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BDについてもっと知りたい!コミュの第1回BD研究会実施報告

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日時:2006年3月4日 土曜日 午後1時〜5時

場所:千代田区・九段上集会室

参加者:cu39 さん、Kigalisoupe さん、MiChiLo さん、takatakata さん、天野護堂さん、しゅんさん、ショードヴァル、ふくひまさん、ほそがやさん、りりおさん、りんちゃんさん、ゆうじさん、ユータさん(計13名、アルファベット順、続いて五十音順)

概要:
13 :00
会場の準備をしつつ参加者の集合を待つ。各自持参したBDやBD関連書を空いたテーブルに広げ、目を通す。簡単な自己紹介、雑談。

13 :30〜
7人集まった時点で研究会を開会。ショードヴァルから始まって各自自己紹介。途中参加者にも折りを見て自己紹介をしていただく。BDとの出会いみたいな感じ(笑)。

14 :45〜
休憩を挟み、発表。一人目、りんちゃんさんによる「BD=フレンチ・コミック? 〜BDについての素朴な疑問から」。
一般になされるBD=マンガ、あるいはBD=フレンチ・コミックという認識に対する違和感から始まり、BDの歴史を振り返りつつ、BDとは何かという定義を考える発表。BDの特徴である安価な大量印刷を可能にしたのは18世紀以降のカリカチュアだった。しかし、それらはあくまで一枚絵の連続に過ぎず、BDのもう一つの特徴であるコマ割を持ったという点でロドルフ・テュプフェールの一連の作品がいわゆるBDの出発点だと言える。BDとはフランス製のものだと広く信じられているが、フランス製のBDが流布するのは後のことで、まずは『イエロー・キッド』に始まるアメリカのコミック・ストリップが、続いて『タンタン』、『スピルー』に代表されるベルギー圏のBDが登場する。BD(Bande dessinée)という言葉自体、英語の「comic strip」という言葉の訳語として1925年に誕生したものである。したがって、BDとは広い意味で漫画のことを意味すると言っていい。一見順風満帆に見えるBDの発展であるが、戦中戦後に各国で様々な抑圧を受けてきた。そのような動きに対する反動ででもあるかのように、1959年の雑誌『ピロット』の創刊以後、自己主張の強い、より自由なBDが誕生する。フランス製のBDが大々的に登場するのは丁度この時期であり、折りしもBDを反省的に考える批評も盛んになる。その一環として、BDを第9芸術として位置付けようという動き(1971年)も生じてきた。
質疑応答。

16 :00〜
休憩を挟み、二人目の発表。cu39 さんによる「日本の「マンガ論」から « Les Aventures de Tintin » を読む」。
「タンタンの冒険」シリーズの説明。作者、作品内訳等。ホワイトボードにタンタンの絵を描く cu39 氏。続いて伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』の説明。とりわけ今回の読解に用いる二つの概念対、「もっともらしさ」と「現前性」、「キャラクター」と「キャラ」の解説。マンガのリアリティには2種類あって、マンガが我々読者が住む世界と密接に対応した世界を描いたために獲得したリアリティを「もっともらしさ」、我々の世界とは対応していないが、その世界の実在を強く信じさせるリアリティを「現前性」と呼ぶ。「キャラクター」とは「もっともらしさ」のリアリティを有した登場人物の一側面であり、個々の物語の登場人物がその代表である。一方、「キャラ」とは「キャラクター」に先立って存在するもので、個々の物語を離れて存在しうる。例えば、「ハロー・キティ」などを考えてみればよい。これは「現前性」のリアリティに対応している。とは言え、「キャラクター」と「キャラ」は対立するものではなく、登場人物はこの二つの特徴を重層的に有している。手塚治虫を大きな転換点として、日本のマンガでは「もっともらしさ」、「キャラクター」のリアリティが求められ、「キャラ」の魅力は隠蔽されたまま注目されずにいたが、ここにきて、「萌え」マンガなど、「現前性」、「キャラ」を自覚的に志向するマンガも現われてきている。日本のマンガ論から生まれた以上の議論を踏まえて「タンタンの冒険」シリーズを読んでみる。シリーズを重ねるに連れてコマ数が増加するにもかかわらず、タンタンの登場コマ数は増えていない事実、背景の描き込みの増加は「もっともらしさ」を強化したはずである。また、開始当初不死身であったタンタンが傷つく存在へと変わっていったことなども「もっともらしさ」の強化に貢献している。一方で、「タンタン」シリーズの登場人物はマンガのそれのようには内面を持たず、絵としての存在感が強いことなどから「現前性」を強化している。読者が登場人物に同一化することを妨げる構図をとっていることも「現前性」を強化する要因となっている。結論として、「タンタンの冒険」シリーズにおいては、背景世界が「もっともらしさ」を強化するのに対し、登場人物が「現前性」を強化している。登場人物の内面が描かれないことは単なる時代的な限界としてではなく、むしろこの作品の魅力(「キャラ」性)として積極的に語りうるのではないだろうか。
質疑応答。

