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BDについてもっと知りたい!コミュのDECALOGUE

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このコミュニティで何度か話題になっているシリーズです。
シナリオ Frank Giroud
作画   Joseph Behe 他
発行   Glenat

デカローグとは旧約聖書の中で、モーゼがシナイ山で神から授かったという10の掟、「十戒」のことです。
デカローグということばは固有名詞の扱いで、ふつう最初の文字を大文字で書きます。なぜなら、デカローグはひとつしかこの世に存在しないからです。すくなくとも公式には。

デカローグの名のとおり、全十巻のシリーズ。シナリオをフランク・ジルーが書き、絵のほうは、各巻それぞれ違う作家によって描かれています。
そのため、ストーリーの展開には一貫性があって、とても面白いのですが、どうしても画家のほうの絵のタイプによって好き嫌いが分かれてしまうような気がします。

物語は現在のグラスコウにはじまり、巻を追うごとに時代をさかのぼり、最終巻ではそれまでの物語の発端が描かれます。

基本的にそれぞれの巻が独立した物語で構成されて、どの巻を読んでもそれだけでストーリーは成り立つようになっていますが、やはり順番に1巻から10巻まで読むのがいいと思います。特に、10巻は絶対に最後に読むのがいい。なぜなら、最後になってそもそもの発端と言うか、秘密のようなものが描かれているからです。

10の話を結んでいるのが「Nahik」(ナイーク)という本です。この本を手にした人たちがこの本によって運命が変わっていきます。その本には美しい水彩画の挿絵があり、中でもらくだの骨に書かれた「デカローグ(10の掟)」の絵にはそれがモハメッド時代のものではないかと思わせる特徴があり……

これから一巻ずつ説明していきますが、各巻にはデカローグのひとつがテーマとして掲げられています。

最初の4,5巻ぐらいまではちょっと「ナイーク」という本以外、統一感があまり見られないのですが、後半になってさまざまな部分がひとつに集結していくのがとても面白いです

最終的にはある一族がこの本に深く関わりあうのですが、その家系図が第8巻ぐらいに出てきます。これも巧妙。

そして全十巻でとりあえず、終わったはずのシリーズに今では11巻が出ています。これは短編集で、デカローグ外伝とでも言うものでしょうか。

また、この「ナイーク」に関わることになった一族フルーリ・ナダル家というシリーズも始まりました。いまのところ第一巻しか出ていません。

さらに、第一巻の続編と言うべきシリーズ(5巻で完結予定)もあります
こちらのタイトルは Le Legataire
デカローグシリーズとは違って、こちらはふつうの一貫した物語です。

今、日仏学院の図書館にはデカローグシリーズ全10巻しかありません。
外伝や続編ものも頼んであるので、到着次第、ご紹介していこうと思っています

コメント(6)

おお! 素晴らしいですね、これ! Kigalisoupe さん、ありがとうございます。これ、まだ全10巻のイントロダクションなんですね… 壮大な紹介文になりそうですね! 楽しみにしています。こういう1つのモチーフを巡って、様々な時代をつないでく試みって小説や映画では結構ありそうですね(と言ってもすぐには思いつかないんですが…)。マンガでも探せばありそうな気がしますが、BDの場合はどうなんだろう?
それでは第1巻の紹介です。ややネタバレですので、ご注意ください

絵はJoseph Behe(ジョゼフ・ベエ)です。

Decalogue tome 1, Le manuscrit
Tu ne tueras point

デカローグ第1巻 手稿
「殺してはならない」

舞台は現在のグラスゴウです。
連日、猟奇事件のニュースが流れます。
主人公のサイモン・ブルーメックは、小説家志望の編集者です。あまりのだめっぷりに恋人グウェンにも振られてしまいます。
ある日、メリンダ・ピッツと名乗る老婦人が現れて、「Nahikナイーク」と題された、彼女の家に代々伝わる手書きの原稿を託していきます。ところがこの老婦人はサイモンの家を出た直後に交通事故にあって、亡くなります。
彼女の葬式に出席したサイモンは彼女の最後の願いをかなえてあげようと、「ナイーク」を読み始めます。予想に反して、「ナイーク」は素晴らしい傑作でした。彼はもともとフランス語で書かれていたこの「ナイーク」を翻訳して世に出そうとします。ところが出版社に送るつもりで送信した訳書「預言者の啓示」は誤って別れた恋人グウェンの手に渡ります。彼女もまた編集者で、原稿の価値にすぐにきづき、彼女の手で出版しようとします。そして同時に別れたサイモンのこともみなおし、ふたりはよりを戻します。そんな中、サイモンは「預言者の啓示」が実は自分が訳した翻訳書でしかないことをグウェンに言えずにいます。グウェンが彼のもとに戻ってきたのも、彼がとうとうオリジナルの作品を書き上げたからということもあり、ますますサイモンは本当のことを言えなくなります。そしてとうとう「預言者の啓示」はサイモンの名で出版されてしまいます。本は大ヒットし、サイモンはあっという間に売れっ子作家になってしまいます。
そんな仕事も成功し、恋人ともうまくいき、という幸福の絶頂のとき、脅迫状が届きます。
脅迫状は何通も届き、とうとうある場所に来るよう要求が来ます。
脅迫状を送ってきていたのは、金持ちの老婦人でした。彼女は先のメリンダ・ピッツの遠い親戚で、彼女の家にも同じ「ナイーク」の原稿が伝わっていました。おまけにこちらは清書され、水彩画の挿絵もついていました。
彼女の要求は金でも、また「預言者の啓示」の秘密をばらすことでもなく、ただ公式に自分のパートナーとしてそばにいて欲しいということだけでした。愛さえも要求していない。しかし、彼女との関係をきちんと公表する。
この要求はグウェンとの幸福だけを願うサイモンには耐え難いものでした。
そして……

グラスゴウでの猟奇的な連続婦女殺人事件
サイモンの成功と破滅
このふたつが交互に描かれているように最初は思えるのですが、最後のほうでサイモンの作品を映画化した作品の試写会からグウェンが出てくるシーンがあって、もともと猟奇事件がほんとうにあったのか、サイモンの作品の中のものなのか、それとも一部分がほんもので、一部分がサイモンの作品なのか、そしてそれならどこからが現実で、どこからがフィクションなのか

いろいろ謎を残す作品です。
また「ナイーク」を託したメリンダ・ピッツはサイモンに自分の一族の家系図をみせますが、この家系図の秘密が後の巻で少しずつ明らかになっていきます

また、「預言者の啓示」にはらくだの肩甲骨に書かれたモハメッドの十戒のことが記されています。この肩甲骨に書かれた十戒こそがこのDECALOGUEを通してのテーマです
一巻を読んだだけでは、あの連続猟奇殺人事件が現実のものかどうかわからないという解釈ですね。
なるほど。
私は現実にあった事件が二つ同時進行と考えて読んでいたので、(というかたぶん絵があまり好みではなかったので、誰に肩入れして読んでもいなかったからかもしれませんが)最後にすれ違うシーンでよけいぞっとしたのでした。
「ナイーク」の起源、グラスゴウという場所が持つ意味など大いに気になりますね。これからどう展開していくのか楽しみです。
「BD図書館」のHPでレビューをアップしました:

http://www.landrygros.com/toshokan/index.php?mode=file&search_type=&find=&page=1&bd_id=46
このシリーズはスピンオフも含めてたくさん出てますね
また暇なときに2巻以降も紹介しますね

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