもしれませんが。
このサムジャって人は、けっこうだまし絵とか好きな面白い人かもしれませんね。
こんど一巻を読ませてね!

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