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BDについてもっと知りたい!コミュの『Aldébaran(アルデバラン)』

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 Leo(レオ)作『Aldébaran(アルデバラン)』第1巻「La Catastrophe(カタストロフ)」(1995年、Dargaud[ダルゴー]刊)、読了しました。この『アルデバラン』というシリーズは次作の『Bételgeuse(ベテルギウス)』と共に「Les Mondes d’ Aldébaran(アルデバランの世界)」という総題の下に収められていて、現在、『ベテルギウス』の第5巻まで出ているようです。このコミュの一番最初のトップ絵に使っていた作品ですね。パンダみたいなかわいい動物が出てくる… さて、梗概は以下の通り。

 物語の舞台は西暦2047年に人類が初めて発見し、その後、植民を進めた地球型惑星アルデバラン‐4である。2084年以降、原因もわからぬまま、地球との交信が途絶えてしまっていたが、人々はかつてと変わらぬ穏やかな生活を送っていた。そんなある日、アレナ・ブランカという小さな漁村で、相次いで奇怪な現象が目撃される。決して海上に姿を現わすことがないはずの深海の生物たちが姿を見せ、海では一匹の魚も獲れなくなる。首を傾げる村人たちの前に、一連の怪現象の原因を知っているという1人の異邦人が現われる。ドリス・シェディアックと名乗るその男が言うことには、未知の巨大な海生生物がこの地域の近海を横断しており、それがために異変が起きている。大惨事になる前に村を捨て、安全な場所に避難した方がいい… しかし、村人たちは彼を詐欺師扱いして、彼の言うことなど信じようとしない。ドリスは村を去り、人々は相も変らぬ安穏とした日常に戻っていく。だが、その大惨事は起きてしまった… 生き延びたのは、たまたま村から離れていた漁師見習いのマルク・ソランセンと彼が思いを寄せているネリー・ケラー、そして彼女の妹キム、二人の父親、ドリスのことを調べに村を訪れた女性記者グウェンドリン・ロペスだけだった。村を不在にしていた彼らに事の経緯を教えたのは、例の異邦人ドリスであった。ドリスと共に惨事を目の当たりにする一同。生き延びたケラー姉妹の父親も、人々の救出に向かったまま二度と戻ることはなかった… 残された一同はそれぞれの行き先を決める。ドリスは高名な海洋生物学者で、未知の海洋生物の生態を研究しているのだという。その彼に、グウェンドリンは、その生物についてさらなる情報を得るために協力してほしいという政府の意向を伝える。が、彼はそれを断った。彼は何らかの理由で政府と敵対関係にあるらしい。グウェンドリンは大都市アナトリアの職場へと戻り、ケラー姉妹は親類がいるというアルヴァラドへ、ドリスがケリー姉妹を送っていくという。一方、マルクは大都市アナトリアへ向かう。彼は1人でアナトリアへと向かうつもりであったが、ケリー姉妹の妹の方、キムが彼の車に潜りこんでいた。仕方なくキムを同行するマルク。かくして、2人の若者のアナトリアへの冒険が始まる…

 と、要約してみたものの、この作品の肝は2人の主人公の冒険などではきっとなく、生態系と人間との関わりだと思われます。その点、『ナウシカ』っぽいところもあるのかなあ… 第1巻を読む限りでは全貌はわかりませんが、アレナ・ブランカを襲った大惨事が今後アルデバランの他の地域にどう広がっていくのか、未知の生物をめぐるドリスと政府の確執がどういうものなのか、そもそもその生物がどんな姿をしてるのかが非常に気になるところです(この巻でもそれらしきものはちょろっと出てくるんですが、ほとんど説明がなく…)。登場人物たちの表情はいかにもBD的で、例によって感情移入しにくいんですが、地球のそれとは微妙に異なる動植物たちの姿が非常に魅力的な作品です。なんか風船みたいに宙に浮いてる果物(?)とかやたら嘴の長い鳥とか… これはぜひ続きを読みたいなー。

コメント(1)

 Leo(レオ)作『Aldébaran(アルデバラン)』(Dargaud[ダルゴー]社刊)第2巻から第5巻まで読み終りました。各巻のタイトルは以下のとおり。第2巻「La Blonde(ブロンドの女)」(1995年)、第3巻「La Photo(写真)」(1996年)、第4巻「Le Groupe(グループ)」(1997年)、第5巻「La Créature(生命体)」(1998年)。ウィキペディアの「Les Mondes d’Aldébaran(アルデバランの世界)」の項を参照すると、第1巻は1994年の刊のようですね。僕が上で書いてる出版年は間違ってるみたいです。梗概は以下のとおり。