16 :50〜
閉会。後片づけ。

コメント(13)

勉強になります。
来月の報告も楽しみにしています。
とても興味深い内容ですね。参加できなくて残念です。毎月行なわれる予定なのですか?
アリスさん、ness さん、ありがとうございます。毎月行なっていく予定です。
発表の内容をより詳しく知りたい方、質問がある方はぜひどうぞ。
すごくおもしろそうですね。
ご報告ありがとうございました。
発表原稿あるいはもう少し詳しいレジュメを会場で配布されたのであれば、ぜひ入手したいです(電子形式で結構ですので。あ、コレは直接発表者に頼めばいいことですね)。
あと、質疑応答の内容もできたら少し知りたい。

ほんならちゃんと来んかい!っていう話なんですけど遠方なもので...。
ショドヴァルさん、レジュメありがとうございます。
ちゃんと研究発表もあって素晴らしいですね。
素人の私が聞くだけで参加しても、面白そうです。
次回は参加したいです。
>ともさん
相当遠方ですもんね(笑)。発表のレジュメはいただきましたー。ぜひ発表者のお二方にご交渉ください。たぶん大丈夫だと思いますよ(などと安請け合いしてみたり・・・)。実は質疑応答もまとめようとしたんですが、僕にうまくまとめるだけの能力がありませんでした・・・ 簡単に触れておくと、りんちゃんさんの発表については、現代のBDの社会的地位についての質問と雑誌についての補足説明、その後アングレームのBDミュージアム等に話が移っていったような… で、cu39 さんの発表については、エルジェは「タンタン」シリーズの描き直しをしているそうで、オリジナルと改作の比較が研究を進めていく上で役に立つんじゃないかという話と、「もっともらしさ」の獲得が『タンタン』を評価する上でのキーになりうるのかという質問という感じでした。ちょっと舌足らずな説明になってしまいました。参加した方の中で間違いや不足に気づいた方がいらっしゃれば、ぜひご指摘ください。

>abeille さん
次回はぜひ! 今回はちょっと学術的な雰囲気でしたが、場合によってはもっとやわらかくなると思います。

今回はかなり時間的にきつくなってしまった印象があったので、次回からは発表を1つにしようという話が出ています。もっと自由に雑談したり、BDを眺める時間があってもよかったですね。徐々にベストの形を見出していきたいと思います。
かなり学術的な内容なんですね。次回はゼヒ参加してみたいけど、なんか予習が必要なのかなと思ってしまいますね。その敷居の高さがいい感じ。
ショードヴァルさん、ぼくの個人的なわがままに答えてくださりありがとうございます。かなり突っ込んだ内容の発表だったようで、これからも楽しみですね。かげながら応援しています。なにかぼくにできることがあれば、できるだけ協力しますのでご遠慮なくどうぞ。
私も、要約を読ませていただきたいです!!
コミュ上では、発表は無理ですか?
>ホリテツさん
書き込みありがとうございます。今回はちょっと学術的でしたね。ひとえに発表者お二方の力なんですが、毎回こんな水準ではありませんので、気楽に参加してください。

>ともさん
ありがとうございます! 何かあったらお願いします。

>アリスさん
すみません。長さからいってコミュ上に掲載するのは難しいと思います。発表者ご本人に交渉してみてください。たぶん大丈夫なのでは・・・?
『タンタン』について発表したcu39です。
ともさん、アリスさん、レジュメのご希望ありがとうございます。
私のものについては、ダウンロード用URLをメッセージにて
お送りしましたので、よろしければご覧下さい。

もし他にもご希望の方がいれば、ここにその旨をお書きいただくか
私宛にメッセージをいただければ、
ダウンロード用のURLをご連絡いたします。

※内容は現在進行形のもので、今後大きく内容を変更する可能性や、
誤った記述を含む可能性があります。
そのためどなたにお渡ししたか確認できるかたちで配付したいと思い、
パスワードロックをかけています。ご了承ください。
cu39 さん、りんちゃんさん、ありがとうございます。発表のレジュメが欲しいという方は、お二方に直接ご依頼ください。

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