 Kim(キム)と共に Anatolie(アナトリア)へ向かう Marc Sorensen(マルク・ソランセン)は、道中 Pad(パッド)と名乗る老人と出会う。多分に詐欺師めいたこの老人に2人は有り金を巻き上げられてしまうが、彼の口利きでアナトリア行きの船に見習い船員として乗ることができることになった。が、順風満帆かと思われた船旅の途中で、ある事件をきっかけとして2人は船を放り出されてしまう。やむなく陸路を行く2人。様々な出会いを経験し、行く先々で出会った人々に助けられながら、彼らは旅行を続けていく。そんなある日、とある町に滞在していた彼らは、複数の軍人たちに囲まれて、1人のブロンド髪をした女が連行されていくのに出くわす。その女は、かつてマルクたちが村で出会った海洋生物学者 Driss(ドリス)が所有していた写真に彼の同僚として映っていた女だった! その女の行く末が気にかかり、また自分たちの村に起きた災害について何か情報が得られればという思いもあって、2人は女と軍人たちを密かに追跡する。一行はとある宿屋を女の拘留場所として使っていた。マルクとキムも旅行者を装い、同じ宿屋に入る。やがて、どうやって女に近づくかということを考える間もなく、マルクは女が見張りの軍人たちを倒し、脱走しようとしている現場に出くわす。あれこれ考える暇もなく女に協力し、脱走劇に加担してしまうマルク。彼はキムを置いて女と逃げることになる。2人は輸送用に用いられる巨大な飛行生物 Caravelle(カラベル)に乗ってその場を離れる。去り際に軍隊の攻撃を受けて女は重傷を追うが、なんとか一命をとりとめることができた。敵の影に怯えつつ、移動手段を変えながら道を進める2人。同中、マルクは Alexa(アレクサ)と名乗るその女から、ドリスのことや村を襲った巨大な海洋生物のことを聞く。謎に包まれた海洋生物の存在とそれを研究する学者のグループ、そしてそのグループを利用しようとする政府… 漠然とながら、自分の知らないところで起きている出来事について、マルクは理解し始めていく。だが、アレクサとの交友も束の間、マルクは1人でいるところを軍隊に捕えられてしまう。アレクサのことはなんとか隠しおおすことができたが、彼自身は飛行船の中にある独房に強制収容されてしまう。幸いそこで成り行き上何も言わずに別れてしまったキムと再会することができたが、やがてアナトリアに着くと2人はまた離れ離れになってしまう。マルクは外界からほとんど遮断された刑務所で3年の月日を過ごすことになる… そして3年目のある日、屋外での作業中に、彼は思いもかけない人物と再会することになる。それはかつてアナトリアへと向かう際に、乗船の便宜を図ってくれたパッド親父だった。彼の謀略で警備を欺き脱走できることになったマルク。特に行くあてもないマルクは、かつて村を訪れた女性記者 Gwendoline(グヴェンドリン)を訪れることにする。そこを起点に、成長したキムやアレクサ、ドリスらと再会を果たすマルク。やがて彼は再び海洋生物を巡る争いに巻き込まれていくことになる… ドリスとアレクサは何者なのか? 彼らが属しているグループとは? 政府は何ゆえに彼らを追っているのか? そして、謎の海洋生物とは何なのか? マルクは徐々にこれらの答えを知ることになる…

 ということで、『アルデバラン』紹介してみました。上の粗筋が第3巻の冒頭ぐらいまでですね。ここまででマルクが行動する主要な動機が出揃い、これから事件の渦中に巻き込まれていくという感じです。と言っても結構話を端折ってあるので、悪しからず。第5巻までで『アルデバラン』は終わりで、「Les Mondes d’Aldébaran(アルデバランの世界)」の第1サイクルが閉じるわけですが、通して読んでみてなかなか面白かったと思います。正直、期待していたほど思想的に深いものはないんですが、そして絵柄的にやはり感情移入しにくく、会話もやや精彩を欠くところがあるような気がしますが(その分、僕らには読みやすいです)、それでも5巻を通して読んでみるとよくできていると思います。ドリスとアレクサの正体が徐々に明らかになっていくところなんて、ちょっとしたサスペンスです。僕的には奇妙な動植物がやはり魅力で、ある程度高次な文明と訳のわからぬ野生が同居しているところがたまりません。時としてそれらの動植物たちが暴力的に人類に襲いかかったりするんですが、そういう場面が非常に素晴らしい。続編の『Bételgeuse(ベテルギウス)』にも奇妙なクリーチャーはたくさん出てくるようなので、ちょっと楽しみです。暴力的なシーンと言えば、アレクサとマルクが軍隊の手を逃げる場面で、銃で撃たれ重傷を負ったアレクサの手首をマルクが噛み切る場面があって(当然、詳細に描かれてはいませんが…)、うわっ、すごっ!と思ったことです。上では全然触れませんでしたが、謎の生物は Mantrisse(マントリス)と呼ばれ、少しずつ主人公たちの前に姿を現わしていきます。それはどこか幾何学的な形象をした、しかし常に千変万化する存在で、結局その謎が完全に明かされることはないんですが、ヨーロッパの文化の中で、人類よりも高次な生命体としてこういうものが描かれているのがちょっと意外な感じでした。もしかしたら今どき全然普通なことなのかもしれませんが… 

* 画像は左と中央が第2巻から、右が第5巻から。

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